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健康管理 / 病気

2020.11.13

【獣医師監修】犬の気管虚脱ってどんな病気?症状・原因・治療・予防法まとめ

犬の気管虚脱という病気は、小型犬に多い疾患の1つです。犬の気管が本来の強度を失って押しつぶされたように変形してしまい、その結果、犬の呼吸に障害を起こす怖い病気です。犬が苦しそうな呼吸をしていたら飼い主としてはとても心配ですよね。ここでは、気管虚脱という病気がどのような症状を引き起こすのか?原因や治療法・予防法までの基本的なことを詳しくご紹介していきます。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:ルエス 杏鈴)

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犬の「気管虚脱」ってどんな病気?

気管虚脱を発症しやすい小型犬

気管虚脱とは、犬の気管がつぶれ、呼吸困難を引き起こしてしまう病気です。気管虚脱を発症した犬は興奮したときや、運動の後に苦しそうにゼーゼーと息をするようになり、乾いた咳を繰り返します。また、気管虚脱の犬は正常に呼吸ができなくて苦しいため、しきりに動き回り、落ち着かない様子を見せます。

気管虚脱の初期症状は?

気管虚脱の初期症状は軽い呼吸困難や咳です。しかし、必ずしも初期症状があるわけではなく、深刻な症状が突然に発症することもあります。

気管虚脱は他の犬や人にうつる?

気管虚脱は他の犬や人にうつる心配はありません。そのため、気管虚脱の犬を他の犬から隔離する必要はありません。しかし、気管虚脱は遺伝的要因で引き起こされる場合があるので、気管虚脱の犬を繁殖することで、その子孫も気管虚脱を発症しやすいとされています。そのため、繁殖といった面では注意をする必要があります。

犬の気管虚脱の原因とは?

気管虚脱になりやすい小型犬が飼い主さんとタッチしている

犬の気管虚脱は、はっきりとした原因が明らかにはなっていませんが、遺伝・肥満。老化などが関係していると言われています。ここでは、犬の気管虚脱の原因や、気管虚脱になりやすい犬種や年齢について解説していきます。

気管の軟骨が弱い

正常な気管は簡単につぶれないようにリング状の気管軟骨で被われて形を保っています。しかし、先天的な理由で軟骨が弱かったり、気管の周りの首の筋肉が乏しい状態だと、気管がつぶれて気管虚脱を引き起こします。

肥満

肥満の犬は気管が圧迫され、気管虚脱を引き起こしやすくなります。また、肥満だけに限らず、首輪を着用したままリードを引っ張ったり、継続的に吠えるたりすることで、気管に負担がかかり、気管虚脱になってしまう場合があります。

その他の原因として考えられること

暑いと感じる環境や、興奮・ストレスなど、過呼吸を引き起こす状況も気管虚脱の発祥の要因になると考えられています。

気管虚脱になりやすい犬種や年齢

マルチーズやチワワなどの小型犬や、パグやフレンチブルドッグなどの短頭犬種は他の犬種よりも気管虚脱になりやすい傾向が見られます。また、シニア犬の方が若い犬よりもなりやすい傾向があります。

犬の気管虚脱の治療法とは?

水色背景の犬

犬の気管虚脱は、咳を抑える薬や気管を広げる薬などを犬に飲ませることで治療します。しかし、気管虚脱が重症の場合は手術による治療を行い、気管を広げることもあります。

気管虚脱の治療にかかる費用

気管虚脱の治療は診断と処方を含めて1~2万円です。しかし、再発してしまった場合は通院しなければいけなくなり、治療にかかる費用が高くなってしまいます。さらに、手術が必要になる場合は、治療費が高額になってしまうので、獣医とよく相談し、治療の方針を決めるようにしましょう。

犬の気管虚脱の予防法はある?

犬が吠えている様子

犬の気管虚脱は気管に負担をかけないようにすることで予防することができます。リードを引っ張る犬は首輪ではなくハーネスを選び、犬が長時間吠え続けることがないように心がけてください。また、犬が肥満ににならないようにしっかりと運動と食事管理に取り組み、犬の健康状態を確認しながら健康な体重を維持するようにしましょう。

気管虚脱が再発する可能性

気管虚脱の治療は投薬や手術で行われますが、再発の可能性はいずれも高いです。そのため、治療を終えてからも犬の様子をしっかりと見守り、再発を見逃さないようにしましょう。また、再発した場合は、すぐに犬を動物病院へ連れていくようにしましょう。

犬の気管虚脱との向き合い方

飼い主さんが気管虚脱の犬を抱きかかえている

ここでは、犬の気管虚脱について解説しました。気管虚脱は呼吸困難を引き起こし、犬にとってとても苦しい病気です。そのため、咳や呼吸困難などの症状がみられたら、すぐに動物病院を受診し、治療に取り組むようにしましょう。また、治療に取り組んでも再発してまうケースが多いので、気管虚脱を完治させるではなく、犬が快適に生活をできるように病気を「管理する」という気持ちで治療に取り組むようにするといいでしょう。

  • 公開日:

    2020.08.27

  • 更新日:

    2020.11.13

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ライター・監修者プロフィール
  • 監修者:加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。