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犬種図鑑

2020.08.04

スパニエルの貴族と呼ばれたクランバー・スパニエル|その性格と身体の特徴とは

アメリカン・コッカー・スパニエルやキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルに代表されるスパニエル種といえば、軽快で活動的な犬種としてよく知られています。
しかし今回ご紹介するクランバー・スパニエルは、どちらかと言えば大型でずんぐりむっくりした体格が特徴の犬種です。そんなクランバー・スパニエルについて、歴史や身体の特徴、性格などを紹介していきます。

Author :明石則実/動物ライター

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クランバー・スパニエルのルーツ

クランバー・スパニエル

その起源は定かではありませんが、一説によれば18世紀のフランスでノワイユ公爵によって飼育されていたようです。しかしフランス革命のどさくさでイギリスへ渡り、ニューカッスル=アンダー=ライン公に保護されることとなりました。

ノッティンガムシャー州にあったクランバー・パークという土地で飼育されていたため、その名前の由来になったとされています。

その後、英国王室のエドワード7世や息子のジョージ5世らから寵愛を受け、「スパニエルの貴族」という称号まで与えられることになりました。王室の衰退と共に、一時はその数を減らすこともありましたが、北米へ渡って個体数を増やすなど繁殖が続けられ、現在では世界中に愛好家が存在しています。

犬種グループ:鳥猟犬

JKC(ジャパンケネルクラブ)で認定されており、その犬種グループは「鳥猟犬」となっています。同じスパニエル種の中でも大きな体格をしているため、俊敏というわけではありませんが、人間の歩調に合わせて歩くことが特徴です。
また歩く際に大きな音を立てないため、獲物が接近に気付きにくいという利点もあったようです。

クランバー・スパニエルの性格

クランバー・スパニエル

その大柄の体格とゆったりとした動作で、見る人に威厳を感じさせるクランバー・スパニエルは、落ち着いていて自信に溢れ、頼りがいのある性格をしています。
非常に愛情深く遊び好きではあるものの、他のスパニエル種と違って興奮したり活発に走り回ったりということはほとんどありません。「スパニエルの貴族」らしい落ち着いた物腰が特徴と言えます。

上手なしつけ方

飼い主に従順で大人しいため、しつけはさほど難しくない犬種です。賢くて物覚えも良いですから、家庭犬と暮らすうえでは大抵のことはこなせます。

しかし、過度で厳しいトレーニングには不向きです。気まぐれになったり、攻撃的になることも考えられます。クランバー・スパニエルとは、なるべく穏やかに接して良好な信頼関係を築いていくのが吉でしょう。

また飼い主がトレーニングを怠ると、クランバー・スパニエルも同様に怠惰になってしまうことがあります。健康面やシニアになってからのことを考えると、こまめなトレーニングは欠かせません。

クランバー・スパニエルの適正体重と健康管理

クランバー・スパニエル

スパニエル種の中で、クランバー・スパニエルは最重量級です。走り回るということがほとんどないため、きちんと管理をしておかないと体重が増加傾向にあると言えるでしょうか。体重や寿命、健康などについて見ていきましょう。

適正体重

ジャパンケネルクラブ(JKC)によると適正体重は、オスで29.5kg~34kg、メスで25kg~29.5kgとされています。
愛玩犬として室内で暮らすことが多い場合は、増えやすい体重をコントロールするために、適正な運動量の確保が必要不可欠です。

必要な運動量

毎日の散歩はゆったりと長めに取りましょう。1日2回程度で、それぞれの時間はたっぷり1時間程度が望ましいでしょう。
散歩の際には、常にタオルを持っておくことをおすすめします。クランバー・スパニエルの特徴としてよだれを垂らすことが頻繁にあるため、こまめに口元を拭いてあげる必要があります。

平均寿命

クランバー・スパニエルの平均寿命は約10~12年ほどです。体重や運動量、そして健康はそれぞれ相関関係がありますから、飼い主さんがバランス良くコントロールしてあげることが大切です。

クランバー・スパニエルの被毛の特徴

クランバー・スパニエル

クランバー・スパニエルの被毛構造はダブルコート(二重構造)で、長めのオーバーコートは柔らかく軽くウェーブがかっています。また耳や脚、お腹に沿って羽毛のような柔らかい毛で覆われていることも特徴です。特にオスの首の下には、エプロンや髭に似た長いフリルがあります。
子犬の頃は純白の毛色ですが、成長するにつれて徐々にレモンやオレンジの斑が出るようになります。

お手入れ方法

日常のシャンプーは1ヶ月に1度くらいが目安で、被毛のお手入れはそれほどさほど難しくはないでしょう。コームやブラシなどで毛並みに沿ってブラッシングすれば十分です。

しかし換毛期には多くの抜け毛が出ますので、スリッカーブラシなどで念入りに死毛を除去するようにしましょう。

また耳たぶには被毛が密集し垂れ耳なので、耳掃除は定期的にして下さい。特に湿度の高い季節は蒸れやすいので注意が必要です。

クランバー・スパニエルに合った生活とは?

クランバー・スパニエル

クランバー・スパニエルは決して活動的な犬ではありません。ゆったりとした動きで落ち着いた性格を持ち、また非常に愛情深いのが特長です。愛犬とゆっくりと過ごしたいという方にとっては、優しく頼りがいと威厳のあるクランバー・スパニエルはぴったりのパートナーになってくれるかもしれません。

◎ライタープロフィール
明石則実 動物ライター

明石 則実/動物ライター

フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。

  • 更新日:

    2020.08.04

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