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健康管理 / 病気

2020.07.30

【獣医師監修】犬にできものができる原因とは?考えられる病気や対処法まとめ

愛犬にできものがあるのを発見したとき、しばらく様子を見ても大丈夫なのか、すぐに対処すべきことなのか心配になりますよね。愛犬の健康を守ってあげるために、犬にできものができる原因や、できものが発生したときに考えられる病気、取るべき対処法について理解を深めておきましょう。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:新井 絵美子)

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犬にできものができた場合に考えられる原因とは?

犬 できもの

そもそも、なぜ犬にできものができるのか、その原因としては以下が考えられます。

炎症

免疫力が低下していると細菌感染を起こしやすくなり、細菌感染から炎症が起きてできものができることがあります。 加齢により免疫力が低下してくる老犬や、風邪やストレスなどで免疫力が落ちている状態の犬などに、できやすい傾向にあります。

腫瘍

何らかの要因で細胞が腫瘍細胞となり異常増殖して、腫瘍となることもあります。腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍があり、良性腫瘍は周囲の組織に入り込まないので、命にかかわることは稀です。

一方、悪性腫瘍は、周囲の組織に侵入して広がっていきます。比較的増殖スピードが速く、命を脅かす恐れもあります。

犬にできものがあるとき、こんな症状を併発していたら要注意

犬 できもの

愛犬の体のできものが徐々に大きくなったり、以前よりも硬くなっていたりする場合は、悪性腫瘍の疑いがあるので要注意です。

また、できものの色もよく観察する必要があります。できものが薄いピンク色や黄色、白色の場合は良性腫瘍であることが多いですが、赤黒い色や紫色、黒色の場合は悪性腫瘍の可能性が高いです。ただし、色だけでは正確に判断できないので、愛犬にできものがあるのを見つけたら、早めに動物病院を受診しましょう。

犬にできものがあるときに考えられる病気とは?

犬 できもの

犬にできものがあるときは、以下のような病気の可能性があります。

1.乳頭腫

犬のできものの中で比較的よく見られるのが乳頭腫です。主に頭部やまぶた、口の中、四肢に見られます。乳頭腫は良性の腫瘍で、発生にパピローマウイルスが関与した乳頭腫は数ヶ月経つと自然に消失していきます。ただし、口腔内に発生した乳頭腫は、稀に扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)に移行することがあります。

2.黒色腫(メラノーマ)

黒色腫(メラノーマ)は、色素をつくるメラノサイトと呼ばれる細胞が腫瘍化したものです。良性の場合と悪性の場合のどちらもあり、皮膚や口腔内、眼球、まぶた、指先などにできます。

進行が早いことから、黒色腫だと判明した段階ですでに転移している可能性もあります。なお、口腔内にできる悪性腫瘍の中では、黒色腫が最も発症率が高いと報告されています。

3.乳腺腫瘍

乳腺腫瘍はその名の通り乳腺にできる腫瘍で、避妊手術をしていない中高齢のメス犬に多く見られます。良性・悪性の割合は、それぞれ50%と言われています。さらに、悪性の場合の約半分が転移する可能性があり、リンパ節や肺へ転移することが多い傾向にあります。

愛犬にできものが見られたら取るべき対処法は?

犬 できもの

愛犬にできものがあるのを発見したら、自己判断をせず早めに獣医師に診てもらうようにしましょう。できものの見た目や硬さ、位置だけで良性か悪性かを正確に判断することはできないので、「きっと大したことないだろう」と思って放っておくと、症状が進行してしまう恐れがあります。

また、犬自身ができものを気にして引っ掻いたり舐めたりすると、傷口から細菌感染を起こす可能性があることから、必要に応じてエリザベスカラーを装着するなどしたほうがよいでしょう。

愛犬にできものがあるのを発見したら早期治療を!

犬 できもの

犬のできものは、命にかかわらないものもありますが、感染性のものや悪性腫瘍の場合もあります。早期に治療をすれば、病変部を取り除く範囲を最小限に抑えられ、進行を防ぐことができます。できものの状態がどうであれ、愛犬の体にできているのを発見したら、早めに動物病院へ連れて行きましょう。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤 みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

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