
ミディアムヘアードは、中短毛やミディアムヘアと呼ばれることもある被毛です。短毛でも長毛でもない被毛にはどのような特徴があるのでしょうか。
ミディアムヘアードは、短毛と長毛の中間くらいの長さで、約3㎝ほどの長さの被毛のことを言います。あまり長くはない被毛ですが、モコモコと密に毛が生えている犬種が多いようです。
被毛は、皮膚を守る役割のオーバーコートと保温や保湿をする役割のアンダーコートがあり、オーバーコートのみの被毛をシングルコート、2重構造の被毛をダブルコートと言います。抜け毛はどの犬種にもありますが、ダブルコートは季節の変わり目にアンダーコートが大量に生え変わるため、抜け毛が多いです。
ミディアムヘアードは触り心地のいい犬種が多くいます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
日本犬で人気の柴犬は、冬になると寒さから体を守るためアンダーコートがみっちりと生えて全体的にまん丸な体型に見えます。暖かくなってくるとアンダーコートが徐々に抜けはじめ、指でつまんだだけでも綿毛のような被毛が抜けるほどです。一度には抜けきれないので、こまめなブラッシングでケアしてあげましょう。
短い足が特徴のウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、硬めのダブルコートをしています。季節の変わり目には、大量に抜け毛が出るので、しっかりとブラッシングをしてあげましょう。また、コーギーの中には、フラッフィーという長毛になるタイプの子もいます。とても希少なタイプで、体だけではなく首回りや耳の毛も長くなります。
絹糸のような艶のある被毛のキャバリア・チャールズ・スパニエルは、やや長めのミディアムヘアードです。耳やしっぽの飾り毛は毛量もあり、ブラッシングをしないでいると毛玉になりやすくなります。ダブルコートで抜け毛も多いので、お手入れはしっかりと行うことで美しい被毛を維持することができます。
名前のとおりゴールドに輝く被毛のゴールデン・レトリーバーは、タイプによって色の濃さに違いがあります。アメリカタイプはやや濃いめのゴールド、イギリスタイプは白っぽいゴールド色をしています。体も大きくダブルコートの被毛を持っているため、換毛期には大量に毛が抜けます。
オオカミのような見た目が特徴のシベリアンハスキーは、極寒の地域で寒さから体を守るために、アンダーコートが密に生えた被毛をしています。そのため、春と秋の換毛期にはかなり大量に毛が生え変わるため、抜け毛の量に驚くほどです。密に生えている被毛なので、ブラッシングはしっかりと行いましょう。抜け毛を取るだけではなく、毛の間の砂埃や枯葉などを取り除くこともできます。
比較的短めな被毛ですが、抜け毛のある犬種が多いためブラッシングは特にしっかりと行いましょう。
被毛が密に生えている犬種の多いミディアムヘアードは、毎日のブラッシングは必要不可欠です。ブラッシングは、抜け毛を取り除いたり、毛玉を予防することができます。そのほかに、血行を良くしたり、皮膚の異常に気付きやすくなるので、健康維持のためにもしっかりとブラッシングしてあげることが大切です。
被毛が引きずるほど長く伸びるタイプの被毛ではないため、全身のカットは必要ではありません。中には、しっぽやお尻の被毛が長くなる犬種もいますので、清潔を保つために部分的にカットをしてあげるのもいいですね。
犬種ごとに特徴的なミディアムヘアードについてご紹介しました。ふわもこの被毛のミディアムヘアードは、抜け毛が気になる犬種が多いですが、ブラッシングをすることで、その被毛を維持させ抜け毛を減らすこともできます。いつまでも触っていたくなるほど、触り心地のいい被毛はミディアムヘアードならではですね。
KANAKO/トリマー
ミニチュアダックスフンド8頭と暮らし、犬にまみれた幸せいっぱいの生活を送っています。
普段は犬の服をハンドメイドで作ったり、トリマーとしての経験を活かしカットを楽しんだりしています。