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健康管理 / 病気

2020.08.07

老犬が頻繁に吐く原因は?透明色や茶色の嘔吐物は病気?【獣医師監修】

犬は吐きやすい動物といわれていますが、吐くことを何度も繰り返したり、激しく吐いていると心配になりますよね。特に子犬や老犬の場合は急激に容体が悪化することもあるので、正しく対処しなければなりません。ここでは、老犬が頻繁に吐く場合に考えられる原因や病気、治療法、予防法などについて解説します。

Author :江野 友紀/認定動物看護士(監修:加藤 みゆき/獣医師)

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老犬が吐くときの原因と考えられる病気

老犬 吐く

老犬が嘔吐する原因と、考えられる病気についてご紹介します。

老犬が吐く原因

勢いよくフードを食べて吐いたり、胃に不快感を感じて草を食べて吐いたり、空腹によって吐くこともあります。また、病気の一症状として嘔吐が見られることもあります。

老犬が吐くときに考えられる病気

嘔吐の症状を呈する病気は実に様々です。
胃腸炎や膵炎、腸閉塞などの消化器系の病気のほか、腎不全や肝不全など内臓の病気、熱中症、腫瘍、中毒などでも嘔吐する様子が見られます。

老犬が吐くときの症状や嘔吐物の状態

老犬 吐く

老犬が吐くときの症状や嘔吐物の状態を「様子を見てもよい場合」と「要注意の場合」に分けてご紹介します。

様子を見てもよい場合

嘔吐が一時的なもので他の症状を伴わず、吐いた後はいつも通りに過ごし、食餌もきちんと摂れるような場合には様子を見ても問題ありません。

嘔吐物の状態

透明の液体や白い泡を吐くときは胃液を吐いており、黄色い液体の場合は胃液に胆汁が混じったものを吐いています。これらの嘔吐物は健康な犬でも見られることがあり、過度に心配しなくてもよいものです。

要注意の場合

嘔吐を頻繁に繰り返す、吐いたものに血が混じる、吐いた後にぐったりする、下痢や発熱などの症状を伴うといった場合は要注意です。原因によっては命に関わることもあるので、すぐに動物病院を受診しましょう。

嘔吐物の状態

嘔吐物に血が混入している場合には、急性胃炎や胃潰瘍、腸閉塞などの病気が考えられます。嘔吐物がコーヒー色や赤黒い色の場合は特に注意が必要です。

老犬が吐くときの検査と治療法

老犬 吐く

犬が嘔吐した場合にどのような検査をし、どのような治療をするのかは、獣医師が疑う病気や症状の程度などによって異なります。

腎臓や肝臓の病気を疑う場合

腎臓や肝臓の病気の疑いがあれば、血液検査や尿検査、超音波検査、レントゲン検査などが行われます。
腎不全は治るものではなく進行性の病気であるため、腎不全の進行を遅らせることを目的とし、腎不全用の療法食を与えたり、輸液療法を行います。
肝不全では、肝臓の機能を改善するための薬を服用したり、肝不全を引き起こす原因となる病気があればその治療を行います。

腸閉塞を疑う場合

異物の誤食などにより腸閉塞を起こしている場合は、腹部の触診やレントゲン検査、超音波検査、内視鏡検査、血液検査などが行われます。
殆どの場合は閉塞を解除するための開腹手術が必要になります。手術では異物があれば除去し、周囲の組織が壊死していれば切除したり、腫瘍が原因であれば腫瘍を切除します。

老犬の嘔吐の予防法

老犬 吐く

老犬の嘔吐は様々な理由で起こるもので、原因によって予防法が異なります。ここでは空腹、消化不良、病気による嘔吐の予防法について取り上げてご紹介します。

空腹による嘔吐を予防するには

食餌と食餌の間隔が空きすぎるなど、空腹の時間が長くなると犬は胃液や胆汁吐くことがあります。この場合は、食餌を与える時間を見直したり、一日の給与量は変えずに食餌の回数を増やして与えることで嘔吐を予防できるでしょう。

消化不良による嘔吐を予防するには

食餌を勢いよく食べて吐き戻してしまう子にはドッグフードを小分けにして与えたり、早食い防止用の食器を使用するなど、一気にがつがつと食べられないような対策が必要です。また、食べ過ぎにも注意しましょう。
消化に悪いおやつも嘔吐の原因になるので、控えるようにしましょう。

病気による嘔吐を予防するには

嘔吐の原因となる病気によっては、予防できるものもあります。

胃拡張・胃捻転

ドーベルマンやジャーマン・シェパードドッグのような胸の深い大型犬に多く見られるこの病気は、胃が拡張し、ねじれることで発生します。
胃拡張・胃捻転は一度に大量の食餌を食べることや、食後すぐの運動により発症するので、食餌の回数を分けて与えたり、食餌の後にお散歩出かけることは控えましょう。

感染症

犬パルボウイルス感染症や犬ジステンパーウイルス感染症、レプトスピラ感染症、犬コロナウイルス感染症などは、ワクチンによる予防が可能な病気です。獣医師の指示に従い、定期的にワクチン接種を受けましょう。

食物アレルギー

食物アレルギーにより嘔吐する子の場合、ドッグフードをアレルギー用の療法食に変えることで症状の改善が期待できます。アレルギー用のフードは種類が豊富にあるので、動物病院に相談してその子に合ったものを選びましょう。

老犬が吐く様子を見過ごさないで

老犬 吐く

消化機能の衰えがちな老犬は、嘔吐しやすくなる傾向があるとされています。嘔吐が一時的なもので、吐いた後は元気に過ごしているようであれば過度に心配する必要はありませんが、原因不明の嘔吐を繰り返したり、下痢など他の症状を伴う場合には何らかの病気の疑いがあります。
様子を見ていると脱水症状に陥ったり、原因にある病気が進行する可能性もあるので、異変を感じたらなるべく早めに動物病院を受診しましょう。

◎ライタープロフィール
江野友紀 認定動物看護士

江野 友紀/認定動物看護士

地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

  • 更新日:

    2020.08.07

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