
スリングには吊る、抱っこひもという意味があります。袋状にした布地を肩から斜めがけし、袋部分に犬を入れて、手を使わずに抱っこして歩くことができるアイテムがドッグスリングです。
赤ちゃんに使用するベビースリングの場合は、お母さんの胎内にいるのと同じ感覚が得られると言われ、赤ちゃんがよく寝てくれることで知られています。犬の場合も、ゆりかごのような心地よい揺れと飼い主と一緒に居られる安心感からか、リラックスしてよく寝てくれるとユーザーからは人気のアイテムです。
夏の暑い日や雪の日には肉球の怪我防止用に、またドッグランなどの目的地へ行くまでの移動手段として使用される機会が多いドッグスリングですが、歩くことが困難なシニアやパピー、公共交通機関を利用するときや動物病院の待合室、災害時などでも活用できるお役立ちアイテムとしても人気があります。
超小型犬から中型犬までの飼い主から注目を集めているドッグスリングは、多彩なデザインがあり選ぶのに悩んでしまいますね。そこで、選ぶときには以下のチェックポイントを参考にしてみましょう。
ドッグスリング選びの最大のポイントは、犬の体型やサイズ、そして抱っこする側である飼い主の体型に合っているかを確認することです。
サイズの合わないドッグスリングは、スリングの中で犬が無理な体勢になってしまい、居心地が悪くてスリングから出ようとしたり、スリング嫌いになってしまう可能性もあります。
また、飼い主のサイズに合っていることも大切です。ドッグスリングをつけた時に、おへその上にぴったりとスリング部分がフィットすることがポイントです。
ドッグスリングの老舗、マンダリンブラザースの密着型スリングキャリーは、使い勝手の良さと伸縮性のある布地が人気の秘密。女性用、男性用の2サイズ展開で、カラーは6色にプラスエスニックプリント2色の計8色と豊富。重さを感じず抱っこ感覚で使用できる設計で、外出時はもちろん家の中でも気軽に抱っこできます。飛び出し防止のリード付き。
楽天スリングランキングで常に1位の座を獲得している人気のドッグスリングが、snowdrop plusのオリジナルペットスリングです。
軽くてかさばらないコンパクト設計ながら、大きめのダックスやトイプードルも安心して抱っこできる設計が人気の秘密。中には、7.5kgのダックス2頭を一緒に入れてしまうオーナーもいるほどの安定感も高評価の要因です。
単色5カラーに、デニム、3タイプのストライプとバリエーションも多く、大きめのスマホも入れられる便利ポケットも肩紐に装備。幅広の肩紐で肩の負担を軽減、身長に合わせて選べる2サイズの展開です。
唯一のドッグスリング専門店「erva」がリリースするオリジナルのドッグスリングをご紹介します。
痒い所に手が届くアイディアと飼い主の「これが欲しい」を形にした設計で、全て専用の職人による手作りなのが特長です。耐荷重は360kgとドッグスリング市場で最強。27kgのゴールデンレトリバーでも安心して抱っこできる強度は飼い主の不安解消の強い味方です。
さらに、人間用の抱っこ紐とバッグ作りの経験を生かした随所に工夫が凝らされていることも、多くの飼い主から支持される理由の一つです。4通りの抱っこが可能なervaのドッグスリングは、6色の帆布仕様のライト、6タイプのデニム仕様のスタンダード、夏限定のメッシュ仕様の他に、岡山デニム、刺し子など布地にこだわったプレミアム仕様が5タイプあります。どのタイプも体重1kg~25kgまで使用可能です。
ドッグスリングを選びで外せないのが機能性です。初めてドッグスリングを購入するなら、機能性を重視したタイプを選ぶことがおすすめです。
チェックしたい機能性は、以下を参考にしてみてくださいね。
1.5~7kgまでの小型犬対応で、コンパクトに折りたためる設計のドッグスリングがドッグピーすオリジナルのエブリデイ・コンパクトコットン・ドッグスリングです。体にぴったり密着するシンプルなデザインは、家の中でも使用しても邪魔になりません。身長に合わせてMサイズ、Lサイズが選べる上、全7色と洋服に合わせてコーディネートできることも嬉しいところ。飛び出し防止フック付き。
マチの切り替えがないスリング本体に、アゴ乗せしやすい中綿入りの入り口が付いています。犬の快適さを追求した立体裁断で作られているハグスリングがこちらです。
紐を引くことで閉じられる巾着型の入り口は、犬のサイズに合わせて調節が可能です。肩への食い込み防止を考慮した幅広の肩ベルトは、長さ調節可能で小物が入るポケットとDカン付きで、コンパクトながら、安定感のあるデザインが特徴です。
カラーは単色3色の他にデニム、ギンガムチェック柄の全5タイプです。体重4kgまでのSサイズと、体重7kgまでのMサイズの2サイズ展開です。同じデザインで、通気性の良いメッシュタイプもあります。
機能性とデザイン性の両面から「ベストペットプロダクト」に選ばれた、アメリカのデザインカンパニー・FUNDLE(ファンドル)のオリジナルドッグスリングDog Skipです。
通常のドッグスリングと違い、流線型のスリングは犬が長時間楽な姿勢で居られるよう考えられた独自デザインで特許を取得しています。開口部には顎あてクッションを装備、インナー部分には綿素材を採用、底部には柔らかいパッド入りの中敷が使用されています。
スマホなどが入れられる外ポケットはもちろん、FUNDLEならではの秘密のポケットが特徴です。秘密のポケットとは、外から中の犬に直接触れられるふれあいポケットです。ファスナーを開ければ、いつでも中に手を入れることができ、中の愛犬の様子を実際に触って確かめることができるというもの。ショルダーベルトはスポンジ入りの幅広タイプで長時間の使用でも疲れにくい設計です。4.5kgまでのSサイズと4.5~8kgまでのLサイズの2タイプがあります。
