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住まい / 生活

2020.08.12

老犬ホームの選び方完全ガイド|5つのチェックポイントでトラブルを防止!

犬が長生きするようになって、人と犬が老老介護になったり、飼い主の生活状況から老犬の介護ができなくなってしまったり、というケースが増えています。また、なかには老犬になって病気・怪我が目立ってきたため、1人でお世話するのが大変で誰かの手を借りたいという方もいるかもしれません。その受け皿として、近年では老犬用の介護施設「老犬ホーム」の数が増えてきました。しかしながら、まだまだ法的規制も緩く、簡単な認可で誰もが開業できることから問題やトラブルも少なくありません。そこで今回は失敗しない老犬ホームの選び方やよくあるトラブルのケース例をご紹介します。

Author :泉 能子/愛犬家、ドッグライター

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犬の介護施設「老犬ホーム」とは?

老犬ホーム

老犬ホームとは一口に言えば、老齢になって通常の生活が難しくなった老犬を、飼い主が高齢であったり、介護の時間がとれないというときに、飼い主に代わり預かりお世話をしてくれる施設のことです。近年、犬の生活環境の向上や、動物医療の進歩により犬の寿命が急激に伸びてきました。

それにより、人の高齢化と共に、愛犬を終生まで看取ることができないケースも増えてきています。そのことから老犬ホームの需要が高まってきていますが、個々の老犬ホームによって設備や費用、受け入れ条件などは多岐に亘ります。大きく分類して最期まで犬を看取る終生介護タイプと、一時的な介護サポートを受けられるタイプに分けられますが、終生まで預けることになると、かなり高額な料金がかかってくることから、老犬ホーム選びは多くの情報を得て、できるだけ多くの老犬ホームを見学して決めることが大切です。

老犬ホームの預け方|1.一時介護タイプ

愛犬を預けている数時間の間において、お世話やリハビリなどのサポートをしてくれるタイプです。飼い主さん以外にも定期的に愛犬を専門家の目で確認することができるため、ちょっとした異変などにも気付きやすいと言えます。自宅と施設の移動自体が愛犬のストレスにならないのであれば、まずは一時的なタイプから検討してみるといいでしょう。

老犬ホームの預け方|2.終生介護タイプ

愛犬がその命を引き取るとる最期のときまで施設に預けて面倒を見てもらう方法です。施設にもよりますが、家の近くの老犬ホームであれば愛犬の様子を見に行くことも可能です。自宅での療養が難しい場合の手段と言えるかもしれません。老犬が運動をすることができるプール施設が充実していたり、素人にはなかなか難しい歩行のリハビリ等を行なうことが出来るため、場合によっては老犬にとっても飼い主にとっても安心のできる施設になってくれるかもしれません。

老犬ホームにまつわるトラブルや深刻な問題

老犬ホーム

さまざまな理由で、老犬の世話が難しくなった飼い主さんにとっては、老犬ホームはとても有り難い存在ですが、ペット関連サービスとしてはまだまだ確立された分野ではありません。動物愛護法では「老犬・老猫ホーム」に対しては「譲受飼育業」という認可を必要としていますが、認可を取得するのはそれほど難しいものではないため、そのサービスの優劣においても千差万別です。

老犬ホームでよくおこるトラブルや問題をケース別にご紹介します。

ケース1.契約内容と支払い金額についてのトラブル

高額の年間契約料を支払ったが、日常の介護や定期的なトリミングやシャンプーなどは料金に含まれていても、病気をしたときの治療費や死亡した時の埋葬料などは含まれていないことが多く、別途高額な請求をされてトラブルになることがあります。老犬の預かりには短期預かりと終生預かりがありますが、どちらにしても契約内容がどこまで含まれているのかを細部までしっかりと確認することが必要です。

ケース2.老犬ホームの設備や受託サービスによるトラブル

老犬が日々暮らす老犬ホームの犬舎やベッドまわりなどが不衛生であったり、寝たきりの老犬などの介護がおざなりであったりして、家で暮らしている時よりも元気がなく状態が悪くなった、というトラブルも多く見られます。老犬ホームの施設は外見だけではなく、実際に老犬が過ごしている場所をしっかりと見せてもらう必要があります。できれば介護しているところを見せてもらうといいでしょう。

ケース3.悪徳業者に注意!引き取り屋と老犬ホームは違う

ネットを検索していると「飼えなくなった犬引き取ります」という引き取り屋のサイトが見つかりますが、これは老犬ホームではありません。万が一愛犬を預けてしまっても一生引き戻すことさえ出来ないかもしれません。引き取り屋は飼えなくなった犬を安価で引取り、不衛生な場所で放置に近い状態で置かれていることがほとんどです。「譲受飼育業」の認可も受けていないことが多く、名称を「老犬ホーム」としている悪徳業者も増えてきているので注意が必要です。

