magazine

犬 虫歯 初期症状 予防
健康管理 / 病気
鉛筆アイコン

2021.02.20

犬の虫歯の初期症状を知って事前予防しよう!治療方法や費用、注意点を解説【獣医師監修】

口のトラブルと言えば、まず虫歯が思い浮かぶのではないでしょうか。でも、犬が虫歯になる、という話はあまり聞きませんよね。ここでは、犬にも虫歯はできるのか、虫歯になるとどのような症状が出るのか、動物病院ではどのような治療が行われるのかをご紹介します。

江野 友紀/認定動物看護士(監修:加藤 みゆき/獣医師)

犬も「虫歯」はできる?

犬 虫歯 できる

日本では、3才以上の犬の80%以上が歯周病を発症していると言われています。そして犬も人と同じように、虫歯ができることがあります。

犬に虫歯ができにくい理由

犬が虫歯になりにくい理由は、主に口内環境と歯の形の2つがあります。

口内環境

人の口内環境は虫歯になりやすい「弱酸性」ですが、犬の口内環境は人と違い「アルカリ性」です。 アルカリ性の環境下では虫歯はできにくいですが、歯周病の原因となる菌が繁殖しやすいという特徴があります。 また、人と違い犬の唾液にはでんぷんを糖に変える酵素(アミラーゼ)が少ないため、虫歯菌が繁殖しにくいともいわれています。

歯の形

人の歯の多くは臼のような凹凸のある形状で、虫歯菌が溜まりやすい構造になっています。 犬は哺乳類の「食肉目」というグループに属する動物であり、歯は肉を切り裂くことに適した鋭い構造になってるため虫歯菌が溜まりにくく、虫歯になりにくいとされています。

犬の虫歯|こんな症状が出たら要注意

犬 虫歯 初期症状

犬に次のような症状が見られたら、虫歯になっている可能性があります。

歯に見られる症状

人と同じように犬も虫歯になると歯が茶色くなりますが、進行するにつれ黒色に変色し、もろくなった歯に.穴が開いてしまうことがあります。 更に進行すると、歯髄(歯の神経)にまで感染して歯髄炎になり、歯髄が壊死してしまいます。

その他の症状

初期段階では目立った症状は現れませんが、痛みを感じるようになるとフードを食べにくそうにしたり、残すようになります。口臭がひどくなり、歯磨きなどの口腔ケアを嫌がるようになったり、痛みや違和感から口を掻くような仕草が見られることもあります。

犬の虫歯治療とはどんなもの?

犬 虫歯 治療

犬が虫歯になったかも、と思ったら、ひどくなる前に動物病院を受診しましょう。動物病院での治療方法や費用の目安、通院頻度と通院期間についてご紹介します。

犬の虫歯の治療方法

初期段階では虫歯を削り取り、詰め物をして修復します。歯髄にまで達している場合には、歯髄を取り除いたり、抜歯することもあります。 犬は口を開けたまま制止状態を保つことができないので、血液検査などで麻酔に耐えられるかどうか判断した上で、全身麻酔をかけて治療することになります。

虫歯治療にかかる費用の目安

虫歯になっている歯の本数や症状の程度によって異なりますが、手術前の検査や全身麻酔、薬の処方などに3万円程度かかることが多いようです。抜歯は一本につき5.000~10.000円程度が相場です。 病院によっても費用は異なるので、動物病院に問い合わせてみましょう。

通院頻度と期間の目安

人と違い、犬は診察を受け虫歯と診断されたら、即日治療が行われるということは滅多にありません。全身麻酔のために絶食するなど事前の準備が必要になるため、まずは診察を受け、治療する日程を決めます。

歯科治療は一般的に、手術前の検査を含め日帰りで行われることが多いですが、動物の健康状態などによっては一泊することもあります。歯の治療が終われば問題がなければ通院の必要は無いので、2回程度の通院になるでしょう。

虫歯は治療後もアフターケアが大切

せっかく虫歯を治療しても、歯磨きなどの日々のケアを怠れば再び虫歯ができてしまう可能性があります。自宅に戻った後もきちんとデンタルケアしてあげましょう。 虫歯の治療内容によっては傷が癒えてからでないとケアできないこともあるので、獣医師に確認しておきましょう。

犬の虫歯は早期発見、早期治療が大切

犬 虫歯 早期発見

歯の病気は他の病気と比べ何となく軽視されがちですが、歯周病を患った犬は飼い主さんの想像以上に苦痛を感じています。また、病気の進行具合によっては心臓病や腎臓病、肝臓病などの全身的な疾患を引き起こしてしまう危険性もあります。ただの歯の病気とあなどらず、他の病気と同じように早期発見、早期治療につとめ、愛犬の健康を守りましょう。

  • 公開日:

    2020.08.08

  • 更新日:

    2021.02.20

いいなと思ったらシェア
ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。