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犬に食べさせるために焼いたうなぎ
食べもの
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2021.11.25

犬はうなぎを食べても大丈夫?期待できる効果や与える量、注意点まで【獣医師監修】

うなぎは、夏に向けてスタミナを養うために、古くから土用の丑の日に食べられてきました。うなぎにはビタミンAやB群が豊富で、疲労回復や食欲増進に効果があるとされています。では、食欲が落ちた愛犬にも同様の効果が期待できるのでしょうか?
今回は、うなぎの有効な栄養素や与える量の目安、与える際の注意点などを紹介していきます。

監修:葛野 莉奈/獣医師、かどのペットクリニック 院長(文:関 ゆりな/ドッグライター)

犬はうなぎを食べても大丈夫。実はビタミンの宝庫!

茶色と白の毛の犬がうなぎを欲しそうに机に顎を乗せて見つめている

結論から先に言えば、犬にうなぎを与えても問題はありません。ただし、味がついていない調理法に限ります。
まずはうなぎに含まれる、犬にとってありがたい栄養素を見ていきましょう。

ビタミンがたっぷり

うなぎには、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2などが豊富に含まれています。
それぞれのビタミンの役割をチェックしてみましょう。

【ビタミンA】視力維持に欠かせない

うなぎに最も多く含まれているのがビタミンAです。別名レチノイドといい、目の働きに効果を発揮する栄養素なのです。
視力の維持や免疫システムに欠かせないといわれ、がんの予防やリスク低減にも役立つとされています。

【ビタミンD】骨格維持に役立つ

ビタミンDは主に骨や骨格の維持に役立つ栄養素で、カルシウムの吸収を助けます。
また、全身の細胞にビタミンDを多く取り込むことで免疫作用もアップし、細菌やウイルスに負けない身体をサポートしてくれると言われています。

【ビタミンE】細胞老化の進行を抑える

ビタミンEは抗酸化作用の強い栄養素ですから、活性酸素の働きを鈍くして細胞の老化を抑える効果があります。
また、血管を健康に保つほか、赤血球の破壊を防ぐなどの効果も期待できます。

健康維持に役立つミネラル

うなぎにはミネラルも豊富に含まれていて、特にカリウムとカルシウムの含有量が高いと言われています。
カリウムは細胞の機能を正常化させ、エネルギー代謝にも重要な役割を果たし、カルシウムは骨や歯の健康維持に不可欠です。カルシウムの吸収を助けるビタミンDの働きとの相乗効果も期待できます。

オメガ3脂肪酸も豊富!

オメガ3脂肪酸といえば、DHAやEPAに代表されるようなサプリメントにも使われる不飽和脂肪酸です。サバやサケだけでなく、うなぎにも多く含まれていて、主に加齢による様々な疾患に効果があると言われています。

DHA(ドコサヘキサエン酸)は脳や目に効果を発揮し、記憶力の回復や視力の維持、内臓疾患などにも良いとされています。
EPA(エイコサペンタエン酸)は中性脂肪を減らしたり、血管や血液の正常化に効果をもたらします。

愛犬へのうなぎの与え方・適量

白と茶色の毛の犬が器に入ったうなぎをおいしそうに食べている

愛犬にうなぎを与える場合は、以下のような与え方や量を参考にして与えましょう。

犬に与えるうなぎの適量

1日に与えるうなぎの適量の目安は以下の通りです。初めて愛犬にうなぎを与える際は、下記の量よりもさらに減らして、その後うんちの状態などを確認し、異常がなければ量を増やすようにしましょう。

  • 3~5kg:15~22g
  • 6~15kg:22~58g
  • 20~30kg:63~98g
  • 30~50kg:86~144g

小骨を柔らかくする加熱調理を

小骨は、取り除かずにそのまま食べても問題はないのですが、喉や口の中に刺さって嫌な思いをしたという方も多いかと思います。

しかし、うなぎの小骨取りは熟練の職人でも難しく、完全に取り除くのは困難と言われています。そのため、うなぎを与える際は圧力鍋などでじっくりと火を通すことをおすすめします。加熱することでうなぎの小骨が柔らかくなり、取り除かなくても安心して与えることできますよ。

犬にうなぎを食べさせる際の注意点

犬に与えるために串にうなぎを刺して焼いている

犬にとってうれしい栄養素が豊富なうなぎですが、与え方に関しては、いくつか注意するべき点があります。

生では絶対に食べさせないこと

「うなぎの刺身」というのはありそうでないですよね。有名な産地の浜名湖あたりでは食べられることもあるそうですが、一般的ではないです。

うなぎの血液にはイクシオトキシンというがあるため、摂取量によっては下痢や嘔吐、呼吸困難が引き起こされることもあります。生で食べさせるのは絶対に避けましょう。

ちなみにイクシオトキシンは熱を加えると分解されてしまうため、火を通したものを与えるようにして下さい。

うなぎの蒲焼きは与えないこと

一般的に売られていて人間が食べるのは、すでに焼いた状態の蒲焼きが多いですよね。蒲焼きの場合、どうしてもタレの塩分が多くて味も濃く、犬にとっては塩分過多になってしまいます。

なるべく調味料やタレ、油をつけない白焼きの状態で与えることが望ましいでしょう。 もし白焼きのうなぎが手に入りづらい場合は、蒲焼きを湯がいてタレを落とすか、含まれている栄養素が似ている焼きあなごなどで代用しても良いでしょう。

細かく刻んで与えること

大ぶりなうなぎの身をそのまま与えるよりも、「ひつまぶし」のように小さめに刻んだうなぎを与えた方が、犬にとっても食べやすいでしょう。

また、うなぎだけを与えるよりも、手作りごはん風にして他の食材と合わせて与えた方が栄養のバランスも良くなりますし、見た目も良くなりますよね。

アレルギーに注意

うなぎを初めて与える際は、アレルギーのリスクを考慮して、少量から与えるようにしましょう。
アレルギー反応を起こすと下痢や嘔吐、強い痒みなどを引き起こしますので、症状が見られないかよく観察することが大切です。また、上記のような症状が見られたら速やかに動物病院を受診してください。

加工品は与えない

うなぎのエキスやうなぎの骨などを使用した美味しい加工品が多く販売されていますよね。
うなぎの中骨から取った出し汁を練り込んで作られたうなぎパイは有名ですよね。このような加工品は人間向けの味付けをするため、塩分や糖分をたっぷりと含んでいます。

誤って食べてしまった場合は、うなぎの他に中毒性のある食材が含まれていない限り問題はありませんが、愛犬に積極的に与えるべきではありません。

愛犬とうなぎを食べて元気に夏を乗り越えよう!

茶色の毛の犬がうなぎを欲しそうに机から顔を出している

うなぎはしょっちゅう食べられる食材ではありませんが、とっても栄養豊富であることが分かりました。少量であれば害になる可能性も低いようです。
お誕生日や記念日、そして食欲が落ちてしまう夏時期に、ご褒美のつもりでうなぎを買ってきて、愛犬といっしょに食べてみてはいかがでしょうか?

参考文献
  • 公開日:

    2020.07.08

  • 更新日:

    2021.11.25

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ライター・専門家プロフィール
  • 葛野 莉奈
  • 獣医師、かどのペットクリニック 院長
  • 麻布大学卒。2015年より神奈川県内にてかどのペットクリニックを開業。ながたの皮膚科塾を卒業し、普段の診療でも皮膚科には力を入れております。 私生活では犬8頭と猫2匹と生活しているので、一飼い主として、そして獣医師として飼い主さんと動物たちとの生活がよりよくなることに少しでも貢献できると嬉しいです。