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犬種図鑑

2020.08.07

【犬種図鑑】イングリッシュシェパードドッグのルーツは英国、犬種誕生は米国?

イングリッシュシェパードドッグは、名前に「イングリッシュ」と付くものの、アメリカのユナイテッドケネルクラブで最初に犬種登録された犬種です。聡明で愛情深い牧羊犬「イングリッシュシェパードドッグ」の誕生の歴史から性格と身体の特徴、被毛のお手入れ方法までを解説します。

Author :明石則実/動物ライター

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イングリッシュシェパードドッグのルーツ

イングリッシュシェパードドッグ

ユナイテッドケネルクラブ(UKC)によると、イングリッシュシェパードドッグの先祖は、イングランドの先住犬とローマ帝国時代にシーザー率いるローマ軍に帯同していた軍用犬が掛け合わされたものだとされています。
その後イングリッシュシェパードドッグの祖先犬は一部が現地に残され、その土地で牧羊犬として活躍していた犬たちと交配したことで、牧羊犬としての素質を開花させました。

やがて18世紀になると最初の開拓者たちと一緒にアメリカ大陸へ渡り、現地で改良を重ねられた結果優秀な牧羊犬として非常に珍重されました。

1927年には、UKCがイングリッシュシェパードドッグを世界で初めて犬種として認めました。
由来こそイングランドであるものの、改良を経て犬種として最初に登録がおこなわれたのはアメリカであるため、その名前については様々な議論がおこなわれているようです。
現在のところ改名用の名前候補がいくつかあるようですが、どの名前にするかはまだ決定していないということです。

犬種グループは?

AKC(アメリカンケネルクラブ)やFCI(国際畜犬連盟)での登録はありません。唯一、UKC(ユナイテッドケネルクラブ)で犬種登録がおこなわれています。
UKCの犬種グループ「Herding Dog Group」に属し、直訳すれば「群れを守る犬」となります。家畜たちを害獣から守ったり、誘導したりといった役目を持つ犬種なのですね。

イングリッシュシェパードドッグの性格

イングリッシュシェパードドッグ

イングリッシュシェパードはエネルギッシュで活発な犬種ですが、性格は家族思いでとても穏やかです。あまり興奮することがなく、どんなことに対しても落ち着いて判断力に富んでいます。
また家族と行動を共にしている時も、絶えず周辺に気を配りながら、時には子供たちを守る行動にすら出ます。

しかし元来が作業犬であるため、何らかのトレーニングを継続する必要があり、単なる愛玩犬で終わることがないのも特徴の一つでしょう。

上手なしつけ方

何世代にもわたって作業犬を務めてきた犬種だけあって、トレーニングやしつけに対する耐性はありますが、時として頑固になることがあります。判断力があるということは独立心が強いしるしでもあるため、子犬期からのしつけが非常に重要です。

飼い主になるのであれば、リーダーシップを取りながら社会化を進めるようにしましょう。例えばルールを設定して守らせることが有効かも知れません。また、飼い主さんに注目するまでコマンドを出さないと決めるなど、一貫した方法で分かりやすく教えることが必要です。

イングリッシュシェパードドッグの身体のサイズと体重

イングリッシュシェパードドッグ

欧米の牧羊犬は中型~大型犬種が多いですが、イングリッシュシェパードドッグも中型の部類に属します。

適正体重

UKCのスタンダードによると、適正体重は下記の通りです。

  • オス:体高48~58cm、体重20~27kg
  • メス:体高45~54cm、体重18~22kg

必要な運動量

イングリッシュシェパードドッグは長時間働けるように作出された犬種のため、かなりの運動量を必要とします。約1時間程度の散歩を、1日に2~3度程度することが望ましく、十分な運動量が得られない場合は精神的に不安定になることすら考えられます。
特にジョギングやハイキングなど、家族と一緒に運動できる機会があれば、より望ましいと言えるでしょう。

平均寿命

イングリッシュシェパードドッグの平均寿命は12~15歳程度とされており、他の中型犬種と比較すると比較的長生きです。とはいえ、もちろん室内で暮らすなどの環境によって左右されるので、一概には言えません。

イングリッシュシェパードドッグの被毛の特徴

イングリッシュシェパードドッグ

被毛はダブルコートで厚く光沢があり、柔らかい毛質をしています。基本的に直毛ですが、まれに縮れている場合があります。またアンダーコートは柔らかくて細かく、体温の維持に役立っています。

主なカラーは5種類で、ブラック&タン、ブラック、ホワイト、タン、セーブル&ホワイト、タン&ホワイトとなっています。ちなみにブラック&タンには、頬に特徴的な「シェパードスポット」が入ります。

お手入れ方法

定期的なシャンプーは必須ですが、ダブルコートなのでカットなどのトリミングは不要です。
ただし、ダブルコートなので抜け毛は比較的多く換毛期には大量の毛が抜け、また、放っておくと毛玉ができるので日々の丁寧なブラッシングは欠かせません。被毛が分厚いということもあり、大きめのスリッカーブラシの使用がおすすめです。

イングリッシュシェパードドッグは心優しきパートナー

イングリッシュシェパードドッグ

日本ではまだまだ馴染みがない犬種、イングリッシュシェパードドッグ。運動量がかなり必要な犬種ですが、愛情深く、家族思いな性格は誰からも愛される魅力的な性質です。深い信頼関係を築けることで、きっと最良のパートナーになってくれるでしょう。

◎ライタープロフィール
明石則実 動物ライター

明石 則実/動物ライター

フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。

  • 更新日:

    2020.08.07

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