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健康管理 / 病気

2020.07.27

【獣医師監修】犬にも更年期障害がある?症状・原因・予防法を解説

犬も高齢になるにつれて、人間で言う「更年期障害」らしき症状を発症する場合があります。今までと違って見える愛犬の行動に、どうすればいいのか分からなくて戸惑う飼い主さんも多いのではないでしょうか?
犬の中年期に現れやすい症状や予防法、対処法を解説していきます。

Author :ルエス 杏鈴/犬訓練士、ドッグライター、ドッグフォトグラファー(監修:加藤 みゆき/獣医師)

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犬の「更年期障害」どんな症状?

犬 更年期障害

犬も中年期(6~8歳ごろ)になると、人間で言う更年期障害のようにイライラしたり気分が落ち込んだりしてしまうなどの症状を発症します。また、夜は不眠が続き、真夜中までソワソワしてしまう犬もいます。このような精神的な症状だけではなく、便秘や下痢、体のこり、微熱などと身体的症状も発症する場合もあります。
人の場合、更年期障害の症状を引き起こすのは閉経によるホルモンバランスの変化とされていますが、犬の場合は閉経することはなく発情周期は更年期障害後も続きます。実際には、人間のようにホルモンバランスの影響がどの程度なのかははっきりしておらず、更年期障害のような症状は去勢/避妊の有無や性別に関係なく発生するとされています。ただ、中年期になるメスの犬に特によく見られると言われています。

犬の更年期障害の初期症状

犬の更年期障害の初期症状のひとつとして、メス犬の発情周期が長くなるということが挙げられます。発情周期の変化はその他の健康問題も潜んでいる場合があるので、しっかりと観察し、見逃さないようにしましょう。

犬の更年期障害は他の犬や人にうつる?

犬の更年期障害が他の犬や人にうつることはありません。そのため、感染しないように犬同士を隔離する必要はありません。しかし、更年期障害の犬はイライラして他の犬に攻撃的になってしまう場合があるので、喧嘩が起こりやすくなります。更年期障害の犬と他の犬を同じ環境で飼育する場合は、犬の行動や表情をよく観察するようにしましょう。また、犬がイライラしているようであれば、他の犬から引き離し、しばらくはそっとしておくようにしましょう。

犬の更年期障害|その症状の原因とは?

犬 更年期障害

実は犬の場合、原因は現在でもはっきりしていません。症状を見せる犬の傾向として、以下のような原因が考えられるとされています。

ホルモンバランスの変化

犬の「更年期障害」とホルモンバランスの直接的な関係は、現在のところ実証されてはいません。しかし、中年期を迎える犬はホルモンバランスに変化が生じることがあり、また人間の場合はホルモンバランスによる様々な不調が引き起こされるという事実から、犬の場合もホルモンの分泌の変化によって不調が引き起る可能性が高いと言えます。

更年期障害になりやすい犬種や年齢

更年期障害は中年期を迎えたメスの犬がなりやすいとされています。人間の場合は40歳以降に更年期を迎えますが、犬は6~8歳ごろが当該の時期です。
更年期障害は、オスとメスの両方の性別に発症しますが、オスよりはメスの方が発症が多い傾向があります。

犬の更年期障害|治療法と対処法

犬 更年期障害

人は更年期障害を発症するとホルモンのバランスを整える薬を飲みながら治療するケースがほとんどですが、犬の場合はホルモンの働きが原因とは実証されていないため、ホルモン薬で治療することはありません。

現在のところ、犬の更年期障害の治療法は確立されておらず、体調の変化の様子を見ながら心地よい環境を整えるのが主な対処法になります。しかし、最近では去勢手術や避妊手術をすることでホルモンの分泌を止めて症状が緩和されることが確認されているので、去勢手術や避妊手術を選ぶ飼い主が増えています。

犬の更年期障害の治療にかかる費用

犬の更年期障害の治療というよりも、避妊/去勢手術に必要な費用です。去勢手術の場合は2~6万円、避妊手術の場合は3~8万円程度の費用が必要になります。

犬の更年期障害の予防はできる?

犬 更年期障害

残念ながら予防法は見つかっていません。しかし、事前に去勢手術や避妊手術をすることでホルモンの分泌を止めるので、更年期障害の症状を防げるのではないかと考えられています。

また、犬が中年期を迎えたときのために体の調子を普段からよく観察し、小さな変化にも気づけるようにしましょう。更年期障害だと思っていたことがさらに深刻な病気の症状だということもあるので、不調を発見した場合は必ず動物病院で受診するようにしてくださいね。

犬の更年期障害との向き合い方

犬 更年期障害

愛犬が更年期障害を発症したら、なるべく心地よい環境づくり心がけるようにしましょう。ストレスになるようなものは生活から排除し、適度な運動でしっかりとストレス発散をすることが大切です。また、あまりにも症状が酷い場合は、獣医師に相談することがおすすめです。

◎ライタープロフィール
ルエス杏鈴 犬訓練士

ルエス 杏鈴/犬訓練士、ドッグライター、ドッグフォトグラファー

大好きなジャーマンシェパードとドタバタな日々。いろいろなことに愛犬と挑戦するのが大好きで、ディスクドッグ、アジリティ、警察犬の訓練など様々なトレーニングに携わった経験がある。
愛犬を迎えたことを機に犬の美しさや犬との生活の魅力を伝えるべく、ドッグフォトグラファーとしての活動開始。また、ドッグトレーニングや犬との生活を活かし、2019年4月頃より愛犬家のために記事の執筆を開始。
写真や記事の執筆を通して犬が犬として幸せに過ごせる世界づくりに携わるのが目標。

  • 更新日:

    2020.07.27

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