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小型犬が獣医師に口を広げられて歯石のチェックをしている
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2021.06.29

犬の歯石が酷い原因とは?歯石の取り方や費用・予防方法について解説

犬は人よりも歯石が付きやすく、歯垢が付くとわずか3~5日で歯石になってしまいます。一度歯石になると歯磨きをしても落とせなくなってしまうので、日常的なケアで歯石をつくらないことが何よりも大切です。とは言っても犬の歯のケアはなかなか難しいものです。そこで今回は、犬の歯磨きを上手にやるコツ、デンタルケア製品・歯石とドッグフードの関係など、犬の歯石が酷くなる前に予防する方法をまとめてご紹介します。また歯石が酷くなってしまった時に頼りたい動物病院についても触れていきます。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:江野 友紀/認定動物看護士)

犬の歯石とは?

犬の歯石を獣医師が確認している

愛犬の口腔ケアをしてあげることは、これから長く一緒に過ごしていけるようにするためにも大切なことです。
まずは歯石がどのようにできるのか確認しておきましょう。

歯垢(プラーク)ができる

犬も人と同じように食べ物を食べたあとに歯磨きをせずそのままにしていると、歯の表面にネバネバの白い菌の固まりである歯垢(プラーク)ができてきます。

この歯垢自体は犬に歯磨きをしてあげることで簡単に取り除けるものです。しかし、歯垢をそのままにしておくと犬の唾液の中に含まれるカルシウムが歯垢に反応して、2~5日程で石灰化して硬い歯石になってしまいます。

歯石にしないことが大切

歯石ができると、犬の歯の表面がザラザラになるため歯垢が余計に付きやすくなり、そこに歯磨きを怠るとさらに歯石が大きく硬くなっていき酷い状態へとなってしまいます。犬の歯に歯石ができると歯周病や歯肉炎、口臭の原因にもなるため注意が必要なのです。

また歯周病が酷い場合、炎症を起こした歯茎が歯を支えられなくなり抜けてしまうことも! 歯垢が歯石にならないように予防をすることが非常に大切です。

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乳歯遺残(にゅうしいざん)についても知っておこう

歯周病以外に、犬の口内トラブルで多いものに乳歯遺残があります。

子犬の頃の乳歯は、生後10ヵ月くらいまでに永久歯に生え変わりますが、乳歯が抜けないまま永久歯が生えてくることがまれにあります。これを乳歯遺残と言い、その原因ははっきりとはわかっておらず犬の遺伝が関係していることもあるようです。

そのため、乳歯と永久歯の間に食べカスが残りやすく、歯垢が溜まりやすくなります。また、乳歯が永久歯の成長を妨げて、嚙み合わせが悪くなることで歯石を作りやすい状態にもなりますので注意が必要です。 子犬の乳歯の状態によっては抜歯が必要になることもあるため、早めにかかりつけの獣医師に診てもらうのがおすすめです。

犬の歯石が酷い時には動物病院へ

犬の口を広げて歯石の確認をしている獣医師

犬の口内ケアについて迷ったら、動物病院に相談しましょう。できれば歯科専門の動物病院が推奨されますが、一般の動物病院でも問題はありません。犬の歯石や歯周病の予防法、それにおすすめのデンタルケア製品を紹介してもらえるかもしれませんし、病院によっては、定期的に犬の歯磨きのしつけ教室を開催しているところもあります。

歯石除去(スケーリング)

歯石が酷い状態になる前に、歯石を除去するスケーリングが必要になります。犬が動いてしまうと危険で歯石を十分に取り除くこともできないという理由から、全身麻酔下で行う動物病院と、費用や麻酔事故回避の観点から非麻酔下で行う動物病院があります。歯をスケーリングをした後も、再び歯石が付着しないよう自宅でデンタルケアを続ける必要があります。

歯石除去の費用相場

犬の歯石除去にかかる費用相場は1万円から5万円ほどになります。これは、前述したように麻酔下で行うスケーリングと非麻酔下で行うスケーリング方法があるためで、麻酔下で行う歯石除去のほうが高額になります。
費用に関しては動物病院によって異なることや、口内の状態が酷い場合やそうでない場合でも変わってくるので、あらかじめ確認するといいでしょう。

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犬の歯石を予防する方法

小型犬が歯ブラシで歯を磨いてもらっている

歯石を動物病院で除去してもらっても、人と同じようになんの予防措置を取らないと、犬も歯石が次第に溜まっていってしまいどんどん酷い方向へと行ってしまいます。そのため、日頃からしっかりと対策を行う必要があります。

犬の歯石の付着や歯周病を予防するには、歯磨きが最も効果的です。犬は歯磨きに慣れるまでに時間がかかります。はじめのうちは十分に磨けないかもしれませんが、歯石にしないためにもじっくり時間をかけて歯磨きに慣れさせましょう。

