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健康管理 / 病気

2020.08.06

【獣医師監修】犬の尿毒症とは?原因や治療法・予防を知っておこう

尿毒症は、腎不全により体内に毒素が蓄積されることで全身に様々な障害をもたらす、危険度の高い病気です。処置が遅れると手遅れになってしまうこともあるので、早急に治療を受ける必要があります。ここでは、犬の尿毒症の原因や治療法、予防法などについてご紹介します。

Author :江野 友紀/認定動物看護士(監修:加藤 みゆき/獣医師)

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犬の尿毒症とは?

犬 尿毒症

腎臓には、血液中の老廃物を尿としてする排泄する機能や、体内の水分とミネラルのバランスを維持する重要な役割があります。腎臓が何らかの原因により障害を受け、機能が低下すると腎不全になり、体内に老廃物や毒素が蓄積して様々な症状が現れます。この状態を尿毒症と言います。

尿毒症の症状

食欲不振、嘔吐、下痢、口臭(アンモニア臭)などの症状を呈し、重度の場合では口腔内粘膜の壊死、胃腸障害のほか、痙攣(けいれん)、呼吸困難、意識の混濁などの神経症状が現れ死に至ることもあります。

他の犬や人にうつる?

犬の尿毒症は、腎臓の機能が低下することによって様々な症状を引き起こす状態なので、ほかの犬や人にうつる心配はありません。

犬の尿毒症の原因

犬 尿毒症

犬の尿毒症は、主に腎不全の進行によって生じます。腎不全には大きく分けて急性腎不全と慢性腎不全があります。

原因1・急性腎不全

急性腎不全は中毒によって腎臓が障害を受けたり、膀胱結石などから尿道閉塞を起こしたり、何らかの理由により腎臓まで十分な血液が届かない場合などに発症します。数時間~数日という短期間で急激に腎臓の機能が低下し症状が悪化しますが、一時的に低下した機能は、回復できる可能性があります。

原因2・慢性腎不全

慢性腎不全は数カ月から数年かけて少しずつ腎臓の機能が低下していく病気です。初期段階ではほとんど症状を示さないことも多いですが、その後、飲水量が増え尿量が増加し、体重減少などの症状が見られます。

かかりやすい犬種や年齢

急性腎不全にかかりやすい犬種や年齢は特にありません。慢性腎不全を発症する平均年齢は、7歳と言われています。加齢とともに増加する傾向にあるので、高齢期の犬は特に注意深く観察する必要があります。

犬の尿毒症の治療法

犬 尿毒症

点滴や利尿剤の投与により尿量を増やしたり、人工透析を行い老廃物の排出を促進します。尿毒症を引き起こす原因となっている病気が判明していれば同時にその治療を行い、必要に応じて輸血療法や食餌療法を行います。

治療にかかる費用

治療費は動物病院によって異なり、尿毒症の原因や症状の程度によっても変わってきます。目安として、診察や血液検査、点滴などの治療を受けた場合で8千円くらいかかります。重度で入院管理が必要な場合には、10万円ほどかかることもあります。

犬の尿毒症の予防

犬 尿毒症

尿毒症は腎不全によって引き起こされるので、急性腎不全や慢性腎不全の予防方法とほぼ同じになります。
急性腎不全は中毒や尿道閉塞などが原因になるので、ブドウなど犬が摂取すると中毒になるものには注意し、尿結石の原因になるリンやマグネシウムなどのミネラル成分を多く含んだ食事やおやつは控えましょう。慢性腎不全は初期症状がわかりにくく、ほとんどの飼い主さんは気付きません。定期的に健康診断を受け、食欲低下や尿量の増加などの症状があれば早期に対処することが大切です。

再発する可能性

腎臓の機能を低下させる原因を取り除けなかったり、腎機能が元に戻らない重度の腎不全の場合は、尿毒症を再発する可能性が高いでしょう。

犬の尿毒症との向き合い方

犬 尿毒症

尿毒症は腎不全によって引き起こされる症状であるため、腎不全の早期発見・早期治療が大切になります。特に高齢期に入ると腎臓の病気にかかるリスクが高くなるので、症状が現れなくても定期的に動物病院で血液検査や尿検査を受けることをおすすめします。

◎ライタープロフィール
江野友紀 認定動物看護士

江野 友紀/認定動物看護士

地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

  • 更新日:

    2020.08.06

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