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犬種図鑑

2020.08.24

オランダ原産のダッチシェパードはどんな犬?歴史から紐解く犬種特長

ダッチシェパードは牧羊の盛んな国オランダ原産の犬種です。大型犬に属しますが、無駄な贅肉がなく、俊敏で軽快な動きは体の大きさを感じさせません。
ここでは、ダッチシェパードがどのようにして生まれたのか歴史的経緯をひも解きながら、犬種の特徴から飼い方までを解説します。

Author :明石則実/動物ライター

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ダッチシェパードの歴史

ダッチシェパード

ダッチシェパードの祖先は、オランダやベルギー、ドイツなどにいた牧羊犬だと考えられており、羊飼いの犬としての役割以外にも、牛の放牧を手伝ったり、見知らぬ人が農場に侵入しないように警戒したりなど、様々な役目を負っていました。

19世紀後半になると、ヨーロッパ各国で独自の犬種を確立する動きが目立ち始め、オランダでも1898年からスタンダードの作出が始まりました。当初は様々なカラーが認められていましたが、1914年からは他の犬種と区別するためにプリンドルのみにすることを決定したのです。

20世紀初めになると工業化の波がオランダにも押し寄せ、牧草地も次々に用途を変えて牧羊が衰退することになりました。とはいえダッチシェパードたちの仕事がなくなったわけではありません。
従順で穏やかな性格ゆえに愛玩犬としても人気がありますし、警察犬・捜索犬・盲導犬としても広く活躍しているのです。

どの犬種グループに属する?

日本のJKC(ジャパンケネルクラブ)での登録はありませんが、AKC(アメリカンケネルクラブ)やFCI(国際畜犬連盟)ではスタンダードが認められています。
ダッチシェパードの別名「HOLLANDSE HERDER」は「オランダの羊飼い」という意味になりますから、FCIでの犬種グループでは「コンパニオンドッグ及び牧羊犬」に属します。

ダッチシェパードの性格とは

ダッチシェパード

1910年にある愛好家が「なんだかオオカミに似ている。」と表現したそうですが、見た目にかかわらず、その性格は一口で言えば、常に忠実で素直。また牧羊犬らしい注意深さと忍耐力にも富み、行動力も伴っているため、非常にアクティブです。

コンパニオンドッグとしての資質も兼ね備えていて、飼い主さんの指示もよく聞き分けますし、家族にも穏やかに接します。ハイキングやジョギング、ドッグスポーツなども軽快にこなしますから、良きパートナーとして信頼関係が築けるのではないでしょうか。

しつけの方法

ダッチシェパードは非常に賢く、家族を群れとして認知する傾向があります。多少頑固な性格を持つこともあるので、飼い主を群れのリーダーとして認識させ信頼関係を築くことが大切です。

適切なトレーニングを行うことで、家族の中で自分がどの位置にいるのかを理解させることができます。過酷なトレーニングということではなく、飼い主が常に自信を持ち、犬に対して確固たる態度を維持するだけで十分です。

具体的には、オヤツなどの報酬を使ってやる気にさせることが効果的でしょう。犬が何かをすることによって、褒めてもらったりオヤツがもらえるとわかったら、家族の中で上手く振舞うことができるでしょう。

作業犬としての素質を持つダッチシェパードは、飼い主が出すコマンドを実行することによって、「仕事をしている」と認識します。飼い主が適切なリーダーシップを発揮できるように努力する必要があります。

ダッチシェパードの体重と体のサイズ

ダッチシェパード

健康のバロメーターは、体重と運動量の相関関係にあります。ここでは体重・運動量・寿命などのついて見ていきましょう。

適正体重

ダッチシェパードの体高は約55~62cm程度、平均体重は20~34kg程度となっています。オスとメスの違いはありますが、比較的大型の犬種だということがわかります。
適正体重を保つためには、バランスの良い食餌内容と、適度な運動が欠かせません。太り過ぎ痩せすぎには注意しましょう。

適切な運動量を確保すること

元来が牧草地を走り回る牧羊犬のため走ることは得意です。また、それなりの運動量も必要とします。
日常の散歩も、1日に最低2回、それぞれ1時間程度が望ましいですね。また歩くだけでなく、ドッグランなど走り回れる環境も与えてあげて下さい。

平均寿命

ダッチシェパードの平均寿命は11~14年程度です。日頃の運動もさることながら、与えるごはんの内容を考慮に入れるのも長寿の秘訣です。
また定期的に動物病院等で検診を受けることが重要です。

ダッチシェパードの被毛の特徴

ダッチシェパード

ダッチシェパードの被毛タイプは3種類あります。いずれも二重構造のダブルコートです。

ショートヘアー

「ショートヘアー」はオーバーコートがかなり短めで硬く、体にぴったりとフィットする印象です。ほとんどのダッチシェパードがこのタイプになります。

ロングヘアー

「ロングヘアー」はオーバーコートが長く真っすぐで、カールや縮れ毛がありません。尻尾、頭、耳、脚には、フェザリングという飾り毛があります。しかし耳には房毛がないのが特徴です。

ワイヤーヘアー

「ワイヤーヘアー」は密度の高い乱れ毛のコートが特徴です。顔にはあごひげがあり、はっきりとした2本の粗い眉を持っています。ミニチュア・シュナウザーのワイヤータイプのように、平均して年に2回ほど手作業でストリッピングする必要があります。

被毛のお手入れ方法

ダブルコートのため、比較的毛が抜けやすい犬種だと言えるでしょう。日頃のお手入れはブラッシングが必須ですが、カットの必要はありません。
ワイヤーヘアーのダッチシェパードの場合、アンダーコートが抜けないため、手作業でストリッピングをおこなう場合があります。

日本ではほとんど見られないダッチシェパード

ダッチシェパード

原産国のオランダでは比較的ポピュラーな犬種ですが、残念ながら日本ではほとんど見られません。
もしかすると、ヨーロッパへ旅行した時などに出会うかも知れませんね。顔つきは恐いけど優しい犬、ダッチシェパードを覚えておいてくださいね。

参考文献
◎ライタープロフィール
明石則実 動物ライター

明石 則実/動物ライター

フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。

  • 更新日:

    2020.08.24

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