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犬 しこり 腫瘍 対処法
健康管理 / 病気

2021.03.12

愛犬にしこりを見つけた。しこりや腫瘍で考えられる病気と対処法をチェック【獣医師監修】

犬を撫でているときやシャンプーのときに、身体にできたしこりに気付いた経験はありませんか?しこりを発見すると、悪い病気ではないかと心配になりますよね。ここでは、犬の皮膚にしこりができた場合の原因や考えられる病気、発見したときの対処法についてご紹介します。

江野 友紀/認定動物看護士(監修:加藤 みゆき/獣医師)

犬のしこり、考えられる原因とは?

犬 しこり 原因

犬の皮膚にしこりができる原因は様々ですが、例として次のようなものが挙げられます。

しこりの原因1. ウイルス感染によるもの

若齢犬は「パピローマウイルス」に感染して乳頭腫というイボができることがあります。イボは白色~肌色で、カリフラワーのような形になることもあります。ウイルス性のイボは他の犬にもうつりますが、多くの場合、数ヶ月で自然に消失します。

しこりの原因2. 病気によるもの

犬にしこりができた場合に最も注意が必要なものは、腫瘍によるしこりです。 犬の皮膚にできる腫瘍には良性と悪性がありますが、良性腫瘍には乳頭腫、皮脂腺過形成、皮内角化上皮腫などがあり、悪性腫瘍には肥満細胞腫や扁平上皮癌、繊維肉腫、腺癌などがあります。

犬にしこりがあるとき、注意したい症状

犬 しこり 症状

しこりができた場所を舐めたり噛んでいる、出血を伴う、膿が出ている、しこりが急速に大きくなる、下痢や嘔吐などの症状を伴うといった場合は要注意です。また、一般的にしこり自体には痛みを感じないので、犬がしこりを気にしないようであっても注意する必要があります。

犬のしこりで考えられる病気とは?

犬 しこり 病気

犬の皮膚にしこりができたときに考えられる病気は様々ですが、次のような病気が挙げられます。

表皮嚢胞

表皮嚢胞(ひょうひのうほう)とは、皮膚の下に嚢胞という袋ができ、そこに表皮の角質や脂肪がたまる病気です。 良性ではありますが、嚢胞に老廃物などが大量にたまると袋が破裂し、出血したり炎症を起こします。

どのような犬種でも発生しますが、シー・ズー など脂性肌の犬や高齢犬にできやすい傾向があります。

乳腺腫瘍

乳腺腫瘍は、若いうちに避妊手術を受けなかったメス犬が中高齢になったときに発症することが多い病気です。 犬にできる乳腺腫瘍のうち50%は良性、50%は悪性であり、悪性の場合にはリンパ節や肺に転移します。

肥満細胞腫

肥満細胞は身体中に存在する細胞で、アレルギーや炎症に関与しています。病名からは肥満の犬がかかりやすいと思われがちですが、太っている肥満とは関係ありません。体表にできることの多い腫瘍ですが、体内に発生し下痢や嘔吐の症状が現れることもあります。

リンパ腫

リンパ腫は血液のがんの一種で、リンパ球が腫瘍化し増殖することで発症する病気です。体表リンパ節に発生したものであれば触って気付くこともありますが、体内に発生したものは画像診断など詳しい検査をしなければわかりません。 ゴールデン・レトリバーラブラドール・レトリバーボクサーなどが好発犬種として知られています。

愛犬にしこりを発見したときの対処法

犬 しこり 対処法

犬の身体にできるしこりには、良性のものと悪性のものがあります。見た目で判断することはできないので、きちんと検査を受けることが大切です。 特に悪性腫瘍だった場合には急速に大きくなり、切除が困難になったり転移してしまうことがあるので、早いうちに動物病院を受診する必要があります。

良性であっても、なるべく触らない

しこりがあるとつい触りたくなるかもしれませんが、あまりいじらないようにしましょう。 刺激を与えることでしこりが大きくなったり、原因がウイルス性のイボであればイボが増えたり、ウイルスの種類によっては同居犬や触った人にうつることもあります。

犬のしこり、放置しないで

犬 しこり 治療

犬は全身を毛で覆われているため、見た目だけで皮膚のしこりを見つけることは困難です。日頃から犬とスキンシップをとり、身体中を丁寧に触ってしこりがないかチェックしましょう。

また、身体のできものを「そのうち小さくなるだろう」と安易に考えてしまうと、悪性腫瘍だった場合にあっという間に増殖し、転移してしまうこともあります。しこりを見つけたらなるべく触らないようにし、早めに動物病院を受診しましょう。

  • 公開日:

    2020.08.09

  • 更新日:

    2021.03.12

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。