
プルーンには食物繊維やカロテンが多く含まれており、人間では美容や健康にいいとされる果物ですが、犬にとっては危険な食べ物です。ここでは、プルーンを与えてはいけない理由と危険性について紹介します。
プルーンの未成熟な果肉と種には「アミグダリン」という成分が含まれています。アミグダリンそのものが毒であるわけではありませんが、体内で酵素によって分解されるとシアン化水素 (青酸)を発生させます。シアン化水素には強い毒性があるため、犬が中毒症状になると言われています。
水分を抜いて乾燥させたドライプルーンは、栄養成分がギュッと濃縮されるため、毒性も強まり特に危険です。さらに「ドライフルーツは砂糖の塊」と言われるほど、生で食べるよりも糖分も高まりますプルーンのジュースやジャムなどの加工品ももちろん、生でも乾燥させたものでも与えないようにしましょう。
プルーンの実には、ミネラルのひとつである「カリウム」が豊富に含まれています。カリウムは、細胞が正常に働くために必要不可欠な成分で、犬にとっても重要な成分です。
しかし、カリウムを過剰摂取すると血液中のカリウム濃度が非常に高くなる「高カリウム血症」が起こる危険性もあります。通常なら尿からカリウムを排出するため問題ないものの、腎不全などの腎疾患を患っていると適切に体外に排出できなくなるため、高カリウム血症を引き起こす可能性が高まります。
犬にとってはNGな食材であるプルーンですが、万が一愛犬が食べてしまった場合にはどのように対処すればよいのでしょうか?万が一に備えて頭に入れておきましょう。
まずは、口の中にプルーンが残っていなか確認し、残っていれば取り出してあげてください。完全に飲み込んでしまった場合、素人判断で無理に吐かせようとするのは危険なのでやめましょう。
愛犬がプルーンを食べてしまったことがわかったら、すぐに獣医師に相談して指示を仰ぎましょう。「いつ頃」「どのくらいの量を」食べたのかもなるべく正確に説明しましょう。
どの程度プルーンを摂取すると犬に危険なのかは、明確には言えません。犬によって個体差もありますし、それぞれ健康状態も異なります。たとえ同じ体重の犬であっても、毒に対する体の反応には差があるためプルーンは少量であっても与えないに越したことはありません。誤って犬が食べてしまった場合、素人判断で様子を見てしまうのは危険です。必ず獣医師に相談してください。
ここでは、犬がプルーンを食べたことで起こりうる症状について紹介します。
プルーンに含まれるアミグダリンという成分によって、下痢や腹痛を引き起こす可能性があります。特にシニア犬や幼犬、アレルギー体質の犬などは、少量でもお腹を壊してしまうこともあるため注意が必要です。
アミグダリンの中毒によって、呼吸困難や痙攣、ショック症状を起こす可能性もあります。最悪の場合は死に至るケースも報告されています。
カリウムの過剰摂取による高カリウム血症になると、軽症の場合はほとんど症状はありませんが、筋力低下が見られることがあります。重症化すると不整脈が起こり、心停止してしまうこともあるのです。
犬はプレーンを食べると中毒を起こす可能性があるため、少量であっても与えないようにしましょう。食べ終わった後に出る種も危険ですが、人間が食べたあとのゴミの処分にも気を付けて、愛犬の届かない範囲に置くなど誤飲させない環境を心がけましょう。
望月 紗貴/犬の管理栄養士、ペット看護士、ペット介護士、ペットセラピスト、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー
3頭の愛犬たちと1頭の保護犬、3匹の愛猫たちと山奥で暮らす真の動物好きライター兼ペット記事監修者。
犬に関しての正しい知識共有を目的とし、ネットメディアでの情報提供活動を行っております。
休日は愛犬バーニーズマウンテンドッグ、ゴールデンレトリバー、ボーダーコリーとの時間を大切に過ごしています。