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健康管理 / 病気

2020.08.14

【獣医師監修】犬の扁平上皮癌ってどんな病気?症状・原因・予防策を知って愛犬の健康を守ろう

犬の扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)は、さまざまな部位に発生する悪性腫瘍です。症状の進行を防ぐためには、早期発見・早期治療をすることが非常に重要な病気となります。この記事では、犬の扁平上皮癌の症状や考えられる原因、治療法などを解説していきます。

Author :新井 絵美子/動物ライター(監修:加藤 みゆき/獣医師)

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犬の扁平上皮癌ってどんな病気?

犬 扁平上皮癌

犬の扁平上皮癌とは、粘膜や皮膚を構成する扁平上皮細胞が癌化したものを言います。主に目や鼻の先端部、口腔内、扁桃、腹部、四肢、爪下、陰のうなどに発生することが多いです。

扁平上皮癌の主な症状

扁平上皮癌が体表に発生した場合は、しこりではなく脱毛や潰瘍、ただれなどの皮膚症状が見られます。細菌の二次感染によってかゆみを伴うので、皮膚病の症状と間違うことも少なくありません。

口腔内に発生した場合は、潰瘍やただれなどのほかに血が混じったよだれや、痛みを伴うことから食欲減退などの症状も見られます。

扁桃に発生した場合も、血が混じったよだれや食欲減退の症状が現れます。

犬の扁平上皮癌の原因とは?

犬 扁平上皮癌

犬の扁平上皮癌の原因は、明確に分かっていませんが、以下が原因になっているのではないかと考えられています。

1.環境因子が関係している可能性あり

化学薬品の臭いやタバコの煙(副流煙)、スモッグなど、環境因子が関係しているとの報告があります。

2.紫外線の影響

色素の薄い犬種が扁平上皮癌にかかりやすい傾向にあることから、発症の原因に紫外線が関与しているのではないかと考えられています。

3.口腔内の不衛生な環境

口腔内に発生する扁平上皮癌は、慢性的な炎症が起きた口腔内の不衛生な環境が原因と考えられています。

かかりやすい犬種や年齢

扁平上皮癌は、どの犬種にも発症リスクがありますが、腹部や鼠径(そけい)部に発生する扁平上皮癌は、以下の犬種がかかりやすいと言われています。
・ビーグル
・ダルメシアン
・ウィペット
・ホワイトイングリッシュブルテリア

また、爪下に発生する扁平上皮癌は、以下のような被毛がブラックの大型犬が好発犬種と言われています。
・ラブラドールレトリーバー
・フラットコーテッドレトリーバー
・スタンダードプードル
・ロットワイラー

そのほか、免疫力が低下している犬もかかりやすい傾向にあるので注意が必要です。 年齢を問わず発症しますが、アニコム損害保険会社が調査したデータによると、7~8歳以降のシニア期を迎えた頃から増加傾向にあります。

犬の扁平上皮癌の治療法とは?

犬 扁平上皮癌

外科的治療により、病変部およびその周辺の正常組織を含めて切除をします。また、手術により腫瘍が取りきれない場合は、放射線治療を行います。

広範囲で切除ができない部位に発生している場合においては、化学療法を行うことが多く見られます。

治療にかかる費用

扁平上皮癌をはじめとした犬の癌の治療費の目安は、手術が10~15万円程度、抗がん剤が1回につき2~3万円、放射線が1回あたり1~5万円程度です。症状の進行具合や治療期間によってトータルでかかる費用には差がありますが、いずれにしても高額な治療費がかかります。そのため、ペット保険に加入して備えるのも1つの選択肢です。

犬の扁平上皮癌の予防法とは?

犬 扁平上皮癌

発症の原因が明確に分からないため、扁平上皮癌を確実に予防する方法はありません。万が一、発症してしまっても早期発見・早期治療ができるように、日頃から愛犬の体を触って異変がないかチェックするようにしましょう。また、歯磨きの際に口の中をよく観察することも大切です。

再発する可能性

外科的治療ができず化学療法による治療を行った場合や、手術で取り残しがあった場合は、再発が起こりやすい傾向にあります。もし疑わしい症状が見られた際は、早めに動物病院を受診しましょう。

犬の扁平上皮癌との向き合い方

犬 扁平上皮癌

愛犬に扁平上皮癌の症状が疑われる際は、早めに動物病院に連れて行くようにしましょう。早期治療をすることで、重症化するのを防げます。扁平上皮癌は、発生した部位によっては外科的治療が難しい場合もあります。どのような治療をするのが愛犬にとって最良なのか、獣医師とよく相談し治療方法を決めるようにしましょう。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤 みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

  • 更新日:

    2020.08.14

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