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健康管理 / 病気

2020.07.31

【獣医師監修】犬の尿路結石症ってどんな病気?原因・症状・治療法・予防法まとめ

尿路結石症は、猫に多いと思われがちですが、犬も発症率が比較的高く、命にかかわることもある恐ろしい病気です。愛犬が頻繁にトイレに行ったり、トイレでいきむような様子が見られる場合は、尿路結石症が疑われます。この記事では、犬の尿路結石症の原因や症状から、治療法や予防法までまとめて解説していきます。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:新井 絵美子)

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犬の尿路結石症ってどんな病気?

犬 尿路結石

まず、尿が作られて体外に排出されるまでには、腎臓→尿管→膀胱→尿道の尿路を通ります。尿路結石症とは、この尿路のどこかに結石ができ、尿路を塞いでしまうことでさまざまな症状を引き起こす病気です。

結石の種類はストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)結石、シュウ酸カルシウム結石、尿酸塩結石、シスチン結石、シリカ結石など、いろいろがあります。その中でも犬の場合、ストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石が多く見られます。

初期症状

尿路結石症になると尿が出にくい、もしくは出ない、トイレに何度も行き排尿の姿勢を取ったりして落ち着きがない、排尿時に痛がる、血尿などの症状が見られます。

症状が悪化して全く尿が出なくなってしまうと、尿毒症や腎機能障害などを引き起こしたりし、生命にかかわることもあるので、早期に治療をすることが非常に大切です。

他の犬や人にうつる?

尿路結石症は、他の犬や人にうつる病気ではありません。

犬の尿路結石症の原因とは?

犬 尿路結石

愛犬の尿路結石症を予防するには、まずどのようなことが原因で発症するのかを知っておくことが大切です。ここでは、犬の尿路結石症の原因について解説します。

原因|1.愛犬にとっての食事が適切でない

結石は、リンやマグネシウム、カルシウムなどのミネラルから作られます。そのため、愛犬にとっての食事が適切でなく、ミネラルを過剰に摂取していると結石ができやすくなります。

原因|2.水分の摂取量が少ない

水分の含有量が少ないドライフードばかりを食べていたり、水を飲む量が少なかったりすると尿が濃くなり、結石ができやすくなります。

原因|3.尿のpHがアルカリ性、もしくは酸性に傾いている

通常、犬の尿はpH6~6.5の中性からやや酸性よりが理想的です。しかし、食事やその犬の体質などによって、尿がアルカリ性に傾くとストルバイト結石が、酸性に傾くとシュウ酸カルシウム結石が形成されやすくなります。

原因|4.尿路の細菌感染

尿路が細菌感染をすると尿がアルカリ性に傾いてしまうので、ストルバイト結石ができやすくなります。

かかりやすい犬種や年齢

尿路結石症は、年齢を問わずかかるリスクがあります。好発犬種は、ヨークシャーテリアやミニチュアシュナウザー、シーズー、ミニチュアダックスフンドなどが挙げられます。

犬の尿路結石症の治療法とは?

犬 尿路結石

蓄積されている結石の種類によって治療法は異なります。ストルバイト結石による尿路結石症の場合、尿を酸性に傾けることで結石が溶けるので、ミネラル成分が調整された療法食を用いて尿を酸性化していきます。食事療法により回復を目指している間は、おやつを与えるのはNGです。細菌感染による場合は、抗生物質の投与をします。

シュウ酸カルシウム結石の場合は、食事療法により結石が溶解しないため、結石が大きくなってしまった場合は、手術をして取り除きます。結石が小さい場合は、十分に水分を摂らせて尿量を増やすことで、尿から排出させることができます。

治療にかかる費用

尿路結石症における1回の通院費の目安は、3,500円程度です。(※1)症状によって通院回数が変わってくるので、それに伴いかかる費用も違ってきます。

手術をした場合の治療費は、診察料や検査料、手術料、入院料など含めて17万円程度が目安と言われています。

犬の尿路結石症の予防法とは?

犬 尿路結石

もし尿路結石症が疑われる場合には、獣医師に相談のうえ、尿路結石が形成されにくいフードを選ぶようにしましょう。また、過剰にシュウ酸を摂取するのも、結石の形成につながります。ほうれん草やブロッコリー、バナナなどのシュウ酸を多く含む食材を頻繁に与えるのは控えるようにしましょう。また、獣医師に「尿石症」と診断されて、ネットなどで結石用療法食を購入し愛犬に与えることは危険です。結石が酸性かアルカリ性かによっては症状を重くしてしまう可能性もあるので避けましょう。

加えて、十分に水分を摂らせることも大切です。いつでも水が飲めるように、愛犬が過ごす場所には、いくつかウォーターボウルを置いておくようにしましょう。また、ウェットフードを与えたり、ドライフードをふやかしたりなど、水分の摂取を促してあげることもする必要があります。

再発する可能性

療法食から今まで与えていたフードに戻した結果、再発してしまったというケースも多くあります。先述のように予防をして、再発を防きましょう。

愛犬の尿路結石症との向き合い方

犬 尿路結石

愛犬が尿路結石症を発症し排尿がうまくできなくなると、腎臓機能障害などの深刻な病気にまで発展することもあります。排尿の様子がおかしいと感じたら、早めに獣医師の診察を受けるようにしましょう。 ストルバイト結石による尿路結石症の場合は、療法食により尿が酸性化して結石が溶けていくので、獣医師の指示に従って与えてください。シュウ酸カルシウム結石の場合は、尿量が増えれば尿によって結石が体外に排出されるので、水分をたくさん摂取させるように促しましょう。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤 みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

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