
犬の食物アレルギーの中でも穀物によるものは比較的少ないほうですが、小麦やトウモロコシ、米、大麦などにアレルギー反応を示す犬もいます。動物病院でアレルギー検査をして穀物アレルギーが疑われる場合は、グレインフリーのフードを選ぶとよいでしょう。
「オソピュアグレインフリー サーモン&ガルバンソー」はサーモンが主原料のフードで、穀物や肉類などアレルゲンになりやすい食材が含まれていないのが特徴です。また、良質なタンパク源となり、ビタミンB1やカルシウム、カリウム、食物繊維などの栄養素を豊富に含むガルバンゾー(ひよこ豆)も配合されています。
森乳サンワールドさんのこちらのフードも、サーモンやホワイトフィッシュなどの魚を主原料としたグレインフリーの低アレルゲンフードで、アミノ酸がバランスよく配合され、消化吸収性に優れているのが特徴です。また、合成保存料や合成着色料が不使用なので、安心・安全なグレインフリーフードを探している方におすすめです。
「ソルビダ グレインフリーチキン」は、放し飼いで飼育されたオーガニックチキンを主原料とし、厳選のオーガニック野菜やフルーツがバランスよく配合されたフードです。穀物の代わりに栄養価の高い豆類を使用し、消化・吸収しやすいように配慮されています。
「ジウィピーク エアドライ ドッグフードラム」は、ニュージーランドの草原で牧草を食べて育った、高品質のラム肉とラムの内臓がバランスよく配合されたグレインフリーフードです。良質なタンパク質をはじめとし、ビタミンEや葉酸などのビタミン類、ミネラル類が豊富に含まれており、効率よく必要な栄養が摂取できます。
食物アレルギーは、食材に含まれているタンパク質が主な原因となって反応が起きます。本来、犬にとってタンパク質は必要不可欠で有害なものではありませんが、体がある特定のタンパク質に対して過剰な免疫反応を示すことで、アレルギー症状が引き起こされます。
大抵のドッグフードは主原料に肉類を使っていますが、肉類の中でも牛肉や鶏肉はアレルゲンになりやすい食材と言われています。何のタンパク質がアレルゲンになっているのか分からない場合は、まずはラム肉や鹿肉、もしくは魚が主原料のフードを与えてみることをおすすめします。その他、アレルゲンとなっているタンパク質を見極めるためには、特定の肉(または魚)のみ使用した「単一タンパク」のドッグフードを選ぶことも大切です。
ルルカムイのドライフードは、ドッグフードの中では珍しくホッケが主原料のフードです。北海道産の新鮮なホッケのほかに、同じく北海道産の厳選野菜も使用し、低温乾燥により栄養素を損ねることなく作られています。また、保存料などの添加物が含まれていないものポイントです。
「アカナ グラスフェッドラム」は、牧草を食べて育ったヒューマングレードのラム肉が主原料の高品質フードです。栄養面だけでなく嗜好性を高めるためにフリーズドライレバーも含まれているので、選り好みをする犬にもおすすめです。なお、こちらも菽穀類(豆類)以外の穀物は含まれていません。
こちらの「ニュートロ ナチュラルチョイス」は、アレルゲンになりにくいとされる、低脂肪・良質なタンパク質の鹿肉を使用した超小型犬~小型犬用のフードです。皮膚や被毛の健康維持に役立つ亜鉛や、リノール酸を豊富に含んだひまわり油、ニュートロ独自の抗酸化成分なども配合されています。また、食物アレルギーに配慮し、消化性が高いのも特徴です。
食物アレルギーのために栄養バランスが調整された療法食もおすすめです。ただし、療法食はアレルギー検査をした上で獣医師のアドバイスや指示のもと与えるフードなので、かかりつけの獣医師に相談してから食べさせるようにしましょう。
世界的に有名な大手ペットフードメーカー「ヒルズ」の、食物アレルギー用療法食です。食物アレルギーを起こしにくい新奇動物性タンパク質(今まで摂取する機会が少なかったタンパク源)を使用しています。また、オメガ3脂肪酸もバランスよく配合され、皮膚のバリア機能や被毛の健康維持をサポートしてくれます。
こちらも世界的な大手ペットフードメーカー「ロイヤルカナン」の療法食で、消化性の高いダックとタピオカが主原料となっています。皮膚のバリア機能の維持や腸内細菌バランスの調整をサポートするためにオメガ3系不飽和脂肪酸や、フラクトオリゴ糖およびサイリウムといった可溶性食物繊維、不溶性食物繊維も配合されています。
「森乳サンワールド クリニカルダイエット アレルギーマネジメント」は、食物アレルギーに配慮し魚を主原料としています。オメガ6脂肪酸やオメガ3脂肪酸がバランスよく含まれ、健康な皮膚や被毛のサポートをしてくれます。また、グレインフリーなので、穀物アレルギーで療法食を探している方にもおすすめです。
さまざまな食物アレルギー対策のフードがありますが、愛犬の食物アレルギーの原因が何かで選ぶべきフードが変わってきます。食物アレルギーの疑いがある場合は、動物病院でアレルギー検査を受けて愛犬のアレルギーの状態を正しく理解し、適切なフードを与えるようにしましょう。
新井 絵美子/動物ライター
2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。
過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。