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健康管理 / 病気

2020.09.30

【獣医師監修】アニサキスは犬も要注意?症状・治療法・予防法まとめ

犬の中にはお魚が好きなコもいますが、犬に魚類を与える際はアニサキス症に注意が必要です。アニサキス症は予防をすれば発症のリスクがぐっと下がるので、原因と予防法について理解を深めておきましょう。また、アニサキス症の症状や治療法も併せて解説していきます。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:新井 絵美子)

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犬も要注意!アニサキス症とは?

犬 アニサキス

アニサキス症とは、アニサキスという寄生虫を摂取することで引き起こる食中毒です。アニサキスは長さ2~3cm、幅0.5~1mm程度の肉眼でも確認できる大きさで、半透明の白い糸のような形状をしています。体内に侵入したアニサキスの幼虫が胃壁や腸壁に突き刺さることで発症します。

主な症状

犬がアニサキス症にかかると人間同様に、激しい腹痛や吐き気、嘔吐などを引き起こします。アニサキスが体内に侵入してから数時間~数十時間後に症状が現れ、一定の間隔で腹痛を繰り返すのが特徴です。

他の犬や人にうつる?

アニサキス症は、犬だけでなく人も発症する動物由来感染症です。しかし、アニサキス症の犬から直接的に他の犬や人にうつるのではなく、後述するアニサキス症の原因によって発症します。

アニサキス症の原因

犬 アニサキス

犬も注意が必要なアニサキス症は、私たちの身近な食材が原因となって発症します。では、その原因について具体的に見ていきましょう。

アニサキスが寄生した生の魚介類を食べて感染

アニサキス症は、アニサキスが寄生した生の魚介類を食べてしまうことで発症します。アニサキスはアジやイワシ、サバ、サンマ、カツオ、サケ、イカなどの内臓に寄生しています。

それならば、内臓を取り除いて身の部分を愛犬にあげればよいのでは?と思うかもしれませんが、アニサキスは宿主が死亡して時間が経つと内臓から筋肉(身の部分)に移動します。そのため、犬が生の魚介類を食べると中毒症状を引き起こすリスクが高いのです。

かかりやすい犬種や年齢

アニサキス症状は、犬種や年齢に関係なくかかるリスクがあります。

犬のアニサキス症の治療法

犬 アニサキス

犬がアニサキス症にかかった場合、効果的な駆除薬は残念ながらありません。アニサキス症にかかった場合は、内視鏡で虫体を確認してその場で摘出します。アニサキスが体内からいなくなれば症状はどんどん軽くなっていき、痛みなどが消え去ります。

治療にかかる費用

アニサキス症の治療にかかる費用は、検査費や内視鏡による摘出費などを含めて6~11万円ぐらいです。そして、この費用とは別に治療後の通院費がかかります。

犬のアニサキス症の予防法

犬 アニサキス

アニサキスは熱に弱い性質があります。60度なら1分以上、もしくは70度以上での加熱処理により死滅するので、愛犬に魚介類を与える際は火を通したものだけにすると予防ができます。

また、加熱だけでなく冷凍にも弱いので、20度以下で24時間以上冷凍処理することでも死滅します。愛犬の食事を手作りするにあたり魚を使用している場合、すぐに使わない分に関しては、冷凍して保存しておくとよいでしょう。

再発する可能性

アニサキス症にかかって回復しても、アニサキスが寄生した生魚を食べた場合、再び発症してしまいます。犬は生魚を食べられますが、アニサキスの寄生の可能性を考えると、火を入れて与えたほうが望ましいとされています。もしお刺身などを食べている横で愛犬が欲しがるような場合は、安易に与えないほうがよいでしょう。普段から予防策を取って発症を繰り返さないようにしましょう。

犬のアニサキス症との向き合い方

犬 アニサキス

犬がアニサキス症を発症すると、激しい腹痛や嘔吐などに襲われます。もし魚介類を食べた後に愛犬の様子がおかしいと感じたら、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。体内に侵入したアニサキスを摘出すれば、痛みは消えて回復していきます。また、調理器具や愛犬が使う食器を介した二次感染を防ぐために、洗浄もしっかりと行い衛生的に保つようにしましょう。

  • 更新日:

    2020.09.30

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ライター・監修者プロフィール
  • 監修者:加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。