magazine

健康管理 / 病気

2020.07.14

【獣医師監修】犬の脳腫瘍ってどんな病気?原因・治療法・予防する方法とは

人と同じ様に、犬にも脳腫瘍という病気があります。脳は身体と心の様々な機能を司る役割があるため、犬も脳に腫瘍ができてしまうと様々な症状を示します。果たして予防ができる病気なのでしょうか?ここでは、犬の脳腫瘍の原因や治療法・予防について触れていきます。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:江野 友紀/認定動物看護士)

この記事をシェアする

犬の脳腫瘍ってどんな病気?

犬 脳腫瘍

犬の脳腫瘍とは頭蓋内に発生する腫瘍の総称であり、腫瘍が悪性か良性かに関わらず様々な症状が現われます。また、脳のどこに発生するかによって症状が異なります。

症状

早期の発見で症状が現れないこともあれば、痙攣発作や食欲不振、姿勢や歩行の異常が見られたり、目が痙攣するように揺れる眼振、視力低下、斜視など目に変化が現れることがあります。また、穏やかな性格の子が怒りっぽくなったり、臆病になるなど精神的な変化が起こることもあります。

他の犬や人にうつる?

脳腫瘍は感染症ではないので、他の犬や人にうつる心配はありません。

犬の脳腫瘍の原因とは?

犬 脳腫瘍

犬の脳腫瘍は「脳原発性腫瘍」と「転移性(続発性)腫瘍」に大別されますが、脳原発性腫瘍が起こる原因については解明されていません。

脳原発性腫瘍

脳や脊髄自体が腫瘍化することもありますが、犬や猫に特に多く見られるのは、脳や脊髄を保護する髄膜という膜が腫瘍化する、髄膜腫と呼ばれる腫瘍です。髄膜腫は脳を圧迫し、痙攣などの様々な症状を引き起こします。

転移性腫瘍

腫瘍は身体の様々な部位にできますが、脳に隣接する組織や脳以外に発生した腫瘍から脳に転移する事があります。犬で最もよく見られるのは血管肉腫という悪性腫瘍であるとの報告があります。

かかりやすい犬種や年齢

犬の脳腫瘍は犬種、性差、年齢を問わず発生しますが、特に高齢犬に多く見られる傾向があります。ゴールデンレトリバーやフレンチブルドッグ、ボストンテリアなどは脳腫瘍の好発犬種と言われています。

犬の脳腫瘍の治療法とは?

犬 脳腫瘍

犬の脳腫瘍の治療方法は、外科手術や放射線治療などの積極的な治療を行う場合と、生活の質を保つために自宅でケアする保存療法があります。犬の年齢や体力などにより、どのような治療方法が適しているか、獣医師やご家族とも良く話し合う必要があります。

治療にかかる費用

脳腫瘍は血液検査などの一般的な健康診断では見つかりません。症状などから脳腫瘍を疑い、確定診断するにはMRI検査やCT検査、脳脊髄液検査などを受ける必要がありますが、これらの検査を受けるには医療設備の整った専門性の高い病院を受診する必要があり、検査だけでも費用は高額になりがちです。

費用の目安

動物病院によって差がありますが、目安として診察料に1,000~2,000円、MRI検査に5万円、検査のための全身麻酔に1万5千円くらいかかります。また、積極的に治療する場合には抗がん剤が一回につき2~3万円、放射線治療には一回につき1~5万円くらいかかると考えられます。

犬の脳腫瘍の予防はできる?

犬 脳腫瘍

脳腫瘍という病気はハッキリとした原因が解明されていない上、生活習慣などは関係ないとされているため、残念ながら予防策を講じることは困難です。できるだけ早期に発見し、治療を開始することが重要になります。

再発する可能性

脳腫瘍には良性と悪性がありますが、悪性腫瘍の場合には転移する可能性が高くなります。手術をした後も、抗がん剤や放射線治療など再発を防ぐための治療が行われます。

犬の脳腫瘍との向き合い方

犬 脳腫瘍

脳腫瘍と聞くと「命に関わる怖い病気」「治らない病気」というイメージから悲観的になってしまう飼い主さんが多い傾向があります。確かに治療が難しい病気ではありますが、薬の服用などによりQOL(生活の質)を維持し元気や食欲を回復させるなど、飼い主さんにできることもたくさんあります。どのようにすれば愛犬にとって良い選択肢になるのかを家族や獣医師とよく話し合い、納得した上で治療を受けることが大切だと心に留めておくといいでしょう。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤 みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

この記事をシェアする