伝染力が強い犬パルボウイルス感染症に感染してしまうと、どのような症状があるのか見ていきましょう。
通常、パルボウイルスに感染すると7~14日ほどの潜伏期間があり、その後症状があらわれます。症状は心筋型と腸炎型の2つにわけられます。
心筋型は、嘔吐や呼吸困難などの症状が突然あらわれ、急死してしまうことが多く、生後2か月未満の子犬にみられる症状です。
腸炎型は、嘔吐、下痢の症状が頻繁にあらわれ、食欲不振や脱水、悪化すると血便などの症状を引き起こします。徐々に衰弱し、命を落としてしまうこともあります。
犬パルボウイルスは人には感染しませんが、他の犬には感染します。万が一感染してしまい幸いにも症状が改善しても、その後数か月にわたり、ウイルスは生き続けることができます。そのため、散歩中の排泄物や唾液などで他の犬にうつしてしまう可能性があるので注意が必要です。
犬パルボウイルス感染症の原因には、直接的な原因と間接的な原因があります。
直接的な原因としては、感染した(感染していた犬)との接触により感染します。感染していて症状があらわれていない潜伏期間に接触してしまうことが原因です。また、犬パルボウイルス感染症から回復した犬は治療後でも生きたウイルスを持っているため、感染してしまうことがあります。
直接犬との接触がなくても、パルボウイルスがついている排泄物や唾液に間接的に接触することでも感染してしまう場合があります。パルボウイルスは土や道路などの地面でも生きられるほど感染力の強いウイルスです。特に子犬の散歩のときには注意が必要です。
パルボウイルスは、どの犬種でもどの年齢でもかかる可能性があります。中でも、生後半年未満の子犬は、免疫機能が完全ではないため感染しやすくなります。
犬パルボウイルス感染症に感染してしまったらどのような治療をして、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
パルボウイルスに直接効く薬や治療はありません。下痢や嘔吐、脱水など症状に合わせて抗生物質や下痢止め、吐き気止めなどを使用し対処療法を行います。症状があらわれたら、できるだけ早めに治療を開始することが大切です。
犬パルボウイルス感染症の治療は、入院日数や治療法によっても違いますが、数万円~十数万と高額の治療費がかかるようです。その内容は、入院費や検査費、点滴や投薬、食事代などがあります。
犬パルボウイルス感染症を予防するために必要なことをみていきましょう。
犬パルボウイルス感染症は、混合ワクチンを接種により予防することができます。 混合ワクチンには、5種混合ワクチンや9種混合ワクチンなどがあり、犬パルボウイルス感染症以外の感染症も予防することができます。予防できる感染症の種類は、動物用で扱っているワクチンによって違いますので、接種する前に確認してみるといいでしょう。
混合ワクチンで予防できる感染症
しっかりと治療し、ワクチン接種で免疫をつけておくことが大切です。混合ワクチンは、子犬の時期に2~3回、その後は1年に1回の追加接種を行うことが理想です。感染させないためにも毎年、忘れずに接種させてあげましょう。
犬パルボウイルス感染症についてご紹介しました。致死率の高い感染症ですが、ワクチンで予防できる感染症でもあります。特に免疫機能が完全ではない子犬には、感染させたくないですよね。そのためには、犬パルボウイルス感染症の正しい知識をもち、体調に変化がみられたらできるだけ早めに動物病院を受診することをおすすめします。