magazine

食べもの

2020.08.23

手づくりごはん|パートナーに優しいレシピ|vol.18

パートナーに優しいレシピ|腎臓病と下痢におからが良いって本当?

散歩で犬友達のみなさんと話していた時、おからについて何人かの飼い主さんから話を聞くことがありました。腎臓にトラブルがある犬や、お腹を壊した犬に、おからを食べさせるのが効果的だというのです。これは本当なのでしょうか。
犬における、おからの健康効果について調べてみました。

#パートナーに優しいレシピ

Author :さのさえこ/ドッグライター

この記事をシェアする

腎臓病と下痢の際に注意すべきことは?

腎臓病と下痢は原因も症状も全く異なるものです。そのため注意すべき点も異なります。おからについてお話しする前に、それぞれがどのような点に気をつけるべきかを確認しておきましょう。

腎臓にトラブルがある犬が気をつけたいこと

腎臓の機能として老廃物の排出が一番に挙げられますが、中でも余分な塩分の排出、尿素のろ過、血中リン濃度の調整を行うという大切や役割を持ちます。
そのため、腎臓に負担を掛けないようにする以下のような食生活が必要となります。

  • タンパク質の制限
  • リンの制限
  • 塩分の制限

犬が下痢をした時に必要な栄養素とは

食物アレルギーや感染症など、原因がはっきりとした下痢の場合は動物病院での診察と治療が必要となりますが、食べ過ぎや夏バテ、腐った食物などによる一時的な下痢の場合は、水分補給の他に、絶食や以下のような食べ方をすることで改善することも可能です。

  • 脂質を抑え高タンパク低脂肪食を与える
  • 食物繊維で腸内環境を整える

おからの栄養成分はどのようなものなのか

私が普段食べているおからパウダーの栄養成分表示(100gあたり)は以下のとおりです。

  • 熱量:378kcal
  • タンパク質:30.8g
  • 脂質:17.3g(内、飽和脂肪酸:2.43g)
  • 炭水化物:44.9g(内、糖質:6.8g、食物繊維:38.1g)
  • 食塩相当量:0.56g
  • レシチン:1720mg
  • 大豆サポニン:300mg
  • イソフラボン:130mg
  • グルテン:0mg

豆腐を作った時に出る搾り汁が豆乳、そして絞りカスがおからになります。しかしカスとはいえ栄養は豊富です。タンパク質、脂質、炭水化物が主要成分となります。

穀物としての「おから」と「小麦」の違いとは

おからは大豆製品です。ゆでた枝豆は野菜に分類されますが、おからの原料となる大豆は乾燥させた豆であり、穀物に分類されます。しかし同じ穀物の小麦や米とは違い、大豆には以下のような特長があります。

おからはグルテンフリーである

小麦や米に含まれるグルテンが、おからには一切含まれていません。そのため、おからはグルテンアレルギーの犬にも与えることができます

炭水化物のほとんどが食物繊維である

小麦の炭水化物のほとんどは糖質です。それに対しておからは8割以上が食物繊維です。犬はタンパク質と脂質から糖質を作り出すことができるため、余分な糖質は脂肪になります。逆に体内で作り出せない食物繊維の方が、犬には必要となります。

肉との大きな違いは脂肪の内容成分にある

動物性脂肪が飽和脂肪酸を多く含む一方、おからには不飽和脂肪酸が多く含まれます。
飽和脂肪酸はエネルギー源として一番に使われる脂肪ですが、摂り過ぎた分は脂肪として蓄えられます。不飽和脂肪酸は物質的に不安定なため体内に蓄積されることはほとんどなく、細胞の材料として使われます。また、不飽和脂肪酸は体内で作り出すことができないため、食物から摂り入れる必要のある「必須脂肪酸」が多いことも特徴の1つです。

おからがもたらす犬への健康効果とは

おからだけを食べて健康を維持するのは、本来肉食傾向の強い犬には難しいことです。しかし穀物を消化できる遺伝子を持ち始めたことにより、栄養を吸収できるようになってきていることも事実です。
では、おからにはどのような健康効果が期待できるのでしょうか。

必要なタンパク質を補いリンと脂質を抑える

タンパク質は犬の主要栄養素のため、仮に制限はあっても摂取する必要があります。肉類からのタンパク質摂取を一部おからに変更することは、リンや飽和脂肪酸の摂取を同時に抑える効果が期待できます。腎臓への負担とともに太り過ぎの対策も必要な犬であれば、低糖で不飽和脂肪酸が多く含まれるおからは体重管理にも適している食材となります。

低脂質と食物繊維が下痢の改善に役立つ

おからは脂質が少なく食物繊維が豊富に含まれる食材のため、消化機能に効率的に働いてくれることが期待できます。「一過性の下痢であればおからで治る」と話している獣医さんもいることから、薬がない時に試してみたい食材ですね。

おからパウダーでおからを美味しく食べよう

可能な限りシンプルな材料で食べられるおからのおやつのご紹介です。愛犬の体に負担のかからないものをご紹介したいと思います。

メレンゲのおから入りサクッとクッキー

脂質ゼロ、リンもほとんど含まれていない卵白は、卵黄に比べてタンパク質も少なく与えやすい食材です。

  • 卵白:1個分
  • おからパウダー:大さじ1弱
  1. 卵白でメレンゲを作ります。専用の泡立て器がない場合は、ジップロックに卵白を入れてしばらく振ってからボールに移して泡立てたり、100円均一で売っている簡易泡立て器を使うと早くメレンゲができます。角が立ったら完成です。
  2. おからパウダーをメレンゲに全量入れてさらに混ぜます。
  3. クッキングシートを敷いて好きな形に並べ、100℃のオーブンで30分ほど焼けば完成です。

フライパンに専用ホイルを敷いて焼くと10分ほどでできますが、サクッとせずにカレーのナンのような仕上がりになりました。
※写真の向かって右側がフライパン、左側がオーブンで焼いたものです。

お皿に香り付けして食欲をそそる食べさせ方

何も混ぜずにおからだけを食べさせたいということであれば、焼いた肉などをお皿に乗せて香り付けした後で、水に溶いたおからパウダーをそのお皿に入れるだけでも口にしてくれることがあります。ほんの少しだけ肉汁を残してあげるとさらに美味しそうに食べてくれます。

何もない時の応急処置としての「おから」

今回はおからの健康効果についてお話ししましたが、おからが腎臓病や下痢の薬になるわけではありません。おやつ選びに迷った時や突然下痢をしてしまった時などに体に優しい食べ物だと考えていただきたいと思います。
しっかりとした健康管理は獣医さんに頼らざるを得ないのが実状だと思いますが、おからの効果が少しでも役に立つ情報になれば嬉しいです。

◎ライタープロフィール
ドッグライター さのさえこ

さの さえこ/ドッグライター

子供の頃はアレルギーで飼えなかった犬を、大人になって初めて迎えることができました。しかし里子で迎えた初めての愛犬は、外耳炎、歯肉炎、膿皮症、膝蓋骨脱臼を持っていました。
この子をきれいな体にするにはどうしたら良いか。そんな気持ちから得た経験を、「犬の食」を通してお伝えできればと思っています。

  • 更新日:

    2020.08.23

この記事をシェアする