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健康管理 / 病気

2020.08.27

【獣医師監修】愛犬の目が腫れている?考えられる病気や原因・対処法まとめ

犬の表情の中で、最も印象深い部分が目かもしれません。特に目が充血していたり、瞼が腫れていたりすると飼い主さんはすぐに気付くものですよね。愛犬の目がいつもと違って腫れていても決して慌てないようにしましょう。そこには何らかの原因がありますので、それを突き止めることで対処法や治療法を導くことができます。ここでは犬の目が腫れている原因や、考えられる病気、または対処法などを解説していきます。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:明石 則実)

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犬の目が腫れている場合に考えられる原因とは?

目が腫れていない正常な犬

犬の瞼や目の周りなどが腫れてしまう原因には、いくつかのことが考えられます。まずは、どのような原因によって目の腫れが引き起こされやすいのかを見ていきます。

細菌や寄生虫による感染

目の周囲に細菌や寄生虫などが感染することにより、急性炎症を起こすことがあります。特にノミやダニに刺された跡は強いかゆみを伴うことが多く、急激な炎症(ホットスポット)を起こしてしまうことが多いのです。また細菌や真菌などが皮膚の角質層へ浸透し、増殖することで強い炎症といった症状を引き起こします。

いずれにしても違和感やかゆみを伴って掻きむしることが多くなり、さらに重症化する恐れがあるため注意が必要です。

マイボーム腺の炎症

ちょうど瞼の縁にあるマイボーム腺は、涙の油分を調節する器官となります。細菌による感染や閉塞によって炎症を引き起こし、違和感や不快感をもたらします。いわゆる「ものもらい」と同じ症状で、放置しておくと角膜炎の原因となる場合もあります。

アレルギーによるもの

体を守るための免疫が過剰に反応し、犬の目の周囲の皮膚にかゆみや炎症が起きてしまうことがあります。アレルギーには食物性と環境性によるものがあり、前者は食材の中にアレルゲンが入っているために引き起こされ、後者はノミ・ダニの死骸やフン、ハウスダストなどのアレル物質が起因するものです。

犬の目が腫れている時に考えられる病気とは?

犬の目の腫れ・充血

犬の目が腫れてしまう原因には様々なことが考えられますが、次に考えられる病気について解説していきます。

眼瞼炎

瞼の一部または全体に炎症が起こっている状態で、目が腫れぼったくなり赤みを帯びます。痛みと共に涙を流したり、瞼が痙攣することが特徴で、多くは細菌感染またはダニなどの寄生虫感染によるものが多いです。

一部ではアレルギー反応に伴って発症する場合もあります。結膜炎を併発することもあるため、早めに動物病院等で診察を受けることが大切です。

ブドウ膜皮膚症候群

全身性の自己免疫介在性疾患の一つで、特に目に対して大きく異常をもたらす病気です。ブドウ膜のメラニン細胞に対して自己抗体が産生されるため、出血や瞳孔反射の低下が見られます。重症化すれば失明することもあるため、早期の治療が必要となります。

緑内障

眼球の中にある眼房水の流れに異常が生じるために引き起こされ、眼圧が高くなってしまう病気です。はっきりとした原因はわかっていませんが、徐々に眼球自体が大きくなり、痛みを伴うようになります。視神経を圧迫するために視力の低下が顕著となり、末期になると視力の回復は望めません。前述のブドウ膜皮膚症症候群から進行してくることも多いです。

チェリーアイ

犬の目には目頭近辺に第三の瞼があります。瞬膜とも言いますが、この瞬膜が炎症を起こして飛び出している状態がチェリーアイと呼ばれています。違和感があり、犬が気にして目をこすってしまうため、眼球を傷付けてしまう恐れがあり注意が必要です。1歳未満の若い犬に起こることが多く、ビーグルやペキニーズ、ボストン・テリアなどが比較的かかりやすいとされています。

愛犬の目に腫れが見られたら取るべき対処法とは?

目が腫れている犬

愛犬の目が腫れていたら、なるべく早急に動物病院で診察を受けるようにしましょう。頻繁に目を掻きむしるようであれば、保護のためにエリザベスカラーを付けるなどの処置する必要があります。エリザベスカラーがない場合は、クリアファイルを繋いで代用する、または人間用のシャンプーハットを加工して代用するなどの方法があります。

下記の症状の併発に要注意

瞼など目の周囲の腫れ以外に、以下のような症状が見られる場合には注意が必要です。

・目をしょぼしょぼさせている。
・目が充血して赤くなっている。
・その他、明らかに眼球に異常がある。

瞼が腫れることによって眼球が圧迫されて角膜に傷が付き、角膜潰瘍を起こすこともあります。また掻きむしることにより眼球が傷付くことも考えられますので、早期の動物病院受診が望まれます。

目の腫れの原因を特定した上で適切な対処法を

犬の目のクローズアップ

犬の目の腫れの治療法については、原因を特定した上で適切な対処や治療法を模索することが重要です。細菌や寄生虫によるものなのか?または免疫異常やアレルギーによるものなのか?根本原因によって治療法も変わってきます。かかりつけの獣医師とよく相談するようにしましょう。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤 みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

  • 更新日:

    2020.08.27

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