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健康管理 / 病気

2020.08.03

【獣医師監修】犬のパテラってどんな病気?原因・症状・治療法・予防法まとめ

犬の膝関節の病気「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」をご存知でしょうか?膝蓋骨は英語で「パテラ(patella)」といい、日本でもパテラの通称で知られています。パテラは、小型犬に発症しやすい病気と言われており、発症して外科治療をする場合には手術費用は高額になることもあります。ここでは、犬のパテラの原因・症状・治療法・予防法をまとめてご紹介します。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:江野 友紀/認定動物看護士)

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犬のパテラ(patella)ってどんな病気?

犬 パテラ

膝の前面にはお皿状の骨(膝蓋骨)がありますが、この骨は通常「滑車溝(かっしゃこう)」と呼ばれる溝にはまっています。そして、膝蓋骨が正常な位置から外れてしまう病気をパテラといいます。膝蓋骨が内側に外れることを「内方脱臼」、外側に外れることを「外方脱臼」といいますが、犬には内方脱臼が多く見られます。

パテラの症状

初期段階では無症状のことが多く、病気が見落とされてしまうこともよくあります。症状が進行すると足を挙げて歩いたり、散歩中に歩きたがらなくなったり、段差のある場所を避けて歩くようになります。そして重症化すると膝蓋骨が常に脱臼した状態になり、骨が変形したり、全く歩けない状態になる場合もあります。

他の犬や人にうつる?

犬のパテラは膝蓋骨が外れる病気であり、感染症ではありません。他の犬や人にうつる心配はありません。

犬のパテラの原因とは?

犬 パテラ

犬のパテラの原因には、先天的なものと後天的なものがあります。

原因|1.先天的なもの

膝蓋骨を支えている靭帯が生まれつき弱い、滑車溝が浅いなど、膝関節周辺の形成不全により発症します。

原因|2.後天的なもの

ソファーから飛び降りたり、事故による打撲などが原因で膝に過度な負荷がかかることで発症します。

かかりやすい犬種や年齢

小型犬はパテラを発症する確率が高く、犬種としてはトイプードルやチワワ、ポメラニアン、ヨークシャーテリア、パピヨンなどが挙げられます。多くは先天的なものであり、子犬の頃から症状が現れることもあります。

犬のパテラの治療法とは?

犬 パテラ

犬のパテラの治療法には、内科的治療と外科的治療があります。

内科的治療は症状が軽度の場合や年齢などにより外科手術ができない犬に適用されます。治療法には内服薬やサプリメント、レーザー治療などがあります。症状の軽減は期待出来ますが、パテラの状態が解消されるわけではありません。

外科的治療では、滑車溝を削って深くすることで膝蓋骨をずれないようにするなどの手術が行われます。

治療にかかる費用

内科的治療の場合、消炎剤などの内服薬やサプリメントの処方など、数千円程度で済むことも多いですが、外科的治療を受けた場合には手術や入院などに30万円以上かかることもあります。退院後も薬の服用やリハビリの費用がかかります。

犬のパテラの予防方法とは?

犬 パテラ

膝関節に負担がかからないようにすることが、犬のパテラの予防に繋がります。ソファーや階段には上らないことが一番良いですが、もし上り下りしてしまうようであれば着地する場所に滑り止めのマットなどを敷きましょう。

また、犬の肉球には滑り止めの役割があるので、肉球が隠れないよう足の裏の毛もこまめにカットしましょう。

再発する可能性

犬のパテラは、手術後をしても再発する可能性があります。退院後も獣医師の指示に従い、ケージの中で安静に過ごさせたり、きちんとリハビリを受けることが大切です。

犬のパテラとの向き合い方

犬 パテラ

犬のパテラは珍しい病気ではありません。軽度で生活にそれほど支障をきたさない場合も多いですが、激しい運動などにより膝に負担がかかると症状が悪化したり、手術が必要になることもあります。脱臼の有無は触診でわかるので、定期的に動物病院で健康診断を受け病気の早期発見・早期治療に努めましょう。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤 みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

  • 更新日:

    2020.08.03

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