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犬種図鑑

2020.08.27

カルパチアン・シープ・ドッグってどんな犬種?特徴・性格・歴史まとめ|犬種図鑑

大型犬のルーツを探っていくと、かなりの種類の犬種が“羊などの家畜を守る護畜犬”として活躍していたことが分かっています。今回ご紹介させていただく犬種「カルパチアン・シープ・ドッグ」もそんな護畜犬の一種でした。体が大きく勇気があって思慮深い。そんなカルパチアン・シープ・ドッグの外見的特徴・性格・歴史などを解説していきます。

Author :明石 則実/動物ライター

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カルパチアン・シープ・ドッグの歴史

カルパチアン・シープ・ドッグ

カルパチアン・シープ・ドッグは、別名「カルパチアン・シェパード・ドッグ」とも呼ばれる犬種で、原産国ルーマニアでは「カルピー」という愛称で親しまれています。世界的に見れば頭数は少ないものの、熱心な愛好家さんもいらっしゃいます。まずはカルパチアン・シープ・ドッグの歴史について触れていきましょう。

牧羊が盛んなカルパチア盆地で生まれた護畜犬

ヨーロッパのアルプス山脈南西部にあたるカルパチア盆地は、カルパチア山脈などにも囲まれた牧畜に適した土地でした。そのためカルパチアン・シープ・ドッグやクーバースといった害獣から家畜を守るガードドッグが早くから生み出され、人間の役に立ち、人間と共に暮らしてきました。

オオカミと白い大型犬との間に生まれたという言い伝えもありますが、まさに伝承通りの巨躯とオオカミゆずりの勇気を兼ね備えた存在だと言えます。

現在はコンパニオン・ドッグとして活躍

やがて近代に入ると害獣そのものの被害が減り、徐々に護畜犬としてのカルパチアン・シープ・ドッグの活躍の場は失われていきました。しかし世界的に交通や物流のインフラが発達し、多くの犬たちが国外へ伝わっていくようになると、カルパチアン・シープ・ドッグもまたルーマニア原産の犬種として知られていくようになります。

1934年に最初のスタンダードが作成され、その後は1982年、1999年、2001年に修正が加えられました。ベルギーに本拠を持つFCI(国際畜犬連盟)によって公認されたのは2002年のことです。

カルパチアン・シープ・ドッグの外見的特徴

カルパチアン・シープ・ドッグ

カルパチアン・シープ・ドッグは、日本でよく知られているという犬種ではないため、日本でも詳細な情報は公開されているとは言い難いでしょう。FCIにおけるスタンダードのみ英文で閲覧できるため、その情報を元にカルパチアン・シープ・ドッグの特徴をご紹介していきます。

大きくてゆったりとした堂々たる体格が特徴

一般的な外観は比較的大型で、オスで体高65~73センチ、メスで体高59~67センチほどあります。体重に関しては約37~38キロほど。ゆったりとした体格に見えますが、筋肉は非常に強く、動きは非常に敏捷で護畜犬としての本来の役目を果たすのに適しています。

胸部もよく発達しており、骨格もよく伸びているため均整の取れた体つきをしていますね。また尾は比較的長く、ふさふさした豊かな毛で覆われていて、警戒心を感じると高く剣のように伸びます。

また頭は中頭型で額は広く、両耳の間が広くなりマズルに向かって徐々に狭くなります。目はアーモンド型で耳は小さすぎないほどの垂れ耳をしていますね。

寒い気候にも耐えられる緻密な被毛

毛質としては粗いのですが、緻密で密集しておりストレートになっています。またアンダーコートは緻密で柔らかいのが特徴。体全体の被毛は比較的短い傾向ににありますが、逆に首回り、足の裏、尾の部分のコートは長くなっています。厚い被毛が特徴のため、寒いアルプス山麓でも十分耐えられるようになっていますね。

また毛色に関しては、異なる色調の黒や灰色で覆われた淡い感じで、外側の部分はより明るく、背中側はより暗くなっています。口、額、首、胸、手足、尾の白いマーキングはスタンダードとして許可されています。

カルパチアン・シープ・ドッグの性格

カルパチアン・シープ・ドッグ

長い歴史を人間と共に暮らしてきたカルパチアン・シープ・ドッグですが、どのような性格なのでしょうか?詳しく解説していきたいと思います。

忠実で愛情深い性質は従順そのもの

長年にわたって家畜を守ってきた犬種らしく、落ち着きと冷静さを兼ね備え、飼い主に対しては非常に忠実で愛情深い性質を持っています。また外敵に対して警戒心が強く、防衛本能を発揮するため番犬としての能力は素晴らしいものがあります。

防衛本能が強いゆえに、しつけは重要

防衛本能が強いということは、攻撃性もまた強いということです。他の人間や犬を敵とみなして攻撃する場合もあるため、しっかりとしたしつけが大切になってきます。反面、賢くて指示もきちんと聞き分けられる性質のため、近年ではドッグショーなどでも活躍する機会が多いですね。

カルパチアン・シープ・ドッグが日本へやってくることも?

カルパチアン・シープ・ドッグ

日本ではまだまだ馴染みのない犬種ですが、白と黒のコントラストを持つ特徴的な外見は愛好家が多いことでもうなずけるところ。いつか日本へやってきて、皆さんの前でその姿を現す時がやって来るかもしれません。

◎ライタープロフィール
明石則実 動物ライター

明石 則実/動物ライター

フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。

  • 更新日:

    2020.08.27

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