magazine

健康管理 / 病気

2020.08.02

ビタミンは犬の生命維持に欠かせない栄養素|犬の栄養の基本知識

ビタミンは、タンパク質、糖質、脂質などの栄養素が体内で効果的に働くための潤滑油のような働きをする栄養素です。私たちには身近な栄養素ですが、犬にとってビタミンは必要なの?そう思われがちで、必須栄養素として見落とされてしまうこともしばしば。しかし、犬にとってもビタミンは体内の代謝に大きく関わる大切な働きをする栄養素なのです。ビタミン不足は犬の健康に悪影響を与える大切なもの。今回は、そんなビタミンが犬の体にとってどんな役割を持っているのか、各ビタミンの特徴や摂取する時の注意点について解説します。

Author :西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

この記事をシェアする

犬に必要なビタミンは14種類

犬 ビタミン

ビタミンはエネルギー源ではありませんが、犬の正常な発育や代謝を行うために必要な栄養素です。犬は人間と違い、体内でビタミンC、ビタミンB群、ビタミンKを合成することができますが、年齢や腸内環境、服用している薬などによって不足する場合があるため、食事などで補う必要があります。逆に人間の場合は、紫外線を浴びることでビタミンDを生合成できると言われていますよね。米国飼料検査官協会(AAFCO)では、犬に必要なビタミン14種類の摂取量を規定しています。

2タイプのビタミン

ビタミンはタンパク質、糖質、脂質などの必須栄養が体内でそれぞれの作用を発揮できるように助けるいわば三大栄養素のサポーターです。犬が必要とする量は僅かですが、正常な生理機能を保つために必要不可欠な栄養素なのです。そんなビタミンには、水に溶ける「水溶性ビタミン」と水に溶けにくく油に溶ける「脂溶性ビタミン」の2タイプがあります。

不足しがちな水溶性ビタミン

体内の代謝を助ける役割を担う水溶性ビタミンは、血液などの体液に必要な分だけ溶け込み、余ったものは尿として排出されます。また、保存方法や調理方法によって壊れてしまうことが多いため、1日に何回かに分けて摂取することで効率良く体に取り込むことができます。

体に蓄積される脂溶性ビタミン

水に溶けない脂溶性ビタミンは、油とともに摂取すると効率良く吸収できる性質があります。身体機能を正常に保つ働きがあり、肝臓や脂肪組織に貯蔵されるため、摂りすぎには注意が必要です。

犬にとってビタミンはどんな役割を果たす?

犬 ビタミン

水溶性ビタミン、脂溶性ビタミンどちらも犬の健康維持のために必要な栄養素です。水溶性ビタミンには、ビタミンB群の9種類とビタミンC、脂溶性ビタミンは、ビタミンA、D、E、Kの4種類です。これらのビタミンはそれぞれ異なる働きを持ちます。

水溶性ビタミンは10種類

水溶性ビタミンは、犬の皮膚や被毛、神経系に働きかける栄養素で、ビタミンB群とビタミンCが該当します。ビタミンB群は、炭水化物や脂肪などを効率よくエネルギーに変換するビタミンで、疲労回復のビタミンとも呼ばれています。犬に必要な水溶性ビタミンは、ビタミンB群:ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ナイアシン、ビタミンB6、パントテン酸、ビオチン、葉酸、ビタミンB12、コリンの9種類で、これにビタミンCが加わります。

4種類の脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンは、犬の生体機能を維持するために働く栄養素で、ビタミンA、D、E、Kの4種類が該当します。この4種類のビタミンはそれぞれ異なる働きを持っています。視覚のビタミンと呼ばれるビタミンA(レチノール)は、緑黄色野菜などからβカロチンとして体内に取り込まれ、体内でビタミンAに変換されます。

日光を浴びることで合成されるビタミンDはサンシャインビタミンとも呼ばれ、健康な骨の維持に欠かせないビタミンです。若返りのビタミンと呼ばれるビタミンEは抗酸化作用を持つビタミンです。犬の腸内細菌で生成されるビタミンKは止血のビタミンとも呼ばれ、血液凝固作用やカルシウムを骨に沈着させる作用があります。

適切な摂取量とは?摂取する際の注意点も

ビタミンは、犬の生体機能維持に必要不可欠な栄養素ですが、摂取量に気をつけなくてはいけないビタミンもあります。

水溶性ビタミンは、摂取しすぎても余分な分は排泄されますが、脂溶性ビタミンは、肝臓に蓄積されるためサプリメントなどで摂取する場合は注意が必要です。そのため、米国飼料検査官協会(AAFCO)では、脂溶性ビタミンの摂取上限を定めています。

総合栄養食のドッグフードは、この基準に沿って脂溶性ビタミンを配合しているため、サプリメントは必要ないとされますが、手作り食の場合は過剰にならないように気をつける必要です。特に、ビタミンAとビタミンDの過剰摂取は、体調に大きな悪影響を与える可能性があるため注意しましょう。

ビタミンは犬にも不可欠な栄養素

犬 ビタミン

ビタミンは種類によってさまざまな働きのある栄養素です。私たち人間も、疲れた時には豚肉や鰻を食べようと思うことがありませんか。犬が鰻を食べようとは思わないはずですが、犬の疲労回復にもビタミンB1を含む食品が有効です。また、ビタミンDは犬にとって絶対に忘れてはいけないビタミンです。ビタミンDがなければ、カルシウムをたくさん与えても健康な骨は作れません。
このように、ビタミンは間接的に犬の健康を維持してくれる役割を果たしています。ただし、脂溶性ビタミンの与えすぎは禁物です。ビタミンは、過不足なくバランスよく与えることがポイントとなる栄養素なのです。

◎ライタープロフィール
西村 百合子

西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士、犬の東洋医学生活管理士2級

ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。
現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。

この記事をシェアする