magazine

健康管理 / 病気

2020.08.10

【獣医師監修】犬が発作を起こした!原因や代表的な病気3つとは

元気にしていた愛犬が突然バタバタと痙攣したり、倒れて意識を失ったりしてしまったら、飼い主としてはとてもびっくりしますよね。犬の発作はなぜ起こるのでしょうか。ここでは、犬が発作を起こす原因や考えられる病気、発作が起きたときの対処法についてご紹介します。

Author :江野 友紀/認定動物看護士(監修:加藤 みゆき/獣医師)

この記事をシェアする

犬に発作がみられる場合に考えられる原因とは?

犬 発作

犬の発作は、脳内の異常により発作を繰り返す「てんかん」や、心臓病によって起こる「心臓発作」などがあります。

てんかん

犬のてんかんは、原因により「特発性てんかん」と「症候性てんかん」に大きく分類されます。
てんかんのほとんどは特発性てんかんで、検査をしても原因は特定できず、遺伝的な要素が関係していると考えられています。症候性てんかんは脳腫瘍や脳炎、水頭症、交通事故の後遺症などにより二次的にてんかん発作が引き起こされます。
てんかん発作が起こると、痙攣や身体の硬直、よだれ、失禁などが見られます。

心臓発作

犬の死因第2位は心臓病で、10才以上の犬の30%以上が心臓病ともいわれています。犬の心臓病として代表的な病気には「僧帽弁閉鎖不全症」や「心筋症」「フィラリア症」などがあります。
犬が心臓発作を起こすと、力が入らずふらついて倒れる、失神するなどの症状が見られ、突然死してしまうこともあります。

犬が発作を起こしているときに、こんな症状を併発していたら要注意

犬 発作

舌の色が紫色になる「チアノーゼ」が見られるときは、酸欠になっていて危険な状態です。チアノーゼは心臓発作のときに見られることがあります。
一日に2回以上発作が起こる、一回の発作が5分以上続くといった場合も注意が必要です。

犬が発作を起こすときに考えられる病気とは?

犬 発作

犬が発作を起こすときに考えられる病気は様々ですが、ここでは3つの病気についてご紹介します。

特発性てんかん

犬の発作の中でも特に多く見られる特発性てんかんは、生後6ヶ月~5才くらいの間で発症し、その多くは2~3才頃までに発症するといわれています。犬種としては、ビーグルやプードル、ミニチュア・ダックスフンド、ゴールデン・レトリバー、シェットランド・シープドッグなどに多いといわれています。

脳炎

脳に炎症が起き、痙攣発作や麻痺などの症状が現れます。原因には感染性と非感染性があります。
感染性脳炎はジステンパーウイルスや狂犬病ウイルス、細菌、寄生虫などの感染により引き起こされます。非感染性脳炎には脳にできる腫瘍や、脳実質に炎症や壊死が起こる病気などがあります。

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症は高齢の小型犬に多く見られる病気で、中でもキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは若いうちに発症することがわかっています。
心臓の左心室と左心房の間にある僧帽弁が変性し、上手く閉じなくなることで血液が逆流してしまいます。
早期のうちは無症状で、定期健診のときなどに聴診で発見されることがよくあります。

愛犬に発作が見られたら取るべき対処法とは?

犬 発作

犬が発作を起こしたときに取るべき対処法についてご紹介します。

痙攣発作を起こす場合

痙攣発作を起こしている場合、犬の脳は興奮状態にあり、正常な判断ができなくなっています。
まず、犬の周囲にぶつかると怪我をするような危険なものがあればどかしましょう。顔周りに触れようとすると強い力で手を咬まれてしまうことが多いので、手を出してはいけません。抱っこも、犬がバタバタと暴れ、落としてしまうことがあるので危険です。もどかしいですが、発作が終わるまでは見守りましょう。
可能であれば発作の様子を動画撮影したり、発作の日時や時間を記録しましょう。

失神する場合

心臓病の子が散歩で長距離歩いたり、夢中になって遊ぶと、心臓に負担がかかり失神してしまうことがあります。急に立ち止まるなど、少しでも様子に変化が見られれば抱っこして帰り、安静にしましょう。
意識を失ってしまった場合、舌が喉を塞いでしまうことがあります(舌根沈下)。舌を引っ張り気道を確保しましょう。
心臓病の子は、発作が起きたときの対処法について獣医師に相談しておくと良いでしょう。心臓マッサージの方法や、酸素室のレンタルについて紹介してもらえるかもしれません。

犬が発作を起こしたら、慌てず対処しましょう

犬 発作

犬が突然発作を起こすと、飼い主さんは慌ててしまうかもしれません。しかし、犬が発作を起こしたときには周りの危険なものをどかしたり、犬の意識がなければ呼吸を確認するなどやるべきことがたくさんあります。初めて発作を目の当たりにしたときはなかなか冷静になれないかもしれませんが、発作が起きたら慌てず、適切に対処できるようにしましょう。

◎ライタープロフィール
江野友紀 認定動物看護士

江野 友紀/認定動物看護士

地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

  • 更新日:

    2020.08.10

この記事をシェアする