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視力が弱くなっている老犬が老犬ホームでのんびりと過ごしている
住まい / 生活
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2021.07.09

老犬ホーム完全ガイド!気になる料金や関東・関西のおすすめのホーム7選

犬が長生きするようになって、人と犬が老老介護になったり、飼い主の生活状況から老犬の介護ができなくなってしまったり、というケースが増えています。
また、なかには老犬になって病気・怪我が目立ってきたため、1人でお世話するのが大変で誰かの手を借りたいという方もいるかもしれません。その受け皿として、近年では老犬用の介護施設「老犬ホーム」の数が増えてきました。
しかしながら、まだまだ法的規制も緩く、簡単な認可で誰もが開業できることから問題やトラブルも少なくありません。そこで今回は失敗しない老犬ホームの選び方やよくあるトラブルのケース例をご紹介します。

泉 能子/愛犬家、ドッグライター

老犬ホームとはどんな施設?

老犬ホームでのびのびと遊ぶ老犬のダックスフンド

老犬ホームとは一口に言えば、老齢になって通常の生活が難しくなった老犬を、飼い主が高齢であったり、介護の時間がとれないというときに、飼い主に代わり預かりお世話をしてくれる施設のことです。近年、犬の生活環境の向上や、動物医療の進歩により犬の寿命が急激に伸びてきました。

それにより、人の高齢化と共に、愛犬を終生まで看取ることができないケースも増えてきています。そのことから老犬ホームの需要が高まってきていますが、個々の老犬ホームによって設備や費用、受け入れ条件などは多岐に亘ります。

大きく分類して最期まで犬を看取る終生介護タイプと、一時的な介護サポートを受けられるタイプに分けられますが、終生まで預けることになると、かなり高額な料金がかかってくることから、老犬ホーム選びは多くの情報を得てできるだけ多くの老犬ホームを見学して決めることが大切です。

一時介護タイプ

愛犬を預けている数時間の間において、お世話やリハビリなどのサポートをしてくれるタイプです。飼い主さん以外にも定期的に愛犬を専門家の目で確認することができるため、ちょっとした異変などにも気付きやすいと言えます。自宅と施設の移動自体が愛犬のストレスにならないのであれば、まずは一時的なタイプから検討してみるといいでしょう。

終生介護タイプ

愛犬がその命を引き取るとる最期のときまで施設に預けて面倒を見てもらう方法です。施設にもよりますが、家の近くの老犬ホームであれば愛犬の様子を見に行くことも可能です。自宅での療養が難しい場合の手段と言えるかもしれません。

老犬が運動をすることができるプール施設が充実していたり、素人には難しい歩行のリハビリ等を行なうことが出来るため、場合によっては老犬にとっても飼い主にとっても安心のできる施設になってくれるかもしれません。

老犬ホームでの一日

老犬ホームでは、犬の体調を一番に考えながら、規則正しい生活が送れるようなスケジュールを組んでいます。施設によって異なりますが、一日のスケジュールの流れ(例)は次の通りです。

1日のスケジュール(例)

  • 起床:健康チェック
  • 朝の散歩:歩行が可能な犬はなるべく散歩に出かけ、排泄も済ませます(寝たきりのコはカートに乗せて連れていってもらえる施設もあります)
  • 朝食:それぞれのコに合わせて、体調なども考慮した上で用意されます
  • フリータイム:歩行訓練や運動、リハビリなど犬によって過ごし方は様々です
  • 夕食:そのコに合わせたごはんが用意されます
  • 夜のお散歩:夜鳴きの防止やぐっすりと眠れるよう夜もお散歩に出かけます
  • グルーミング:体のお手入れをしながら、スタッフの方たちとスキンシップをとる時間です
  • 就寝:それぞれのペースで眠りにつきます

老犬ホームの料金や設備・準備が必要なもの

老犬ホームの書類を書いて手続きをしている

施設やプランによっても料金体系・設備は変わるため、一概には言えませんが、今回調査した中での標準的な老犬ホームの利用料金や設備等をご紹介します。

老犬ホームの料金

老犬ホームに預ける際の利用料金は以下の通りです。預ける年数に応じて割引が適用される施設等もあります。

利用料金(目安)

