夜中や明け方、単調に吠えることが続くようであれば、認知症の可能性があります。
老犬になると睡眠時間が増え、昼夜逆転することがよくあります。昼間寝ている時間が長すぎると夜中に起きてしまうので、日中はなるべく起こすようにしましょう。 日光浴は体内時計をリセットする効果があり、気分転換や脳への刺激が得られます。また、お散歩や運動で適度な疲労感が得られれば、夜はよく寝てくれるでしょう。
犬は認知症になると、徘徊する傾向があります。夜中に徘徊することが多く、睡眠不足になってしまう飼い主さんも多いようです。
徘徊を無理やり止めさせようとすることは、犬にとってストレスになる場合があります。 部屋を自由に動きまわらないよう、サークルを設置しましょう。ぶつかってもケガをしないよう、内側に柔らかいマットで壁を作ると良いでしょう。
認知症になった犬は、適切な排泄場所がわからなくなって粗相することが多くなります。失敗したからと叱っても犬には理解できず、ストレスを与えてしまうことになります。
もともと室内で排泄できていた子であれば、いつでもすぐ排泄できるようトイレの場所を複数用意してみたり、嫌がらなければ犬用おむつを使ってみても良いでしょう。
認知症になった犬は歩いていてテーブルなどの家具にぶつかったり、飼い主さんが目を離した隙に玄関などの段差がある場所に落ちていることがあります。
犬が近づいて欲しくない場所には、ゲート(柵)を設置しましょう。ペット用ゲートには伸縮して長さを調節できるものや、ドア付きのものがあります。
犬は認知症になると、異常に食欲が出ることがあります。食べたがるからと要求されるたびに与えていると、肥満の原因になってしまいます。
ご飯を与えたばかりなのにすぐに食べ物を催促してきたり、要求吠えをする場合は、食餌を分けて与えてみましょう。もちろん一日の給与量は変えず、一回に与える量を減らしてその代わりに回数を増やすようにし、満足感が得られるようにしましょう。
認知症により名前を忘れてしまったり、反応が鈍くなることがあります。
呼んでも反応してくれないからと急に触ったりすると、犬は驚いてしまいます。飼い主さんに対して不信感を抱くこともあるかもしれません。無反応も、犬の新しい個性として受け入れてあげましょう。
認知症になると、一点をじっと見つめていたり、ぼーっと過ごす時間が長くなります。
日々の生活の中に刺激が少ない子ほど、認知症が進行する傾向があります。毎日の散歩のコースを変えてみたり、新しいおもちゃで遊んだり、マッサージをするなど適度な刺激を与えましょう。
認知症で攻撃的になることはあまりありませんが、耳や目が悪くなっていて、急に触ったり、目の前に手を出すことで犬が驚いて咬みつくことがあります。
認知症の犬は刺激に対する反応が鈍くなっています。犬を触る前に大きめの声で話しかけたり、犬の視界に入り、犬に飼い主の存在を認識させましょう。 また、身体に痛みを感じていて攻撃的になっている場合もあるので、認知症によるものと決めつけず、動物病院で診察を受けると良いでしょう。
狭い隙間や部屋の角で、方向転換できなくなることがあります。
認知症により脳の機能が低下した老犬にとって、後ろに下がる動作は難しいものです。犬の行動を変えることは難しいので、家具の隙間を塞いだり、部屋の角にクッション材を設置するなど、犬が入り込む場所を作らない工夫をしましょう。
認知症の犬が以前は従っていた飼い主の指示に従わなくなる、ということはよくあります。
若い頃は簡単にできていたことも、認知症になり判断能力が鈍ると難しくなります。犬は従いたくても従えない状態なので、飼い主さんが必死にコマンドを出したり叱ったとしても、お互いにストレスを抱えてしまいます。飼い主さんが大らかな気持ちで接してあげましょう。
愛犬が夜泣きをしたり、突然粗相をするようになったときは、認知症の疑いがあります。ただし、認知症と似た症状が現れる病気の可能性もあるので、まずは動物病院で診察を受け、認知症なのか、病気なのかを特定する必要があります。
認知症は、食餌管理などや生活の見直し、サプリメントの服用である程度予防ができる病気です。また、早期に発見できれば進行を遅らせたり症状の改善も期待できるので、認知症かも?と思ったら早めに対策を講じましょう。