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健康管理 / 病気

2020.08.30

【獣医師監修】犬の寄生虫|夏に気を付けたい寄生虫と予防する方法とは?

気温が高くなってくると、愛犬の体に寄生虫が寄生してしまわないかと心配な飼い主さんも多いかと思います。寄生虫を媒介して感染症にかかることもあるので、実際には夏を迎える前から予防しておくことが大切です。犬に寄生する虫に関して、夏の前に気を付けることや予防法について理解を深めておきましょう。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:新井 絵美子)

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犬の寄生虫|夏に気を付けたいポイントと予防法

犬と寄生虫

寄生虫が活発に活動する5~11月頃までの間は、体表に寄生する外部寄生虫にも体内に寄生する内部寄生虫にも注意が必要です。ここでは、夏に気を付けたいことと予防法をご紹介します。

ノミ・マダニの寄生

ノミは繁殖力が非常に強く、爆発的に増えていくので予防が必要です。暖かくて湿気がある場所を好み、1年を通して屋外にも部屋の中にも生息しています。犬の体表に寄生して吸血し、さらに卵を産みつけます。体長1.5~3mmほどで肉眼で確認できますが、見つけても指で潰さないようにしてください。もし卵を持っていたら、潰したときに飛び散ってしまうからです。

また、マダニにも要注意です。マダニも犬の体表に寄生し、引っ張っても取れないほど皮膚に咬みついて吸血します。病原体を媒介し感染症を引き起こすことも多く、重症化すると死に至ることもあるので予防対策は必須です。

ノミ・マダニの予防法

ノミにもマダニにも効く駆除薬があるので、定期的に投与すれば予防できます。駆除薬は経口薬と体表に滴下するスポット薬があります。どちらのほうが有利ということはないので、獣医師に相談のうえ最適なほうを選ぶとよいでしょう。また、ノミもマダニも草が茂っている場所に多く生息しているので、散歩のときは草むらを歩かせないようにすることも肝心です。

死に至ることもあるフィラリア症にも注意

犬のフィラリア症にも注意が必要です。フィラリア症は、フィラリアという寄生虫が犬の体内に入り込み、肺動脈や心臓に寄生して心臓の機能障害を起こす病気です。フィラリアの寄生により、血液の流れが悪くなるので肺や心臓のほかに、肝臓や腎臓にまでも悪影響を及ぼします。

フィラリア症が起こる原因は蚊の媒介です。フィラリア症に感染した犬に吸血した蚊が、別の犬を吸血することで感染します。フィラリア症も重症化すると死亡することがあるので、夏を迎える前から予防が必須です。

フィラリア症の予防法

フィラリア症は、駆除薬を定期的に投与することでほぼ100%予防できます。予防薬は経口薬とスポット薬、注射薬があります。薬を飲むのが苦手な場合はスポット薬にするなど、愛犬や飼い主さんの都合に合ったものを選ぶとよいでしょう。また、1つの薬でノミ、マダニ、フィラリアを駆除できるタイプもあります。

駆除薬の投与に加えて、ペット用の虫除けスプレーや、愛犬のベッド周りなどに吊るして使用する蚊除けグッズなども活用して、蚊を寄せ付けないようにすることも大切です。

犬の寄生虫|こんな症状が出たら要注意

犬が微妙な顔でこちらを見ている

以下のような症状が見られたら、ノミやマダニ、フィラリアが寄生している疑いがあります。

アレルギー性皮膚炎

ノミやマダニの唾液がアレルゲンとなり、アレルギー性皮膚炎を引き起こすことも少なくありません。強いかゆみを伴うことから、しきりに顔や体を足で掻いたり、地面に体を擦りつけたりする行動が見られます。掻き壊すと傷口から細菌が侵入し、二次感染を引き起こすこともあります。皮膚炎は症状が長引きやすいので、軽度のうちに治療をすることが大切です。

貧血

マダニの媒介によって感染するバベシア症に感染すると、重度の貧血を引き起こします。バベシア症は、犬の体内に侵入したバベシア原虫が赤血球に寄生し、赤血球を破壊していく感染症です。貧血に加えて食欲不振や発熱などの症状も現れ、どんどん衰弱して死に至ることもあります。

また、大量のノミが寄生すると、特に子犬は貧血を起こす恐れがあるので注意が必要です。

咳をするようになる

フィラリア症に感染すると、咳をするようになったり、運動することを嫌がったりといった症状が見られます。初期のうちは軽く咳が出る程度ですが、重度になると咳がひどくなり、食欲や元気がなくなってきて死に至ることもあります。そのため、少し咳をする程度でも軽く考えず、診察を受けるようにしましょう。

犬の寄生虫の治療法とは?

犬の寄生虫の治療

ここでは、寄生虫によって発症したそれぞれの病気の治療法について解説します。

アレルギー性皮膚炎の治療法

ノミ・マダニの吸血によるアレルギー性皮膚炎の治療は、痒みや皮膚の炎症を抑える薬や抗生剤を投与して回復を図ります。

治療にかかる費用・期間の目安

診察料や薬代、駆除薬代を含めて、アレルギー性皮膚炎の治療にかかる1通院あたりの費用は、6,000円程度です。症状が軽ければ1~2週間程度の治療期間で済みますが、細菌感染が起こっている場合は、治療が長引くこともあります。

バベシア症の治療法

バベシア原虫を完全に駆除できる特効薬はないので、バベシア症の治療には、抗原虫薬や抗生剤を投与して症状の改善を図ります。しかし、治療をしてもバベシア原虫を完全に駆除することはできないので、再発する可能性があります。

治療にかかる費用・期間の目安

バベシア症は完治が難しいので、再発を繰り返すと数十万円もの治療費がかかる可能性があります。また、長期的な投薬が必要になることも少なくありません。

フィラリア症の治療法

軽度であれば、駆除薬で死滅させることができます。成虫が多数寄生して駆除薬で死滅できない状態のときは、外科手術をして成虫を摘出します。

治療にかかる費用・期間の目安

1回あたりのフィラリア駆除薬は900円程度からで、体の大きさや薬剤の種類によって料金が異なります。地域により多少差がありますが、経口薬やスポット薬は一般的に5~11月まで毎月投与します。注射薬は1回投与すると半年~1年、効果が持続します。

適切に予防をすれば寄生虫から愛犬を守れる!

犬と寄生虫

ノミ、マダニ、フィラリアとも、獣医師の指示通りに駆除薬を投与すれば防げるので、投薬を忘れずに行いましょう。寄生虫の予防には駆除薬が最も効果的ですが、併せて虫除けグッズを活用するのもおすすめです。愛犬が健康に過ごせるよう、内部・外部寄生虫から愛犬を守ってあげてくださいね。

  • 更新日:

    2020.08.30

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