  • 入所金:1頭当たり10万円~30万円程度。ホームへ入所する際に発生します。
  • 月額料金:月額5~10万円程度。毎月発生する費用で、食事・散歩・グルーミング・お世話・光熱費・消耗品等の代金が含まれることが大半です。
  • 医療費予備費:都度10万円程度。医療行為を行った時や、別途特別に費用が発生した場合に必要となります。事前に預け、利用した分が差し引かれる場合もあります。

老犬ホームの設備

施設によって設備は様々ですが、主な老犬ホームの設備は以下の通りです。

主な設備(例)

  • ドッグランやプレイルーム:老犬でも運動が可能なコはドッグランなどで適度な運動を行います。他の犬との交流も生活に刺激を与えます。
  • 診療室:健康チェックや具合の悪い犬の処置を行います。
  • シャワールーム:必要に応じてシャンプーやグルーミングなどを行います。
  • 面会室:面会に来た飼い主さんとゆっくり過ごすための部屋です。
  • 個室スペース:犬専用のスペースです。昼間の休憩時や夜間の就寝時には犬はここで休みます。パーテーションで1頭ずつ区切ってある場合や、完全個室などがあります。

預ける際に必要なもの

老犬ホームには愛犬が生活するための基本的な設備は整っていますが、預ける際に飼い主さん自身が用意すべきものもあります。概ね下記の通りです。

老犬ホームに預ける際に必要なもの

  • 鑑札
  • 狂犬病予防接種済票
  • ワクチン接種済証
  • 入所金・数か月分の費用
  • 普段使っているベッドや毛布

老犬ホームの選び方

老犬ホームで寂しそうに芝生に寝そべる老犬

ネット上には数多くの老犬ホームが掲載されていますが、画面上だけでは優劣を見極めることができません。 まずは、ここならと思える老犬ホームをいくつか選び必ず事前見学をすることが大切です。失敗しない老犬ホームのチェックポイントは5点です。

1.アクセスしやすい

老犬ホームの所在地はなるべく自宅から近いところにしましょう。老犬ホームに預けても飼い主であることを放棄したわけではありません。定期的に面会に行き、愛犬を安心させてあげましょう。そのためにも老犬ホームはいつでも通えるところにあることがベストです。

老犬ホームの選び方|2.医療のバックアップ

老犬ホームと提携している動物病院が近くにあるかどうか、契約の中に定期健診や予防接種が含まれているかどうかもしっかりと確認しておきましょう。

老犬ホームの選び方|3.設備の充実

愛犬が終日過ごすことになるホームの設備は重要なチェックポイントです。

居住環境

愛犬がゆったりと過ごせる広さの犬舎であることや、他犬の鳴き声がストレスならないように防音設備がされていること、熱中症や低体温症などを防ぐための空調設備が完備されていることを確認しましょう。

24時間監視カメラが作動しており、スタッフが常駐しているところならば、体調の急変などにもすぐに対応でき、またスタッフによる動物虐待防止にもなります。

運動施設

老犬になっても定期的な運動は必要です。施設内にはどのような運動施設があるのかをチェックしておきましょう。 屋外のドッグランであれば芝生や土の手入れや衛生状態が良いかどうかをチェック。室内ドックランであれば、段差や床材などが老犬に配慮されているかどうかも見ておきましょう。

4.サービス

老犬ホームで一番重要視したいのがサービス内容です。どれだけのサービスを受けられるのかをしっかり確認しておきましょう。

食事

市販のフードなのか(今与えているフードを引き続き使ってくれるのかも確認)、手作り食なのか、介護が必要なときは食べ終えるまで傍に付き添ってもらえるのか、老犬食(チューブや液体など)を与えてもらえるのかなどを確認しておきましょう。

散歩・運動

一人のスタッフで何頭の犬を散歩させるのか、足が不自由な犬にも介助がついてくれるのかなどを聞いておきましょう。

介護

毎日のブラッシングや声かけなどスキンシップを取ってもらえるのか、老犬の状態によっては、おむつの取り換えや、寝たきりの場合の床ずれ予防などの介護もしてもらえるのかも確認することが重要です。

また、夜間でも監視カメラなどで終始安全をチェックしてくれるのか、常時スタッフがいて徘徊や夜鳴き、排泄の介護などをしてくれるのかも大切なチェックポイントです。

5.スタッフの質の高さ

老犬ホームで常に愛犬と接してくれるのはホームのスタッフです。スタッフの人間性や犬に対する知識の質が高いところは、比較的トラブルも少ない傾向にあります。

絶対的なものではありませんが、民間資格ですが「老犬介護士」「愛犬飼育管理士」「小動物介護士」などの資格を持っているスタッフがいることも、ひとつの判断材料になります。