老犬ホームの選び方|5つのチェックポイント

老犬ホーム

ネット上には数多くの老犬ホームが掲載されていますが、画面上だけでは優劣を見極めることができません。 まずは、ここならと思えるホームをいくつか選び必ず事前見学をすることが大切です。失敗しない老犬ホームのチェックポイントは4点です。

老犬ホームの選び方|1.所在地

老犬ホームの所在地はなるべく自宅から近いところにしましょう。老犬ホームに預けても飼い主であることを放棄したわけではありません。定期的に面会に行き、愛犬を安心させてあげましょう。そのためにも老犬ホームはいつでも通えるところにあることがベストです。

老犬ホームの選び方|2.医療のバックアップ

老犬ホームと提携している動物病院が近くにあるかどうか、契約の中に定期健診や予防接種が含まれているかどうかもしっかりと確認しておきましょう。

老犬ホームの選び方|3.設備内容の充実

愛犬が終日過ごすことになるホームの設備は重要なチェックポイントです。

犬舎や居住環境

愛犬がゆったりと過ごせる広さの犬舎であることや、他犬の鳴き声がストレスならないように防音設備がされていること、熱中症や低体温症などを防ぐための空調設備が完備されてることを確認しましょう。24時間監視カメラが作動しており、スタッフが常駐しているところならば、体調の急変などにもすぐに対応でき、またスタッフによる動物虐待防止にもなります。

運動施設

老犬になっても定期的な運動は必要です。施設内にはどのような運動施設があるのかをチェックしておきましょう。 屋外のドッグランであれば芝生や土の手入れや衛生状態が良いかどうかをチェック。室内ドックランであれば、段差や床材などが老犬に配慮されているかどうかも見ておきましょう。

老犬ホームの選び方|4.サービス全般

老犬ホームで一番重要視したいのがサービス内容です。どれだけのサービスを受けられるのかをしっかり確認しておきましょう。

食事

市販のフードなのか(今与えているフードを引き続き使ってくれるのかも確認)、手作り食なのか、介護が必要なときは食べ終えるまで傍に付き添ってもらえるのか、老犬食(チューブや液体など)を与えてもらえるのかなどを確認しておきましょう。

散歩・運動

一人のスタッフで何頭の犬を散歩させるのか、足が不自由な犬にも介助がついてくれるのかなどを聞いておきましょう。

介護

毎日のブラッシングや声かけなどスキンシップを取ってもらえるのか、老犬の状態によっては、おむつの取り換えや、寝たきりの場合の床ずれ予防などの介護もしてもらえるのかも確認することが重要です。

就寝、排泄の介護など

夜間でも監視カメラなどで終始安全をチェックしてくれるのか、常時スタップがいて徘徊や夜鳴き、排泄の介護などをしてくれるのかも大切なチェックポイントです。

老犬ホームの選び方|5.スタッフ

老犬ホームで常に愛犬と接してくれるのはホームのスタッフです。スタッフの人間性や犬に対する知識の質が高いところは、比較的トラブルも少ない傾向にあります。

絶対的なものではありませんが、民間資格ですが「老犬介護士」「愛犬飼育管理士」「小動物介護士」などの資格を持っているスタッフがいることも、ひとつの判断材料になります。

老犬ホームのサポートを選択肢に持って無理をしないこと

老犬ホーム

シニア世代にとっても長年共に暮らしてきた愛犬は家族の一員であり大切なパートナーです。最後まで自分の手で看取ってやりたいと思う気持ちは誰でも同じだと思いますが、自身の身体が思うように動かせなくなったときのことは、愛犬が元気なうちから考えておきましょう。愛犬のお世話が大変で飼い主さん自身が辛くなったり、それで犬のお世話ができなくなってしまうようであれば、選択肢のひとつとして優良な老犬ホームを選択するのは決して悪いことではありません。設備やサービスが整った優良なホームほど高額な費用がかかりますので、もしもに備えて犬の保険と同様に今から少しずつ準備しておくことも必要なことです。

◎ライタープロフィール
泉 能子 愛犬家 ドッグライター

泉 能子/愛犬家、ドッグライター

動物が大好きで、気づけば隣にはいつも愛犬がいて、愛犬とお互いに助けたり助けられたりの共同生活をしているドッグライターです。
今までにヨークシャーとスムースダックスを育てて看取り、今は保護犬の9歳になるブラックタンのダックスと暮らしています。
人と犬が楽しく幸せに暮らすために役立つ記事を発信していきます。

  • 更新日:

    2020.08.12

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