基本的に犬の寿命はカラダのサイズによって異なっており、カラダが大きいほど寿命が短く、小型犬ほど長生きすると言われています。そのためミニチュアダックスフンドも犬の中では、寿命が長い部類に入ります。ミニチュアダックスフンドの寿命について詳しく見ていきましょう。
小型犬であるミニチュアダックスフンドの平均寿命は、およそ13~16歳程度と言われています。これは、人間年齢に換算すると68~80歳に当たり、長生きの部類に入ることが分かります。年々、犬への理解が深まりストレスのない飼育環境や食事の質向上などによって、平均寿命は伸びている傾向にあるようです。
世界一長生きしたミニチュアダックスフンドは、21歳というデータもあります。これを人間年齢に換算すると実に100歳になるので、とても長生きしたことが分かりますね。
ミニチュアダックスフンドは長生きの部類に入りますが、それでももっと長く健康に生きてほしいと願うものです。健康的に長生きしてもらうために、ライフステージを理解してそれぞれのカラダの変化に伴い気をつけるべきことをチェックして行きましょう。
ミニチュアダックスフンドの成長期に当たるのは、生後3ヶ月から10ヶ月齢頃までです。この時期が犬のからだの基礎を築き上げる最も大切な時期になります。
人間は10年以上をかけてゆっくりと大人のカラダへと変化を遂げますが、ミニチュアダックスフンドの場合、1年もかからずに成犬へと変化していきます。そのため、成長期には骨や筋肉、内蔵などのカラダの組織を猛スピードで発達させなくてはならず、成犬時と比べると約2倍ものカロリーを必要としています。
しかし、ただ成犬の量の2倍を与えるという意味ではありません。成長期の幼犬は、成犬と比べて消化機能が未熟なため一度にたくさんの量のフードを消化することはできません。ですから、子犬用として販売されている栄養バランスもよくカロリーの高いフードを選んで、2回~3回程度に分けて与えてあげる必要があります。
成長期をすぎるとカラダの機能がしっかりと出来上がった成犬期が訪れます。ミニチュアダックスフンドの成犬期は、10ヶ月月齢から7歳頃までと言われています。
この頃になると、子犬用のドックフードから成犬用のフードへと切り替え、与える量にも気をつける必要があります。与えれば与えた分だけ食べる食欲旺盛な犬も多いですが、甘やかして太らせてしまうのは厳禁です。
特にミニチュアダックスフンドは、短足胴長な体型から股関節や背中に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアを発症する確率がとても高くなっています。肥満も足腰に過度の負担をかけることになり、椎間板ヘルニアのリスクを高めるだけでなく、様々な生活習慣病の原因になりえます。ご飯の量とおやつの与えすぎには十分気をつけましょう。
ミニチュアダックスフンドの中高齢期は、7歳からはじまり、12歳からは高齢期に突入します。ミニチュアダックスフンドの7歳を人間年齢に換算すると44歳なのでまだまだ若いように感じますが、この頃から目には見えにくい変化が起き始めます。息がすぐにきれる、歩き方がぎこちない、水を飲む量が増えおしっこの量も増える、物にぶつかるなど様々な老化のサインが現れてきます。
視力が衰えだした場合は、生活環境を見直して物にぶつかりにくい家具配置にするなど対処してください。免疫力も日々衰えていくため、定期的に健康診断を行うなど病気の早期発見と予防を心がけるようにしましょう。
また、運動量が減り代謝も落ちるため、成犬期よりもカロリーを控えた消化のいいシニア犬用の食事を与えるようにしましょう。
ミニチュアダックスフンドの平均寿命は13~16歳と長く、7歳からシニア犬の仲間入りを果たします。シニア犬として生活する時間がとても長いので、カラダが衰え始めてもシニアライフを楽しめるようにしたいですよね。ミニチュアダックスフンドとの老後の楽しみ方について紹介していきます。
愛犬とのスキンシップは、当たり前じゃないかと感じるかもしれませんが、ミニチュアダックスフンドの寿命を延ばすためにもとても大切なことです。毎日愛犬とのスキンシップをはかり、全身を触ることによって些細な変化にもすぐに気づくことができますし、なによりもお互いに楽しい時間を過ごすことができます。
高齢期に入ると、成犬期のようにおもちゃで遊んだりすることも少なくなっていくでしょう。寝ている時間も増えていくのでおのずとコミュニケーションの時間が減ってしまいがちですが、スキンシップの時間をたっぷりととって変わらない愛情を感じさせてあげるようにしましょう。
高齢期に入ったミニチュアダックスフンドは、体力や足腰の衰えから散歩に行くのも難しくなってきます。免疫力も落ちているのでもちろん、無理に外出させないことも大事ですが、気分転換もかねて外の空気を吸わせてあげるようにしましょう。
犬もストレスを溜め込む生き物ですので、散歩の時間を短くしたり、抱っこしたり、ドッグバギーに乗せてあげるなど工夫をしながら、無理のない範囲で外に連れていってあげましょう。
ミニチュアダックスフンドの寿命やライフステージ、老後の楽しみ方などについて紹介しました。愛犬に長生きしてもらうだけでなく、いつまでも健康で元気に過ごしてほしいものです。年齢にあった食事や生活スタイルを日々調整することで長生きさせることが可能ですから、悲観することなくのんびりと愛犬に寄り添ったシニアライフを楽しみましょう。
関 ゆりな/ドッグライター
ビションフリーゼのココメロ(1歳)とのんびり暮らすフリーランスライター。ココメロの健康のため栄養満点の手作り食を作るべく、栄養学について勉強中。
長年犬を飼ってきた経験を元に、愛犬との生活がより充実できるような、愛犬家の皆様のためになる情報発信を目指します。