老犬ホームおすすめ7選|関東エリアと関西エリア

老犬ホームで暇そうに外を眺める老犬

ここからは、関東エリアと関西エリアにわけて各地の老犬ホームをご紹介します。

老犬ホーム【関東エリア編】

まずは関東エリアの老犬ホームを4つご紹介します。

1.THE KENNELS TOKYO/東京

老犬ホームだけでなく、ペットホテルやデイサービスなどおこなっている「THE KENNELS TOKYO」は、『もうひとつの我が家』と思えるような環境で愛犬を預かってくれる施設です。関節への負担が少なくリハビリができる水中トレッドミルや、炭酸泉温浴施設など老犬には至れり尽くせり。ワンランク上のサービスが受けられます。

なお、入所前にはしっかりとカウンセリングを行い、犬それぞれに合ったオーダーメイドプランを作成してくれます。季節ごとの行事やお誕生日祝い、遠足などのイベントを実施して日常生活を楽しく過ごせる工夫をしてくれる老犬ホームです。

施設情報
  • 施設名:THE KENNELS TOKYO
  • 住所:〒152-0012 東京都目黒区洗足2-19-2(受付1F)
  • アクセス:東急目黒線「洗足駅」より徒歩1分
  • 電話番号:0120-085-808
  • 受付時間:8:00-20:00

2.東京ペットホーム/東京

「東京ペットホーム」では『ホリスティック介護』という自然治癒力を高めて病気を予防するという考え方の下、アニマル・マッサージをおこない、血行促進や免疫力アップを促してくれます。複数メディアから取材を受けた経歴もある老犬ホームです。

施設情報
  • 施設名:東京ペットホーム
  • 住所:〒144-0033 東京都大田区東糀谷1-13-22(ドッグホーム2号館)
  • アクセス:京急空港線「大鳥居駅」より徒歩13分
  • 電話番号:0120-22-4205
  • 受付時間:9:00-19:00

3.老犬ホーム&ペットホテル 九十九里パーク/千葉

近くに海や川もあり、自然豊かな好立地にある「九十九里パーク」。海岸のお散歩は、みんな気持ちよさそうです。また、天然芝の広大なドッグランもあり、ここで飼い主さんと面会もできます。料金も明朗会計なので、安心ですね。

施設情報
  • 施設名:九十九里パーク
  • 住所:〒283-0102 千葉県山武郡九十九里町小関2188-3
  • アクセス:JR東日本東金線「東金駅」より車で約15分
  • 電話番号:0475-77-7774
  • 受付時間:電話受付は24時間対応(080-5533-2923)

4.WANCOTT/横浜

「WANCOTT」は、全天候型の広々としたドッグランを有し、ペットホテルやトレーニングなど様々なニーズに応えてくれる複合しせうつです。老犬ケアにも力を入れており、手作り食やカテーテル食などにも対応してくれるなど、愛犬に合わせたオーダーメイドの介護が受けられます。またスクール、介護・老犬ケアをご利用の方には送迎サービスも兼ね備えています。

施設情報
  • 施設名:WANCOTT
  • 住所:神奈川県横浜市中区山下町168-1 レイトンハウス3F・4F(総合受付 4F)
  • アクセス:みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩約8分
  • 電話番号:045-264-8730
  • 受付時間:10:00-20:00

老犬ホーム【関西エリア編】

つづいて、関西エリアの老犬ホームをご紹介します。

5.老犬ホームあん/京都

京都にある「老犬ホームあん」は、非営利の一般社団法人に認定されており、利用料金もわかりやすくリーズナブルに設定されています。行政との連携もあり、災害が起こった時などには犬の避難所として多くの被災犬を受け入れた実績も。

施設情報
  • 施設名:老犬ホームあん
  • 住所:〒622-0323 京都府船井郡船井郡京丹波町井尻 スハ1-44
  • アクセス:JR西日本山陰本線「下山駅」より車で約16分
  • 電話番号:0120-905-811
  • 営業時間:24時間営業

6.老犬介護ホーム Azul(アスル)/福岡

福岡にある「Azul」は、古民家を再利用したアットホームな老犬介護ホームです。我が家のように過ごせるので、愛犬たちのストレスも少なく、24時間体制で介護が受けられます。2020年8月にオープンしたキレイな施設も魅力のひとつですね。

