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犬種図鑑

2020.08.16

ケリーブルーテリアってどんな犬種?歴史・特徴・性格・飼い方のコツまで|犬種図鑑

羊のようにカールしたブルーの被毛と、どこか気高さを感じさせる顔つきが特徴のケリーブルーテリア。日本では非常に珍しい犬種ですが、原産国のアイルランドではポピュラーな犬種です。そんなケリーブルーテリアの歴史や特徴などをひも解き、飼い方のコツまで解説していきましょう。

Author :明石 則実/動物ライター

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ケリーブルーテリアが紡いできた歴史

ケリーブルーテリア

まずケリーブルーテリアの歴史についてご紹介します。

ケリーブルーテリアは、アイルランドの国犬とされていますが、そこには古くからの人間との関わり合いがありました。何世紀も前からアイルランドに存在していたと推測されていて、主に農村部や山間部で家畜の番犬や狩猟犬として活躍していたとされています。ケリー州の山岳地帯で多く飼育されていたため、「ケリー」という名を冠しており、地元では「アイリッシュ・ブルー」として親しまれるほど身近な犬種でした。

なお、その起源はブラックアンドタンのテリアに数種類の犬種を交配させたものだとされており、独特な柔らかい巻毛が大きな特徴となっています。

1913年に初めてショーに出陳され、アイルランド国民のマスコット的存在として広く認知されました。また原産国のアイルランドだけでなく、イングランドでも愛好者たちのクラブが設立されて、それ以降は世界的にその名が知られるようになりました。

どの犬種グループに属する?

ケリーブルーテリアの属する犬種グループとしては「3G:テリア」にあたり、穴の中に住むキツネやウサギなどを狩るための犬種です。ケリーブルーテリアの場合は水の中に潜むカワウソを捕えたり、深い穴に住むアナグマなどを狩るなど、厳しい条件の元での仕事が多かったとされており、その激しい闘争本能は「ブルー・デビル」という異名が付くほどでした。

ケリーブルーテリアの性格

ケリーブルーテリア

ケリーブルーテリアの性格はまさにテリア気質そのものだと言えるでしょう。狩猟や番犬といった仕事をこなすワーキング・ドッグとして警戒心や闘争心が強いのは無論のこと、常に自分で行動を判断することが求められてきたため独立心が旺盛です。

しかしコンパニオン・ドッグとしての一面も高く評価されていて、飼い主さんやその家族に対して愛情深く接し、甘えるところも見せるなど感情の表現力も豊かなな可愛い犬種です。

性格に合わせたしつけのコツ

ケリーブルーテリアは元々、非常に警戒心が強く頑固だったため、慣れさせることに苦労した時代がありました。しかし穏やかな性格になるよう改良を重ね、現在では家庭犬として広く認知されていますね。

それでも基本的な性格は変わっていません。しつけに関しては時間を要すると考えた方が良いでしょう。NG行動には決して怒鳴ったりしてはいけません。反発心を起こし、ますます言うことを聞かなくなるだけです。まずはトイレやリーダーウォークなど基本的なことから教えていくことが必要となります。

それらのしつけが出来た上で、噛み癖や吠え癖の矯正に取り掛かりましょう。一度に覚えさせようとせず、順を追ってトレーニングすることを心掛けるべきです。

ケリーブルーテリアの体重・寿命

ケリーブルーテリア

次にケリーブルーテリアの体重や適正な運動量など健康面について見ていきましょう。

適正体重

ケリーブルーテリアの平均体高は44.5~49.5cm程度、体重は15~18kgくらいの中型犬サイズです。まるで羊のような巻毛に覆われているためボリュームがあるように思えますが、体格は意外に細身でしなやかな体格をしています。

また被毛がモコモコとしているため、見た目では肥満かどうかの判断が付きにくいため、脇腹を触ってみて肋骨を感じられるかどうかで、太りすぎ・痩せすぎを確認する必要があります。

必要な運動量

古くからアイルランドの山野を走り回っていた犬種のため、かなりの運動量を必要とします。毎日の散歩も1日2回を基本として、それぞれ最低40分くらいの時間は必要です。ただ他の犬と馴れ合いをしないため、ノーリードでのドッグラン利用は避けた方が良いかも知れません。また泳ぎが得意なため、ドッグプールで泳がせることも効率的な運動をさせる方法です。

平均寿命

ケリーブルーテリアは非常に長命だと信じられていますが、実際は他の中型犬と変わりません。おおむね13~15歳くらいだとされていますね。この犬種独特の病気として小脳アビオトロフィーや、目の病気に罹患する可能性もありますが、体は非常に頑健だと言えるでしょう。

ケリーブルーテリアの被毛の特徴

ケリーブルーテリア

ケリーブルーテリア最大の特徴である被毛は、その名にある通りブルーの巻毛です。生後1年半くらいまではブラックですが、その後ブルーへと変色していきます。

被毛をそのまま放っておくと伸び放題になってしまいますが、アイルランドのクラブでは「トリミング禁止」、イングランドのクラブでは「トリミング推奨」となっています。アイルランドの方がワーキング・ドッグとしての特性を大切にしているため、「自然な姿のままで良い」というスタンスなのでしょうね。

被毛に合わせたお手入れ方法

ケリーブルーテリアは、被毛にボリュームがあるように見えてシングルコートのため、思ったより抜け毛は多くありません。家庭でできるお手入れとしてはシャンプーやブラッシングなどがありますが、毛が絡まってしまうこともよくあるため、ブラッシングの際には静電気を防止するブラッシングスプレーなどを使用した方が良いでしょう。コームやスリッカーブラシを用います。

毛が伸びるため一般的にはトリミングサロンの利用は必須です。体の被毛は短めにカットするものの、顔周りの毛は伸ばしておく「口ひげスタイル」が最もスタンダードです。しかし伸びた毛が目に入るなど眼病の原因になることもありますから、不安があるようならカットしておきましょう。

特徴あるスタイルがケリーブルーテリアの魅力

ケリーブルーテリア

一目でケリーブルーテリアと分かる、その独特なスタイルは犬種の最大の特徴だと言えます。またトリミングのやり方によっては顔が隠れてしまうため、その表情が読み取れない謎に包まれたような不思議な魅力もありますね。日本にもブリーダーさんがいらっしゃるそうですから、一度お目にかかりたいものです。

◎ライタープロフィール
明石則実 動物ライター

明石 則実/動物ライター

フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。

  • 更新日:

    2020.08.16

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