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トリーツ
しつけ

2020.09.10

犬のトリーツ、おやつのことだと思っていませんか?トリーツの意味を知ろう!

みなさんは、どんな時にどんなトリーツを使っていますか?また、トリーツとおやつを使い分けていますか?実は、トリーツとおやつは言葉の意味からして違うものだったりします。実は、この記事を書いている私も、トリーツとおやつの違いをよく理解していなかった一人です。その原因は、「おやつを使ったしつけ」という言葉が巷に溢れているから。おやつを使ったしつけとトリーツを使ったトレーニングとの違いがよく分かりませんでした。そこで、今回はトリーツとおやつの違いについてやトリーツとは正確にはどんな意味があるのか、どんな時にトリーツを使えばいいのかについてご紹介していきます。

Author :西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

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まずは知っておきたいトリーツとおやつの違い

犬のトリーツ

犬を飼ったことがない人や犬を飼い始めたばかりの人との会話の中で、「トリーツ」という言葉を言っても、すぐに意味を理解してくれる人はほとんどいません。そんな時に、“あっ、おやつのことです”などと、その意味を説明したことはありませんか?トリーツ=おやつと思っている方も多いのではないでしょうか?しかし、この2つの言葉は似ているようで全く異なる意味を持っています。

トリーツは“ご褒美”

トリーツは英語で書くと“TREATS”となり、「もてなし、お楽しみ、ごほうび」という意味を持つ単語です。日本では犬のおやつのことをトリーツと思うことがまだまだ多いですが、この言葉には、おやつという意味はありません。トリーツはおやつという意味ではなく、犬への『ごほうび』の意味で使用しているのです。トレーニングの中で、正しいことをしたり、上手にできたことのごほうびとして、犬が喜ぶ「ウマウマ」をあげることが最も一般的であることから、トリーツ=おやつという意味に捉えられることが多いのかもしれませんが、本来トリーツはなんでもない時に与えるおやつではありません。

おやつの意味は“間食”

では、おやつとはどういう意味なのでしょうか?おやつとは本来“間食”のことを指す言葉で、漢字では『御八つ』と書きます。江戸時代では八つ時(午後3時ごろ)に、エネルギー補給のためおにぎりなど簡単な食事=間食をしていたのがおやつのはじまりです。江戸時代後期になると煎餅や団子などの甘味も食べるようになり、その習慣が現代にも引き継がれているのです。

トリーツとおやつの違いとは

トリーツとおやつの意味を厳密に調べてみると、トリーツはごほうび、おやつは間食と、その意味や役割がまったく違うことが分かります。犬のトリーツに関して、意味の違いにそこまでこだわる必要はないのでは?そう思われるかもしれませんが、もし、与える側の飼い主が曖昧な認識を持っていると、行動にも無意識のうちに反映されてしまいます。そして、その曖昧さは犬にも伝わってしまい、ごほうびなのかおやつなのか、犬が判断できなくなる可能性があるので、注意してみてください。

混同しがちなおやつとトリーツ

一般にトリーツとは「おいしいもの」のことを指しています。できないことができたから、指示に従ったから、犬は「できた」ごほうびとしてトリーツがもらえるのです。しかし、「お留守番頑張ったね」ともらえる「おいしいもの」は、犬にとってトリーツになるのでしょうか?これも、お留守番をちゃんとできたことへのごほうびなので、トリーツになります。一方おやつは、何かをした報酬としてもらえるものではなく、飼い主側が特に理由がなく与えているものになります。

本来のトリーツは食べ物だけではない

トリーツ

ごほうびの意味を持つトリーツ。大抵の場合、ビスケットなどの特別な食べ物をトリーツとして使用しています。また、ボールやおもちゃといった食べ物以外のものでも問題はありません。トリーツの目的は「ごほうび」なので、犬が喜ぶものを与えるケースも多くあります。

トリーツはおいしい方が効果あるの?

トリーツを与えることは、良い行動、正しい振る舞いをする動機付けになります。犬の場合の良い行動、正しい振る舞いとは、しつけやトレーニングによって教えられる内容を指します。それをマスターさせるために、多くの犬にとって効果的なごほうびとして、食べ物のトリーツが使われているのです。

トリーツ選びのポイント

トリーツ選びのポイントは、犬が好きな食べ物や物をトリーツとして選ぶこと。もし、ドッグフードが好きであれば特別な食べ物ではなく、普段食べているドッグフードでも問題はないのです。トリーツの与え方は、ドッグフード一粒程度の小さなひとかけらが基本です。トリーツの役割は量を与えてお腹を満たすことではなく、あくまでも「できたこと」へのごほうびです。もちろん、食べ物に興味がない犬の場合は、大好きなおもちゃをトリーツとすることも効果的です。食べ物にこだわることなく、犬が喜ぶものを選ぶことが大切なポイントとなります。

褒めることは心のトリーツ

犬は飼い主に褒められることが大好きです。思いっきり褒められることで、犬は大きな喜びと精神的な充足を感じます。これが“心のトリーツ”と言えるものです。人間の子供と同じように、「褒めて伸ばす」ことも信頼関係が構築されていれば可能なのです。

トリーツは与えるタイミングが重要

トリーツ

美味しいもの、大好きなおもちゃ、そして思いっきり褒めること、トリーツの形はさまざまでも、ごほうびはあげるタイミングを間違えると効果がありません。タイミングよく与えて初めて効果が現れるのです。

犬の性質を理解しよう

犬の場合は“すぐに”ごほうびを与えないと、どうして食べ物がもらえるのか、どうして褒められているのかを理解することができません。“しばらくしてから”“あとで”という遅れたタイミングは、良い行動、正しい振る舞いをしたことと、ごほうびを与えられたということを、犬が関連付けるには遅すぎてしまいます。

ごほうびはいつ与える?

トリーツは「できたら」すぐに与えることが基本です。または、良い行動、正しい振る舞いをしている最中に与えることが重要です。たとえば「オスワリ」や「マテ」などの指示を愛犬に出します。それに犬が適切な反応をして「オスワリ」や「マテ」ができたらすぐに与えます。この時、飼い主とアイコンタクトが取れていることがポイントです。

【体験談】トリーツ選びはその子の性格に合わせることが大切

ここで、私の実体験をご紹介します。私の飼っていたゴールデンレトリバーは、ボールが大好きな子でした。引っ張り癖がひどかったため、訓練士立会いのもと、公園でヒールウォークの練習をしていたのです。訓練士から「そこでトリーツをあげて」と指示を出されました。ところが、指示通り、1粒のドッグフードを口元に持っていくと、うちのコはなぜここで食べ物が出てくるの?という顔をして、決して食べようとはしませんでした。

「ゴールデンで食べ物に興味がないコは初めて」と、その時言われましたが、彼の大好きなボール、そして大げさに褒めるというトリーツに変えたところ、スムーズに訓練が続けられたのです。食べ物だけがトリーツではないとそのときに実感しました。

食べ物から心のトリーツまでを効果的に利用してみて

トリーツ

トリーツの意味はおやつではなく“ごほうび”です。最近では、日常生活で「おやつタイム」があったり、散歩で挨拶代わりにおやつをもらうことも増えていますが、普段からおやつをもらい慣れていると、トリーツとおやつの区別がつきにくくなるかもしれません。友好的に食べ物をトリーツとして使う場合は、なるべくおやつを与えないようにすることもポイントと言えるかもしれませんね。

◎ライタープロフィール
西村 百合子

西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士、犬の東洋医学生活管理士2級

ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。
現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。

  • 更新日:

    2020.09.10

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