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健康管理 / 病気

2020.07.21

愛犬のために知っておきたい栄養の話

犬とカリウムのちょうどいい関係。体内で一番多い必須ミネラル

塩分を排出する役割があることで知られているカリウムは、犬が大好きな肉類、かぼちゃ、バナナ、リンゴなどに多く含まれているミネラルです。犬は塩分摂取が少ないため、必要ないと感じられることが多いカリウムですが、犬の生体維持に重要な働きをしているミネラルなのです。
今回は、そんなカリウムの役割や、過剰、欠乏によるリスク、摂取する際の注意点などについて解説します。

Author :西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

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犬にとってカリウムはどんな役割を果たす?

犬 カリウム

カリウムは、細胞内に最も多く存在するミネラルで、細胞が正常に機能するために必要な栄養素です。また、ナトリウムとともに働くことから、カリウムとナトリウムはバランスよく摂取することが大切。ナトリウムは細胞外液に、カリウムは細胞内液に多く含まれるため、どちらかが欠けるとバランスが崩れ細胞が正常に機能しなくなるため注意が必要なミネラルと言えます。

カリウムは生命維持活動に欠かせないミネラル

カリウムはナトリウムとセットで働くミネラルです。犬の細胞の一つ一つの中にカリウムとナトリウムが一定の割合で存在し、体液のphを調節したり、筋肉の収縮の働きを正常に保つ働きをしています。また、カリウムはカルシウムやタンパク質を血液に溶けやすくし、細胞内の余分なナトリウムを排出する役割も働きの一つです。さらに、ナトリウムを排出させることで、血圧を下げ、心臓の働きを正常にする作用もあります。

カリウムが多く含まれる食材

カリウムは、筋肉細胞の中に多くあると言われる栄養素です。カリウムとナトリウムのバランスが崩れ、カリウムの過不足が起きると、足のしびれ、元気消失、食欲不振などの症状が出ます。カリウムは、小松菜、カボチャ、大根、レンコンなどの野菜類、豆類、芋類、海藻そしてバナナ、桃、メロン、リンゴなど多くの食材に含まれている栄養素ですが、水に溶けやすい性質のため、煮る、茹でるなどの加熱調理によって失われてしまいます。カリウムを効率よく摂取するためには、煮汁ごと使用する、または生野菜、果物を摂取することがおすすめです。

犬がカリウムを摂りすぎたら腎臓に負担をかける?

犬 カリウム

小腸で吸収されたカリウムは、全身の組織に運ばれて、最終的に腎臓から排出されます。カリウムは腎臓に負担をかけるというイメージがありますが、カリウムが腎臓に悪影響を及ぼしているのではなく、腎臓の機能が低下していることによって、カリウムが十分に排泄されずに体内に蓄積され血中のカリウム濃度が上がってしまうのです。

過剰摂取で発症する病気

腎臓の機能が低下し、カリウムが上手に排出されないと過剰摂取となる場合があります。過剰摂取では、血液中のカリウム濃度が高くり高カリウム血症を発症します。高カリウム血症では、元気がなくなる、立てなくなるなどの症状が現れます。さらにカリウム値が上昇すると意識消失、不整脈が起きるなどの重篤な症状を発症し、最悪の場合は死に至ることもあります。健康な犬は、過剰に摂取したカリウムを排出できますが、腎臓機能が低下している犬は摂取に注意が必要です。

欠如すると発症する病気

多くの食材に含まれているカリウムは、、欠乏することはあまりありませんが、何らかの原因でカリウムの摂取量が少ないと低カリウム血症を発症します。カリウムが減少する原因として、長期間の下痢や嘔吐によりカリウムが失われる場合や、食欲が低下し十分に食事が取れていない場合またカリウム制限のドッグフードもカリウムの摂取量が減ってしまうため注意が必要です。低カリウム血症を発症すると運動能力の低下、無気力、食欲不振、多尿、高血圧などを引き起こします。

必要な摂取量とは

米国飼料検査官協会(AAFCO)では、成犬の健康維持に必要な最小栄養欲求量を0.6%としています。総合栄養食であるドッグフードには、十分な量のカリウムが配合されていますが、生食ではない手作り食の場合は、食材を茹でたり煮たりすることで、カリウムが水に溶け出している可能性があるため注意が必要です。

摂取する際の注意点

基本的にカリウムは、健康な犬が多く摂取したとしても過剰になりにくいミネラルです。ただし、塩分の多い食事やおやつなどを与えているとナトリウムとカリウムのバランスが崩れてしまい、血液中のカリウム濃度が上がってしまうため注意が必要です。

愛犬に手作り食をしている人はカリウムの欠乏に注意!

犬 カリウム

カリウムは、犬の生体維持に必要不可欠なミネラルです。犬の場合は、人間と違い塩分の高い食品を摂取することはないため、意識的に与える機会が少ないカリウムですが、腎臓病や糖尿病などの基礎疾患がある場合は、カリウム欠乏に注意しましょう。人間の場合、イライラしているとカリウム不足を疑われますが、犬の場合も落ち着きがなくなることがあります。
ミネラルは微量でも、犬にとって必要な栄養素です。なるべく過不足ないように意識して与えてあげることが大切です。

◎ライタープロフィール
西村 百合子

西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士、犬の東洋医学生活管理士2級

ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。
現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。

  • 更新日:

    2020.07.21

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