歯磨きに慣れさせるコツ

いきなり歯ブラシで磨こうとすると犬は警戒してしまうので、まずは犬の口元に触ることからしつけましょう。犬が好きなおやつを用意し、口周りを触らせてくれたらおやつを与え褒めます。次に犬の唇をめくって、おりこうにできたらおやつを与えます。徐々に指を口に入れたり、口を開けるなど色々な場所を触り、一つのことができるたびにきちんと褒めてあげましょう。

犬の口元にタッチできるようになったら、歯ブラシを使って磨いてみましょう。

歯ブラシを使って歯磨きをする

口を触るしつけと同様、歯ブラシによる歯みがきもステップアップするたびに犬に好物を与えて褒めます。まずは犬の口元に歯ブラシを当て、歯茎に歯ブラシを当て、慣れたら歯を磨いてみましょう。

歯ブラシは歯肉溝に対して45度の角度で当て、溝にたまった汚れを外に掻き出すように動かします。犬用の歯磨き粉にはチキンやミルクなどの味がついたものが多いので、犬が喜ぶ味の歯磨き粉を試してみるのもおすすめです。

歯磨きを習慣にしよう

犬の歯みがきは毎日行うのが理想的です。少なくとも、歯石になる前に落とすためには3日に1回は磨いた方が良いでしょう。歯磨きを継続するには、犬に歯磨き=嫌なものと印象付けないことが大切です。嫌がる犬を無理やり押さえて歯を磨いたり叱るようなことはせず、頑張ってくれたら必ず褒めてあげることが歯石予防に繋がっていくので大切なポイントになります。

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犬の歯石予防に効果的なグッズ

黒い毛をした子犬がロープで遊んでもらっている

毎日の歯磨きが難しい、犬がなかなか歯を磨かせてくれないというときもありますよね。そんなときは、犬用デンタルケア製品を試してみましょう。歯磨きほどではありませんが、ある程度の歯石予防の効果が期待できます。

歯のケアに配慮したおやつを与える

「ベーリンガーインゲルハイム オーラベット」は、米国獣医口腔衛生協議会が承認した嗜好性の高いデンタルガムです。歯の根元までしっかり届き、歯垢を落とす効果に定評がある人気商品です。

  • 商品名:ベーリンガーインゲルハイム/オーラベット
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歯磨き効果が期待できるおもちゃを与える

おもちゃには、天然コットン素材で作られた耐久性のある犬用ロープがおすすめです。飼い主さんと引っ張りっこをすればストレス解消にもなり、心身共に良い効果が期待できます。

  • 商品名:kodomo/歯磨き効果が期待できる犬用ロープおもちゃ
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液体歯磨きを使う

「ミネルヴァ LEBAIII(リーバスリー)」は、獣医師推奨のハーブを使用した安全性の高い犬猫用デンタルケアスプレーです。口腔内にスプレー、もしくはスポイトで滴下すると、液体が唾液とともに口腔内全体にいきわたり、歯と歯の健康を維持します。

  • 商品名:ミネルヴァ/LEBAIII(リーバスリー)
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犬の歯石を酷くしないためのドッグフード

歯石予防のためのドッグフード

歯石予防には、実はドッグフード選びも重要です。

歯石予防にはドライフードがおすすめ

ドッグフードにはドライフードやウェットフード、セミモイストフードがありますが、とろみのあるウェットフードを食べている犬は歯石が付きやすくなります。ウェットフードは水分補給には効果的ですが、歯石を予防したいときにはドライフードを与えるようにしましょう。

歯石対策用のドッグフードも活用しよう

数あるドッグフードの中には、歯石予防や歯茎の健康維持を目的として作られた製品もあります。

大きな粒をよく噛んで歯石や歯茎をケアするなら

「ヒルズ プリスクリプション・ダイエット 犬用 t/d」は、特殊なサイズ、形状の粒を噛むことで歯の汚れをこすりとり、歯垢や歯石の蓄積を低減することが科学的に証明されています。大粒タイプと小粒タイプから選べます。

歯の健康を考えた嗜好性の高いフードなら

「ロイヤルカナン CCN ミニデンタル ケア」は、フードの粒をよく噛ませることで歯磨き効果が得られるように作られたフードで、人用の歯磨き粉にも含まれるポリリン酸ナトリウムを配合しています。独自の設計により、設計が歯石形成を69%軽減します。

  • 商品名:ロイヤルカナン/CCN ミニデンタル ケア
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犬の歯石が酷くなる前に予防が大切

歯石のついていない歯をしている白い毛の犬

犬の歯石を放っておくと細菌が増殖し、歯周病の原因になるだけでなく全身の健康に悪影響を与える恐れがあります。歯石が酷い状態になる前に、歯磨きやデンタルケア製品を上手に利用して愛犬の健康を守りましょう。

  • 公開日:

    2020.08.13

  • 更新日:

    2021.06.29

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。