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犬種図鑑

2020.07.19

ペルービアン・インカ・オーキッドってどんな犬種?犬種図鑑|性格・特徴まとめ

毛がない犬「ヘアレスドッグ」は世界に数種類しか存在していません。その中でも花にたとえられる神々しい犬として知られるペルービアン・インカ・オーキッドは長い歴史を持ち、古くから人と接してきたとされています。なぜ花に例えられるのでしょうか?その誕生の歴史・ルーツを紐解き、その謎を解いていきます。またペルービアン・インカ・オーキッドの特徴を解説しつつ、性格やしつけの方法もご紹介してます。

Author :明石 則実/動物ライター

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ペルービアン・インカ・オーキッドの誕生の歴史やルーツとは?

ペルービアン・インカ・オーキッド

ペルービアン・インカ・オーキッドの起源は定かではありませんが、インカ帝国以前から南米ペルー一帯で育成されていたとされています。

発掘された犬の陶器から、少なくとも西暦750年頃には存在していたと言われ、中にはセーターを着たペルービアン・インカ・オーキッドを象った陶器も発掘されています。人間の生活と密接な繋がりがあったことがうかがわれますね。また、この犬の尿や糞は薬になると信じられていて、関節炎や呼吸器疾患の治療に使用しました。

インカ帝国がスペイン人たちに滅ぼされて以降、海外から入ってきた犬種との混血が進み、「ペルーヴィアン・ヘアレス・ドッグ」「イズクウィントリ」そして本種と3つの異なる犬種に分化しました。一時は絶滅の危機を迎えるものの、1966年にアメリカ人のジャック・ウォークリンがペルーを訪れ、8匹の犬をアメリカに連れ帰りました。彼はこの犬をペルービアン・インカ・オーキッドと名付け、北米やヨーロッパで広く知られるようになったということです。

犬種グループ

AKC(アメリカンケネルクラブ)のスタンダードによればミセラニアス(雑グループ)に属し、いわゆる「暫定公認」という形になります。世界中で数百の純血犬種が存在することを認めていますが、そのすべてがAKC認定犬種ではありません。一方でFCI(国際畜犬連盟)ではコンパニオンドッグとして公認されています。

花に例えられる理由

毛がなく肌が弱いペルービアン・インカ・オーキッドは日差しを避け、夜しか散歩に行けないため、ムーンフラワードッグとも呼ばれています。オーキッドとは「蘭の花」という意味ですが、たしかに多くの蘭は夜に光合成をするため、蘭の花になぞらえているのでしょうね。

またピンクの単色を持つペルービアン・インカ・オーキッドは「神の使い」と呼ばれていて、夜の月に映える美しいシルエットは、まさに神々しいことこの上ないと言われています。

ペルービアン・インカ・オーキッドの性格

ペルービアン・インカ・オーキッド

ペルービアン・インカ・オーキッドの性格は愛情深く献身的で、小さな体に活気がみなぎるほど元気いっぱいです。見知らぬ人や他の犬には臆病な面がありますが、慣れていくうちに打ち解けていくでしょう。しかしグレーハウンドやウィペットなどに似たサイトハウンドの気質も持っているため、他の動物を獲物とみなしてしまうことがあります。小動物をペットとして飼育している家庭では注意が必要でしょう。

上手なしつけ方とは?

ペルービアン・インカ・オーキッドは、物覚えも良く、しつけやトレーニングがしやすい犬種とされています。しかし厳しく叱ったり、過度なトレーニングに対しては感情的となってしまう面も持ち合わせています。なるべく褒めながら伸ばしていきたいところですね。

また、子犬を家に連れてきたその日からトイレなどのしつけを開始しましょう。ワクチンプログラムが完了するまでは、家で簡単なトレーニングをしておくことをおすすめします。また家に友人たちを招待するなど、子犬が人に慣れておくことも大切なことですね。

ペルービアン・インカ・オーキッドの平均寿命・必要な運動量は?

ペルービアン・インカ・オーキッド

犬の健康にとって大切なことは、適正な食餌量や運動量をしっかり管理してあげることです。太り過ぎや運動不足にならないよう注意しましょう。

適正体重

ペルービアン・インカ・オーキッドの体の大きさは、ラージ・ミディアム・スモールの3種類に分類できます。これは個体によって異なります。それぞれの適正体重を見ていきましょう。

・ラージ12~25kg
・ミディアム8~12kg
・スモール4~8kg

毛がないため痩せているように見えますが、しっかり均整の取れたバランスの良い体格を維持することです。そのためにカロリー消費量と体重レベルに注意してください。

必要な運動量

散歩は1日に2回程度必要となり、体の大きさによってラージの子は50分~1時間、ミディアムは40~1時間、スモールは30分程度を目安としましょう。
暑さと寒さに弱い犬種ですから、夏場は直射日光をなるべく避け、冬場はしっかり服を着せるようにして下さい。

平均寿命

ペルービアン・インカ・オーキッドの平均寿命は12~14年程度とされており、比較的長生きすると言えるでしょう。しかし体温を保つための被毛がないため、体温調節が非常に苦手です。そういった意味では特別な配慮が必要となり、体調面のサポートは欠かせません。

ペルービアン・インカ・オーキッドの皮膚・被毛の特徴

ペルービアン・インカ・オーキッド

ペルービアン・インカ・オーキッドの生まれつき被毛がないことは遺伝が大きく関係しています。そのため実際には全く被毛がない「ヘアレス」と、被毛のある「パウダーパフ」に分類されます。パウダーパフの場合は短いスムースコートで、非常に柔らかいことが特徴です。

お手入れ方法

被毛のあるパウダーパフの子は、週に一度のブラッシング程度で十分でしょう。一方、ヘアレスの子はブラッシングの必要はありませんが、肌が剥き出しのため乾燥を防ぐ保湿クリームを定期的に塗ってあげた方が良いですね。また直射日光対策として日焼け止めを塗ることも有効です。

日本ではまだ少ないペルービアン・インカ・オーキッド

ペルービアン・インカ・オーキッド

アメリカや欧米で人気のあるペルービアン・インカ・オーキッドですが、日本では年に数頭程度が登録されているに過ぎません。夏は暑く冬は寒い日本の気候では、どうしてもヘアレスの子にとって過酷なのかもしれません。しかしもし機会さえあれば、その高貴で神々しい姿を一目見てみたいものですよね。

◎ライタープロフィール
明石則実 動物ライター

明石 則実/動物ライター

フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。

  • 更新日:

    2020.07.19

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