
家庭犬トレーナーとは文字通り、家庭で飼育する犬のしつけのプロフェッショナルです。飼い主さんと愛犬がお互いにストレスなくより良い関係で暮らしていけるよう、愛犬にはトレーニングをおこない、飼い主さんにはしつけの方法やしつけに対する考え方をお伝えするお仕事です。
家庭犬トレーナーは、一般社団法人日本ペット技能検定協会が認定する民間資格で、1級と2級があります。
資格を取得するには主に2つの方法から選べます。
ただし、この家庭犬トレーナーの資格だけでは動物取扱業の登録はできないので、開業する場合には『動物取扱責任者』として認められる資格の取得が別途必要になります。
一般社団法人国際家庭犬トレーニング協会をはじめとする認定校で、決められたカリキュラムを受講し、検定試験に合格することで資格を取得することができます。
ヒューマンアカデミーの通信講座を受講し、添削課題で合格点に達することで資格が取得できます。
家庭犬トレーナー2級は『ドッグトレーナー講座』を、家庭犬トレーナー1級は『ドッグトレーナープロフェッショナル講座』を受講する必要があります。
認定校で取得する場合と通信講座で取得する場合で、試験の内容が変わってきます。
認定校での試験は、筆記試験と実技試験の両方に合格しなければなりません。実技試験では、トレーナーのそばにぴったりとついて歩かせる『脚側行進』を基本に、『停座(オスワリ)』『伏臥(フセ)』『招呼(オイデ)』などをきちんとさせられるかをチェックされます。
通信講座では、実技試験はありません。教材と一緒に送付される添削課題をクリアすれば、資格の取得ができます。学校に通う時間の取れない社会人の方などは、こちらの通信講座での取得がおすすめです。
どちらも決まった試験日というものはありません。特に通信講座は、資格取得の目安は6か月間とされていますので、その間に自分のペースで学習を進めて添削課題にのぞみます。
私は短期間で集中して学習をしたので、約2か月ほどで資格取得ができました。
現在、犬に関する資格で国家資格なのは『獣医師』だけです。今後『愛玩動物看護師』が国家資格に認定されることは決まっていますが、その時期はまだはっきりとは決められていません。
そのため、その2つの資格以外はすべて民間資格になります。さらに、ペットに関する資格は数えきれないほど多く、どの資格を取るか決めるだけでも1か月くらいはかかりました。
問題行動が原因で飼育放棄されてしまったり、保健所へ連れて行かれるコを少しでも減らしたいという思いからこの『家庭犬トレーナー』の資格を取ろうと決めました。
もちろん、しつけに関する知識があれば自分の愛犬に対しても役立つので、まずはこの資格から挑戦してみようと思いました。
もともと犬のしつけの本などは何冊も読んでいて多少の知識はあったのですが、その知識がきちんと裏付けされたという点が一番の収穫です。
一昔前は、教えたことができないと罰を与えるようなしつけが横行していましたが、今はほめて伸ばすしつけが主流です。私が受講した通信講座でも、いかにほめてしつけることが大切かが書かれていました。
犬を飼うのが初めてという方にはぜひ飼う前にしつけの方法を学んでほしいなと思います。そのために家庭犬トレーナーとしてできることを現在模索中です!
あくまで私の考えですが、トレーニングが必要なのは犬ではなく飼い主さんだと思っています。問題行動を起こしてしまう犬の飼い主さんは、しつけの方法がわからなかったり、問題だと思っていても放置してしまっていたりする方が多いというのが印象で、ほんの少ししつけのコツを覚えればきっと愛犬もそれに応えてくれるはず。
飼い主さんに対してのアプローチが重要な仕事なので、コミュニケーション能力は必須です。
家庭犬トレーナーはその場では愛犬のしつけをおこないますが、結局その先ずっとしつけを継続していくのは飼い主さんです。その意味でも、いかに飼い主さんにしつけの方法を伝え、それを継続していってもらえるかが重要です。そのためには、伝える力・コミュニケーション能力がとても重要だと思います。
家庭犬トレーナーは、愛犬の問題行動の根本を考え、どうしたらそれを改善できるかを考える仕事でもあります。愛犬の問題は10頭いたら10通り。それぞれのコに合ったトレーニング方法を考えなければいけないので、いろんな角度から考えられる想像力のある方に向いています。
家庭犬トレーナーという仕事は、愛犬との暮らしをより良いものにするためのお手伝いをする仕事です。困ったことが1つでもなくなれば、その分愛犬も飼い主さんも快適に暮らせるようになりますよね。 みんなが笑顔になれるお手伝いができる素敵な仕事だと思うので、資格を取ろうとお考えの方はぜひ挑戦してみてくださいね!
Qt/家庭犬トレーナー、ドッグシッター、ペットロスケアアドバイザー
動物愛護の中間支援団体での活動を経て、より多くの人と動物の幸せな生活を支えるお手伝いができればと、家庭犬トレーナー1級やペットロスケアアドバイザーなど複数の資格を取得。
シニア期にさしかかった2匹の愛犬とのゆったりとした幸せな日々に感謝しながら、今日も仕事とライティングのWワークに励みます。