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犬を迎える

2020.07.13

繁殖リタイア犬が辿る運命とは。里親になるという選択肢について考える

繁殖犬の中には、残念なことに劣悪な環境で頻繁に出産を強いられてきた辛い境遇の子も多くいます。犬を家族に迎えたいと考えた時に、繁殖犬として子犬を産む役目を終えたリタイア犬の里親になるという選択肢を増やすのはどうでしょうか。
ここでは、繁殖犬の実態やリタイア後の運命、里親になる方法について紹介していきます。

Author :関 ゆりな/ドッグライター

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繁殖犬とは?

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繁殖犬とは、ブリーダーの元で子犬を産むために飼育されている母犬や父犬のことを指します。ブリーダーと言えば聞こえがいいですが、実際には子犬をお金儲けのために大量に生ませる悪質な「パピーミル業者」の元で暮らしている繁殖犬も残念ながら沢山存在します。「パピー」は子犬を指し、「ミル」は工場を指すので、パピーミルとはまるで工場で商品を大量生産するように子犬を生ませる子犬生産工場という意味です。

そんなパピーミル業者が犬に対する愛着があるはずもなく、繁殖犬は「子犬を産むための道具」として扱われ、極力お金をかけずに劣悪な環境で過ごしています。狭いケージやプレハブ小屋などで多頭飼いされ、糞尿の始末も行われず、病気や怪我をしても治療されないこともよくあります。

繁殖犬をリタイアした犬の運命

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繁殖犬は、子犬を産めなくなる出産適齢期をすぎると「繁殖引退動物」と呼ばれ、リタイア、つまり引退することになります。母犬として活躍していた犬は、5~6歳程度でリタイアすることがほとんどです。
犬の平均寿命は12~15歳程度と言われていますから、まだまだ若く元気な年齢でリタイアすることになります。繁殖犬をリタイアした犬たちは、その後どのような生活を送るのでしょうか?

里親のもとでセカンドライフを送る

繁殖犬をリタイアした犬たちは、一般の家庭でセカンドライフを送るようにと里親に出されます。
誇りと愛情を持って繁殖を行うブリーダーの元で活躍していた犬であれば、ほとんどはブリーダーが直接里親を募集しますが、劣悪な環境からレスキューされたリタイア犬も少なくありません。

処分されることも

犬をお金儲けの道具として扱い愛着を持たない業者が、繁殖犬のリタイア後の幸せを願うことはあるでしょうか?ほんの数年前までは、そういった業者が飼育していたリタイア犬は保健所に送られて殺処分されることがほとんどでした。

しかし、2019年に法改正が行われ、繁殖業者は犬猫にマイクロチップの装着が義務付けられたことで、現在では面倒を見れなくなった場合は里親を探す必要があります。法改正により、保護され里親に出される繁殖犬は増えています。

そんな中でも残念なことに里親に出す手間を惜しむために、独自で処分したり、狭いプレハブ小屋などに閉じ込められて一生を過ごす子も中にはいるようです。

繁殖犬をリタイアした犬の里親になる方法

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繁殖犬の悲惨な実態を知り、がんばってきた子たちの幸せなセカンドライフを送るお手伝いをしたいと里親になることを検討する方もいるのではないでしょうか。これまでに辛い経験をしてきた保護犬や繁殖リタイア犬などの里親になるには、その子たちがこれ以上不幸な思いをしないよう様々な段階を踏む必要があります。
ここでは、繁殖犬をリタイアし、新たな家族を探している子たちの里親になるための方法と条件について紹介していきます。

里親募集サイトで探す

インターネット上で里親を募集しているサイトで探す場合は、気になる子を見つけたら申し込みや問い合わせを行います。ネット上だと手軽にやりとりが可能ですがメールだけでなく、必ず電話で直接話すようにしましょう。
その後、日程を決めて繁殖リタイア犬と対面し、その子について性格や様子など様々なことをヒアリングします。

個人やブリーダーとの譲渡であれば、対面後すぐに引き渡しかトライアルになる場合がほとんどです。保護団体とやりとりするのであれば、家庭訪問が行われたりと犬が幸せに暮らせる環境にあるかどうかの確認が入ります。
条件をクリアすれば、約2週間程度のトライアル期間をもち、上手くいけば無事里親になることができます。

譲渡会に参加する

譲渡会の開催情報を環境省や保護団体のサイト、掲示板などで確認し譲渡会に参加しましょう。譲渡会で気になる子がいれば、マッチング(相性確認)を行います。
マッチングをクリアすれば、譲渡のための講習を受けて、譲渡申請書と誓約書を提出します。その後は「里親募集サイトで探す」方法と同じくトライアルを行って、失敗しなければ正式に譲渡となります。

里親になるための条件

里親になるための条件は、保護団体などによっても異なりますが、ここでは全国の保健所などで定められている条件を紹介します。

  • 譲渡を希望する保健所がある都道府県に在住している18歳(20歳)以上
  • 譲渡前に講習会を受講していること
  • ペット可の住居に住んでいること
  • 家族全員が飼育に同意していること
  • 経済的、時間的な余裕があること

このほかにも、家族に動物アレルギーがないことや不妊去勢手術を確実に行うこと、全員が家を留守にする時間が少ないなど、細かい条件が設けられている場合があります。
条件が厳しいように思えますが、辛い環境で過ごしてきた子たちが2度と悲しい思いをしないようするために大切な重要事項ですから、誤魔かさずにしっかりと回答しましょう。

ペットショップから子犬を迎えないという選択

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一生懸命子犬を産んで育てては我が子を取り上げられてきた繁殖犬には、ただただ幸せで温かい日常を送って欲しいと願うばかりです。子犬をペットショップから迎えないという選択は、不幸な繁殖犬を減らす一歩でもあります。
これまでの生活環境などによっては、しつけができていなかったり、臆病だったりと大変な面もあるかもしれません。どんな時も愛情をかけその子の生涯に責任を持つ決意をし、繁殖リタイア犬の里親になることを検討してみてはいかがでしょうか。

◎ライタープロフィール
関 ゆりな ドッグライター

関 ゆりな/ドッグライター

ビションフリーゼのココメロ(1歳)とのんびり暮らすフリーランスライター。ココメロの健康のため栄養満点の手作り食を作るべく、栄養学について勉強中。
長年犬を飼ってきた経験を元に、愛犬との生活がより充実できるような、愛犬家の皆様のためになる情報発信を目指します。

  • 更新日:

    2020.07.13

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