一度使ってしまうと手放すことができなくなってしまうドッグスリング。できれば季節に合わせた素材やシチュエーションにマッチするデザインなど、用途別に使い分けたいですよね。2枚目に買うなら、その日のファッションに合わせてドッグスリングをコーディネートしてみませんか。
愛犬のおしゃれにこだわる小型犬オーナーから人気のブランドParisDogの新作が、強化メッシュ仕様の夏用スリングです。
爪を引っ掛け破損しがちなメッシュ素材ですが、こちらは爪の引っ掛けにも強い強化メッシュを採用していることが特徴です。また、スリング部だけではなく肩ひも部分にもメッシュを使用し、飼い主への負担も軽減してくれます。
飛び出し防止用リード、ベルト長さ調整用レザーひも、前面にポケット付き。1.7~3.8kgまでのSサイズ、3~7.5kgまでのMサイズの2タイプ。
オランダ・アムステルダムのベビースリングデザイナーが発案したドッグスリングが4Lazy Legsです。
コンパクトでシンプルなデザインながら、最大15kgまでの中型犬にまで対応する設計は、ペット大国オランダでも注目の的となっています。肩に負担のかからない厚めのショルダーパッドと開口部は、2サイズに調整可能で、バッグパッドと呼ばれるアゴ乗せクッション付きです。
小さく折り畳め専用ケースに収納できるところも特徴です。
ペアルックで人気の犬服ブランドvagueがデザインするドッグスリングは、ショピングにも活躍するショルダーバッグとしても使用できるシンプルなデザインが特徴です。ナチュラルな生成りのキャンパス地を採用しているので、使う場所を選びません。付属の飛び出し防止ストラップは、首輪やハーネスとつなぐことはもちろん、ショッピングの時には鍵などを取り付けて使用できます。表面には大きなポケット付き。超小型犬~小型犬対応。
オリジナルデザインの犬服が人気のANZU DOGオリジナルのドッグスリングは、ユーザーからの声を生かし、細部にまでこだわりを持って設計された製品です。
持つ人を選ばないデニム生地を採用し、長時間使用を考慮したクッション入りの幅広のショルダーベルトと二重構造のメッシュが強度を保持していることが特徴です。また、底板は体重の分散を配慮した設計で、取り外し可能なクッションを入れれば2通りの形で使うことができます。サイドには、ペットボトルが入るポケットやメッシュのミニポケット付きで旅行にも便利です。
デニムは4色のラインナップで、重量は8kgまで対応、さらに名入れも可能です。
豊富な種類が販売されているドッグスリングですが、実はミシンさえあれば手軽に手作りすることができます。市販には欲しいサイズがない場合や自分好みの機能をつけて、お気に入りの布でオリジナルのドッグスリングを作るのも一つの方法です。
ドッグスリングは、バスタオルやブランケットをリメイクして手作りすることも可能ですが、おすすめはジーンズのリメイク。また、強度や耐久性の面で不安がある場合は、しっかりとした伸縮性のある布地を使って手作りしてください。
タンスの奥底に眠っている着なくなったジーンズをリメイクすれば、小型犬サイズのドッグスリングが簡単に作れます。ジーンズにはポケットも付いているので、スマホなどの収納にも便利。また、ベルト通しを利用して落下防止のナスカンをつけることもできます。作り方はいたって簡単。足の付け根から足部分をカットしてカットした箇所を縫い合わせるだけ。カットした足部分は肩ベルトに応用することもできます。
1枚布を使用するので、好みの長さの布を用意します。110cm幅の布を150cm程度が目安ですが、肩から自分の腰のあたりまでの長さを測ることがおすすめです。布の端はほつれ止めに1cmほど折り返して縫っておきます。布を縦2つに折り、布の両端を3~5分割の屏風折りにして縫い合わせます。縫い合わせる部分は、ミシンで2重縫いなどにしてしっかりと仕上げましょう。2つ折りにした部分を広げて愛犬を入れるタイプのドッグスリングの完成です。
ドッグスリングを手作りする時には、耐荷重に注意が必要です。作り方は簡単ですが、縫い目が弱いと、犬の体重に耐えきれず、解けて切れてしまうことがあります。手作りスリングを作る時には次の点に注意しましょう。
人間の赤ちゃん用スリングの作り方を助産師が解説している一冊です。赤ちゃん用なので、使用する布地がガーゼですが、作り方を参考にして強度のある木綿やデニムなどに置き換えて作ってみてください。
ドッグスリングは、さまざまな場面で役にたつアイテムです。ドッグスリングがあれば、お出かけする場所も増えるのではないでしょうか。ただし、大切な愛犬が落下してしまっては命の危険に関わるので、安全性と耐久性を重視したデザインのものを選びたいですね。
また、夏の暑い日や電車の中などでは、暑がっていないか脱水になっていないかなどよく観察してあげることも大切です。日本ならではの発想から生まれたドッグスリングですが、やはり犬は歩くことが大切です。
お出かけはいつもドッグスリングを使用するのではなく、歩かせてあげることや走らせてあげることも忘れずに、上手に使い分けてくださいね。
西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士、犬の東洋医学生活管理士2級
ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。
現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。