magazine

食べもの

2020.08.02

手づくりごはん|パートナーに優しいレシピ|vol.15

パートナーに優しいレシピ|犬にキャットフードはどうしてダメなの?

うちのコ(犬)はキャットフードやフェレットフードが大好きです。散歩中にキャットフードを見つけると拾い食いしようとするし、友人からフェレットを預かった時は、フェレットフードを盗み食いしていました。犬も猫もフェレットも肉が主食ですが、なぜ犬はキャットフードを食べてはいけないと言われるのでしょうか?その理由から、犬に最適な食事法を考えてみたいと思います。

#パートナーに優しいレシピ

Author :さのさえこ/ドッグライター

この記事をシェアする

猫もかつては「猫まんま」を食べていたのに

犬と書かれた服を着た犬

犬は雑食動物、猫は完全肉食動物と言われています。しかしかつては猫も、白米にみそ汁や魚を混ぜた「猫まんま」と呼ばれるものを食べていました。人間との生活の中で、猫はなぜ完全肉食動物という扱いのままなのでしょうか?

猫にも野菜は必要な栄養素のひとつである

野良猫は今でも小動物の内臓から植物性の栄養を摂取しているし、家猫でも猫草を食べます。猫が猫草を食べる理由は毛玉を吐くためだけでなく、便秘予防や葉酸の摂取、もしくは嗜好品のひとつとして食べるようですね。それなら犬と同様に猫も野菜を摂取する必要性があるのではないでしょうか?

犬用・猫用に原材料の大きな差は無さそう

うちのコはオリジンとヒルズプロを食べているので、同じタイプのキャットフードの原材料と比較してみましたが、どちらもほとんど含まれている原材料には差がありませんでした。野菜も肉も同じように使われているし、ヒルズプロは、犬用がチキンを1番に使用しているのに対して、猫用は米が1番目の原材料です。どうやら野菜や穀物が多いのが犬用、少ないのが猫用というわけではないようです。

犬と猫には必須栄養素に違いがあった

ネズミになれる服を着た犬

犬と猫のフードの違いには「必須栄養素」に理由が隠されていそうです。必須栄養素とは、体で作ることができないため、食物から摂らなくてはならない栄養素のことを言います。

犬と猫の主な必須栄養素の違いとは

動物看護学のテキストやAAFCO(米国資料検査官協会)によると、たんぱく質・アラキドン酸(脂肪)・鉄・塩分(ナトリウム・塩化物)・ビタミンB群・タウリンの必要量について、猫が犬を大きく上回っています。特にアラキドン酸とタウリンは、犬が体内で産生できる一方で、猫は産生することができません。同じ肉食の起源を持つ動物でも、命を維持するために必要な栄養素は大きく異なるのですね。

犬がキャットフードを食べ続けることの弊害

犬がこちらを見上げている様子

犬と猫の必須栄養素が異なるため、犬はキャットフードから必要な栄養素を摂ることができなくなります。さらに、猫には必須でも犬にとっては過剰となる栄養素もあります。たとえば、猫の方が必要とする塩分量が多いことから、犬がキャットフードを食べ続けると塩分代謝が激しくなり、腎臓に負担がかかってしまう恐れもあります。

カロリーの摂り過ぎにも注意が必要

オリジンとヒルズプロという全く同じ名称のフードを100g当たりで比較すると、猫用は20kcalほど犬用より高カロリーになっていました。袋に記載されている目安量で猫用を犬に与えた場合、カロリーオーバーとなり太りやすくなってしまうことが懸念されます。オリジンとヒルズに限らず、猫用は犬用よりカロリーが高めに設定されています。

なぜ犬はキャットフードを好んで食べるの?

これは一概には言えませんが、猫の方が好みに偏りがあり、うまみ成分をコーティングして嗜好性を上げていることが理由の1つになります。このうまみ成分は動物性由来のものなので、肉が好きな犬にとっても、そそられるのかもしれませんね。キャットフードに慣れるとドックフードを食べなくなる犬もいると聞くので、注意が必要です。

手作り食に見る犬と猫の食物バランス

犬と手作り食用のレシピ

ここで、少し見方を変えて手作り食をする場合の犬と猫の食物バランスを見ていきます。

【犬】肉・魚:葉物野菜・果物:根菜類=5:3:2
【猫】肉・魚:葉物野菜・果物:根菜類=8:1:1

飼い主が調達できる食材と犬猫の消化能力を考慮すると、大きな違いがあることがわかります。

犬の目標は人間の食生活に近づくこと?!

犬と猫は、共に人間にとって身近な存在として生きてきましたが、進化の過程では犬の方がより人間に近い消化能力を身に付けてきているようです。群の中で生きてきた犬は、人間というリーダーを迎え、その食生活も群(人間)のルールに近づこうとしているのかもしれませんね。(あくまで仮説ですが)

野菜は犬に与えても良い食べ物である

進化の恩恵を受けて、犬はアミノ酸レベルに分解しなくても野菜を自ら消化し、栄養として摂り込めるようになってきています。もちろん量は限られますが、犬はすりおろしたり煮たり焼いたりすることでも野菜の栄養を吸収できるようになってきているそうです。

犬と猫の進化の道のりがフードに反映された

ヒョウ柄の服を着た犬

人間と共に生きてきた肉食動物という共通点があるものの、犬と猫は全く違う動物種であり、たどって来た進化の道のりも異なります。犬には犬の、そして猫には猫の人間との関わり方があり、進化があり、体質の違いがあります。それぞれの選んできた道に即したものが、ドッグフードであり、またキャットフードなのですね。

◎ライタープロフィール
ドッグライター さのさえこ

さの さえこ/ドッグライター

子供の頃はアレルギーで飼えなかった犬を、大人になって初めて迎えることができました。しかし里子で迎えた初めての愛犬は、外耳炎、歯肉炎、膿皮症、膝蓋骨脱臼を持っていました。
この子をきれいな体にするにはどうしたら良いか。そんな気持ちから得た経験を、「犬の食」を通してお伝えできればと思っています。

  • 更新日:

    2020.08.02

この記事をシェアする