
ペットロスケアアドバイザーは、大切な愛犬との別れによる悲しみや苦しみから抜け出せない方のカウンセリングをおこない、苦しい気持ちをやわらげ、前向きな方向へと進むためのアドバイスをする仕事です。
ペットロスケアアドバイザーは、一般社団法人日本ペット技能検定協会が認定する民間資格です。
ヒューマンアカデミーの通信講座で資格を取得することができますが、ペットロスケアアドバイザー単体での講座はないので『ドッグトレーナー講座』『ドッグトレーナープロフェッショナル講座』『ペットビジネスマイスター講座』のいずれかを受講する必要があります。どれも犬に関する知識を総合的に学べる内容になっています。
ただし、このペットロスケアアドバイザーの資格だけでは動物取扱業の登録はできないため、開業する場合には『動物取扱責任者』として認められる資格の取得が別途必要になります。
実技試験はなく、各資格ごとに用意された添削課題に取り組み、その課題で合格点をクリアすれば資格取得の申請ができるという流れになっています。
ペットロスケアアドバイザーにはカウンセリングの要素だけでなく、犬に関する知識も求められるので、広い分野を学習していく必要があります。
決められた日程での試験ではなく、添削課題を自分の学習のペースに合わせて解いていきます。テキストを参考にしながら添削課題に取り組めるので、知識があいまいな時にはもう一度復習するなどして合格点を目指しましょう。
それでは、筆者がペットロスケアアドバイザーの資格をなぜ取得し、その後どんな風に活かされているかをご紹介していきます。
この資格は正直に言うと、ペットロスに苦しんでいる人のためではなく、完全に自分のために取得しました。愛犬のフォンデュは、私の中でとても大きな存在で、このコがいなくなったらと思うだけで目の前が真っ暗になります。別れの時なんて想像すらしたくありません。
でも、イヤだと言っていても別れの時は必ずきます。その時に少しでも心の傷が浅くなるよう知識を蓄えておこうと思い、ペットロスケアについて学ぼうと思いました。
ペットロスケアの知識を得たことで、漠然とした恐怖感がなくなったのは取得してよかったことの1つです。
また、愛犬とのお散歩の途中に声をかけていただくことがよくあるのですが、『数年前に愛犬をなくした』という方が多く、その後は飼っていないという方がほとんどです。うちの愛犬に触れることで少しでも癒されてくれれば嬉しいなと思いますし、時間のある時には愛犬の思い出話などもお聞きして犬との暮らしのすばらしさを思い出していただいています。
私と同じようにいつか来る愛犬との別れに恐怖を感じている方や、身近にペットロスで苦しんでいる方がいらっしゃるような環境の方におすすめしたいなと思います。
ペットロスで苦しんでいる方は、悲しみの行き場をなくし、その悲しみを一人で抱えて苦しんでいます。そばでお話を聞いてあげるだけでも楽になることもあります。
話の聞き上手な方や、親身になって相談に乗ってあげられる方が向いています。ただ、相手の方にあまりにも共感しすぎてしまう方は、自分が疲弊してしまうので、ある程度の距離を置いてお話を聞くというスタンスも大切です。
一度ペットロスを経験してしまうと、その別れの辛さに耐えられず『今後はもうペットを飼わない』という選択をする方も多くいらっしゃいます。さらに、愛犬との絆が深ければ深いほどこの傾向は強く感じられます。でも、それってやっぱり寂しいですよね。もちろん最後は辛いかもしれませんが、その辛さよりも一緒に過ごしてきた幸せの方がはるかに多かったはずです。
ペットロスケアアドバイザーとして、愛犬を失った悲しみにフォーカスするのではなく、一緒に過ごした幸せな時間をもう一度思い出して、そのコの思い出と一緒に前を向いて歩いて行けるようなアドバイスができればいいなと思います。
Qt/家庭犬トレーナー、ドッグシッター、ペットロスケアアドバイザー
動物愛護の中間支援団体での活動を経て、より多くの人と動物の幸せな生活を支えるお手伝いができればと、家庭犬トレーナー1級やペットロスケアアドバイザーなど複数の資格を取得。
シニア期にさしかかった2匹の愛犬とのゆったりとした幸せな日々に感謝しながら、今日も仕事とライティングのWワークに励みます。