施設情報
  • 施設名:ペットケアステーション大阪
  • 住所:〒811-3133 福岡県古賀市青柳町282
  • アクセス:JR九州「ししぶ駅」より車で約15分
  • 電話番号:092-410-7660

7.ペットケアステーション大阪/大阪

預かりサービスだけでなく、訪問介護やペットシッターなどのサービスも充実している「ペットケアステーション大阪」。老犬だけでなく、子犬からずっとサポートする終生サポーターとして、できるだけ愛犬に負担のかからないようなケアに定評があります。

施設情報
  • 施設名:ペットケアステーション大阪
  • 住所:〒590-0011 大阪府堺市堺区2-7-11
  • アクセス:阪堺電気軌道阪堺線「宿院駅」より徒歩約6分
  • 電話番号:072-221-8098
  • 受付時間:8:00-20:00(土日祝日除く)

老犬ホーム選びではトラブルに注意

老犬が机の上で呼吸を苦しそうにしている

さまざまな理由で、老犬の世話が難しくなった飼い主さんにとっては、老犬ホームはとても有り難い存在ですが、ペット関連サービスとしてはまだまだ確立された分野ではありません。動物愛護法では「老犬・老猫ホーム」に対しては「譲受飼育業」という認可を必要としていますが、認可を取得するのはそれほど難しいものではないため、そのサービスの優劣においても千差万別です。

老犬ホームでよくおこるトラブルや問題をケース別にご紹介します。

ケース1.契約内容と支払い金額についてのトラブル

高額の年間契約料を支払ったが、日常の介護や定期的なトリミングやシャンプーなどは料金に含まれていても、病気をしたときの治療費や死亡した時の埋葬料などは含まれていないことが多く、別途高額な請求をされてトラブルになることがあります。老犬の預かりには短期預かりと終生預かりがありますが、どちらにしても契約内容がどこまで含まれているのかを細部までしっかりと確認することが必要です。

ケース2.老犬ホームの設備や受託サービスによるトラブル

老犬が日々暮らす老犬ホームの犬舎やベッドまわりなどが不衛生であったり、寝たきりの老犬などの介護がおざなりであったりして、家で暮らしている時よりも元気がなく状態が悪くなった、というトラブルも多く見られます。老犬ホームの施設は外見だけではなく、実際に老犬が過ごしている場所をしっかりと見せてもらう必要があります。できれば介護しているところを見せてもらうといいでしょう。

ケース3.悪徳業者に注意!引き取り屋と老犬ホームは違う

ネットを検索していると「飼えなくなった犬引き取ります」という引き取り屋のサイトが見つかりますが、これは老犬ホームではありません。万が一愛犬を預けてしまっても一生引き戻すことさえ出来ないかもしれません。引き取り屋は飼えなくなった犬を安価で引取り、不衛生な場所で放置に近い状態で置かれていることがほとんどです。「譲受飼育業」の認可も受けていないことが多く、名称を「老犬ホーム」としている悪徳業者も増えてきているので注意が必要です。

老犬ホームも選択肢のひとつとして考えておこう

介護が必要な老犬がカートに乗ってお散歩している

シニア世代にとっても長年共に暮らしてきた愛犬は家族の一員であり大切なパートナーです。最後まで自分の手で看取ってやりたいと思う気持ちは誰でも同じだと思いますが、自身の身体が思うように動かせなくなったときのことは、愛犬が元気なうちから考えておきましょう。愛犬のお世話が大変で飼い主さん自身が辛くなったり、それで犬のお世話ができなくなってしまうようであれば、選択肢のひとつとして優良な老犬ホームを選択するのは決して悪いことではありません。設備やサービスが整った優良なホームほど高額な費用がかかりますので、もしもに備えて犬の保険と同様に今から少しずつ準備しておくことも必要なことです。

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  • 公開日:

    2020.08.12

  • 更新日:

    2021.07.09

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ライター・専門家プロフィール
  • 泉 能子
  • ドッグライター
  • 動物が大好きで、気づけば隣にはいつも愛犬がいて、愛犬とお互いに助けたり助けられたりの共同生活をしているドッグライターです。 今までにヨークシャーとスムースダックスを育てて看取り、今は保護犬の9歳になるブラックタンのダックスと暮らしています。 人と犬が楽しく幸せに暮らすために役立つ記事を発信していきます。