
愛犬の仮病をまだ経験したことがないという方は、どんなふうに犬が仮病を使うのか疑問に思われることでしょう。犬の仮病の症状はさまざまですが、前に一度経験していることを「再現する」のが一般的です。
以下は犬の仮病の一例ですが、まず前提として本当に調子が悪くて症状が出ていることも十分考えられるので、しっかりと見極められるように普段から愛犬の様子を観察しておくことが大切です。
以前、足のケガをしたことがあるというコは、痛くもないのに足をひきずるようなしぐさを見せることがあります。
犬にそんな演技ができるの?と信じられない気持ちになりますが、犬は本当に賢いので実際にそういった演技をするコもいるようです。
寒い日でもないのに、ブルブルと震えていかにも体調が悪そうにふるまうこともあります。これが仮病の可能性もあるようです。
いつものごはんをあんまり食べず、食欲がないふりをすることもあるようです。いつもは喜んでごはんを食べるコが、急に食欲がなくなったら心配になりますよね。
そもそも仮病とは『本当は体調が悪いわけではないのに悪いふりをすること』です。体調の良し悪しは本人にしかわからないので、体調が悪いと言ってしまえば周りはそれを信じるしかありません。私たち人間は基本的に、自分にとって都合の悪いことから逃れるために仮病を使いますが、愛犬の場合はどうなのでしょうか?
『前にこの症状が出た時には飼い主さんが優しく心配してくれて、ずっと自分のそばにいてくれた』という経験のあるコは、また同じような行動をして飼い主さんの気を引こうとすることがあります。
これは経験則に基づく行動で、これをしたら自分にとっていい事があったという記憶から仮病のような行動をとるコもいます。
『ごはんを残したら、もっといいごはんに変えてくれた』という経験を持つコは、あえていつものごはんを残して食欲のないふりをすることもあります。
お散歩が嫌いなコは、お散歩の前にケガをしたふりをしたり、シャンプーが苦手なコはシャンプーの前に体調の悪いふりをすることもあるようです。
この行動は私たち人間の仮病の使い方とよく似ていますね。
犬が仮病のような行動をとることもあるからといって『きっとこれも仮病だろう』と軽く考えてしまうのは危険です。仮病かそうでないかを見極めるのはかなり難しいので、愛犬に何か異変があったらまずは動物病院に相談しましょう。
病院で診察を受け、何も異常が見つからない場合や病院ではその症状が出ないという時には、もう一度家に帰って愛犬の様子をしっかりと観察してみてください。
愛犬が飼い主さんの気を引きたくて仮病を使っている場合には、飼い主さんのいないところでは病気の症状はなく、いたって普通の行動をしているはずです。
留守番用のカメラなどがある場合には、それを使って愛犬の留守番中の様子を観察してみるのもおすすめです。
飼い主さんとのコミュニケーション不足が原因で仮病をつかうコが多いので、そんな時は愛犬と過ごす時間を増やしてあげましょう。
愛犬が飼い主さんとの生活に満足していれば、わざわざ仮病をつかってまで飼い主さんの気を引く必要はありませんよね。まずは、愛犬との時間を第一に考え、今までのコミュニケーション不足を改善しましょう。
愛犬の仮病は、一見愛犬のワガママにも見えますが、実は私たち飼い主に原因があることが多いと言えるのではないでしょうか。私たちの愛情が足りていなかったり、過ごす時間が足りなかったり、愛犬が何らかの不満を抱えている時に見せるサインかもしれないと受け止めましょう。
もし愛犬が仮病のような行動を取ったら、まずは最近の愛犬との過ごし方を振り返ってみて下さい。一緒に過ごす時間は十分に取れていましたか?以前とかわらず愛情を注いでいますか?
愛犬とのコミュニケーション不足を解消して、お互いにストレスのない過ごし方を見つけていってはいかがでしょうか。
Qt/家庭犬トレーナー、ドッグシッター、ペットロスケアアドバイザー
動物愛護の中間支援団体での活動を経て、より多くの人と動物の幸せな生活を支えるお手伝いができればと、家庭犬トレーナー1級やペットロスケアアドバイザーなど複数の資格を取得。
シニア期にさしかかった2匹の愛犬とのゆったりとした幸せな日々に感謝しながら、今日も仕事とライティングのWワークに励みます。