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食べもの

2020.08.09

手づくりごはん|パートナーに優しいレシピ|vol.16

パートナーに優しいレシピ|犬に穀物はダメなの?グレインフリーとは

最近はグレインフリーフードが増えてきています。うちのコも一時涙焼けがひどく、極力穀物を避けた食生活にしたところ改善しました。
しかし、犬にとって穀物の存在は「悪」なのでしょうか。飼い主がおやつや手作り食として穀物を与えることは間違いなのでしょうか。
犬と穀物の関係について考えてみたいと思います。

#パートナーに優しいレシピ

Author :さのさえこ/ドッグライター

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野菜と穀物はどこで分類されるのか

いつも迷うのが、野菜と穀物の違いです。「犬に野菜は良いが穀物はダメ」という記事をよく目にしますが、その明確な違いがわかりません。まずは野菜と穀物の違いから考えてみることにしました。

野菜は食用の草本植物のことを指す

ウィキペディアによると、野菜は食用の草本植物と定義されています。主に葉や根、茎(地下茎を含む)、花・つぼみ・果実を副食として食べるものです。代表的な例では、緑黄色野菜、イモ類、エンドウマメやインゲンマメがあります。
イチゴ、メロン、スイカは果実的野菜とされ、広い意味では山菜も野菜に含まれます。

穀物は澱粉質を主体とする種子が食用となる

一方で穀物は主成分が澱粉質であり、食べるのは種子の部分になります。
代表的なものは、米、麦類、トウモロコシ、マメ科の植物、ソバ、キアヌ、アマランスなどです。
豆類はサヤごと茹でて食べる場合は野菜、種子部分だけを取り出して乾燥させると穀物に分類されます。

穀物の澱粉質はどのような栄養素を指すのか

穀物の主成分となる澱粉質は、植物が光合成によって作り出した炭水化物です。片栗粉(馬鈴薯)やコーンスターチ(トウモロコシ)は、デンプンを精製した製品です。
炭水化物はアミラーゼという消化酵素によって糖質として体内に摂り込まれ、食物繊維は腸内細菌のエサとなって腸内環境の改善に役立ちます。また穀物からはタンパク質も摂取できるため、栄養豊富な食物だと言えるでしょう。

犬にとって穀物は必要な食物なのか

犬はタンパク質と脂質から糖質を作ることが可能で、タンパク質については肉類から摂取できます。食物繊維については、吸収しやすい状態に分解された野菜や穀物がフードの材料として使われています。健康な犬にとって、穀物はいくらでも代わりがきくため必須の食材ではなさそうです。

犬は穀物を消化し栄養素を吸収できるのか

少し古い記事になりますが、2013年3月に発行された「ネイチャー」で、犬がオオカミの28倍のアミラーゼを持つと発表されています。人間との比較ではごくわずかな量とはいえ、犬は穀物も消化できる体に進化しつつあるということが、この論文の中で綴られています。

ドッグフードにおける「穀物」の定義とは

ドッグフードにおける「穀物」は一般の定義とは異なり、小麦、大麦などの麦類や、米、トウモロコシなどを指すようです。そのため、グレインフリーのフードでも豆類は使用されていることがほとんどです。これは「グルテン」にアレルギー反応を起こす犬がいるということが根底にあると考えられます。

穀物を摂ることで健康に影響はあるのか

必要以上に穀物を与えた場合に考えられるのは、肥満、高血糖、消化不良による下痢です。犬は自分で糖質を作り出せるので、過剰となった糖質は脂肪として蓄積されたり、血糖値を上げすぎたりする原因になります。また、消化が苦手な穀物は胃腸に負担をかけやすくなります。

なぜドッグフードに穀物が使用されるのか

安いドッグフードでは、カサ増しのために穀物を入れていることがあります。肉や魚より穀物の方がコストが抑えられるからです。
一方で、高カロリー高脂肪を抑えながら高タンパクを維持するという理由で使用されることもあります。炭水化物不使用のフードでは、カロリーや脂質が跳ね上がります。うちのコも炭水化物不使用フードでは脂質が高すぎて肥満になりかけ、さらにお腹がゆるくなりました。

犬はどのように穀物と関わるべきなのか

ここからは私の個人的な意見になります。犬がわずかでもアミラーゼを持ち穀物から栄養を吸収する能力があるのなら、最大限に利用するのも1つの方法ではないかと思います。

穀物が非常時に犬の栄養源になる?!

穀物アレルギーがなければ、ドッグフードさえ手に入らないような非常時に枝豆や豆腐、納豆などの豆類や、パン、ご飯などの人間の食物を分け与えることにより、犬は多少なりとも糖質、繊維質、タンパク質を補給できます。そしてそれが、犬の命をつなぐ生命線になるかもしれません。

穀物を食べ慣れるためのおやつの与え方

豆腐や納豆、パンなどはそのまま食べられますが、白米や豆類などは十分に加熱処理して柔らかくして与える方が消化に役立ちます。無理に与える必要性はありませんが、非常時のために「食べ慣れる」程度の与え方であれば問題ないのではないでしょうか。

犬の進化に合わせて飼い主もアップデートを

今回、前述の「ネイチャー」の記事を読んで、私は穀物に対する考え方が変わりました。穀物は犬の食生活において一つの食材の選択肢として考えても良いのではないかと思っています。
うちのコのベストな食生活を目指す上で、幅が広がりました。

◎ライタープロフィール
ドッグライター さのさえこ

さの さえこ/ドッグライター

子供の頃はアレルギーで飼えなかった犬を、大人になって初めて迎えることができました。しかし里子で迎えた初めての愛犬は、外耳炎、歯肉炎、膿皮症、膝蓋骨脱臼を持っていました。
この子をきれいな体にするにはどうしたら良いか。そんな気持ちから得た経験を、「犬の食」を通してお伝えできればと思っています。

  • 更新日:

    2020.08.09

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