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犬種図鑑

2020.07.05

ミオリティックシェパードドッグの全て|歴史・特徴・性格などを徹底解剖

牧畜や牧羊が盛んなヨーロッパでは、古くから多くの牧羊犬が作出されてきましたが、東欧の国ルーマニア原産の犬種といえば、ルーマニアン・シェパードドッグというグループは外せません。その中でもミオリティックシェパードドッグは特に人気があり、本来の作業犬としての役割以外にもペットやショードッグとして活躍しています。そんなミオリティックシェパードドッグの活躍の歴史や特徴・性格などをご紹介していきます。

Author :明石 則実/動物ライター

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ミオリティックシェパードドッグの活躍の歴史

ミオリティックシェパードドッグ

ミオリティックシェパードドッグは、ルーマニアのカルパチア山脈において生まれた犬種で、その起源は古代~中世にまで遡ります。彼らの役目は、家族や羊たちを害獣や侵入者たちから守ること。いわばガードドッグとしての役割が与えられていたのです。外敵に対しては果敢に立ち向かうものの、家族に対しては優しく穏やかに接するという気質は、まさに名犬としての名に恥じないものでした。

時代と共に牧羊が廃れていった中にあっても、ミオリティックシェパードドッグの需要は高いものがありました。実際にルーマニア国内には多くの愛好家が存在していましたし、作業犬としての役割以外にも、ペットやコンパニオンドッグとしての適性があったからこそたくさんの人々から愛されてきました。

1981年にルーマニア・ケネルクラブ(RKC)によってスタンダードが規程され、2002年には国際畜犬連盟(FCI)において犬種基準が登録されました。

犬種グループについて

FCIが設定した犬種グループとしては、ミオリティックシェパードドッグは「Sheepdogs and Cattle Dogs」に分類されており、いわゆる牧畜犬のことを指します。

ミオリティックシェパードドッグの場合は、羊たちの誘導というよりは、どちらかと言えば主な仕事は家畜を守ることでした。大柄な体つきといい、どんなに荒れた天候にも負けない豊かな被毛といい、ガードドッグとしての資質は抜群なものです。

ミオリティックシェパードドッグの性格・しつけ

ミオリティックシェパードドッグ

ミオリティックシェパードドッグは本来穏やかで従順な性格ですが、ガードドッグとしての気質を併せ持っているために、防衛本能もかなり強いと言えます。

家族と認めれば強い絆で結ばれますが、精神的に成長するまでにやや時間が掛かる傾向があります。そのため飼い主さんが強いリーダーシップを持っていることが不可欠ですね。そういった意味では、経験豊富な飼い主さんの方がより最適と言えます。

適切にしつけされて社会化を果たせば、素晴らしい家族の一員になりますが、見知らぬ人に対しては警戒心を抱くこともあります。

向いているしつけの方法とは?

ミオリティックシェパードドッグはとても賢く物分かりが良いので、しつけやトレーニングに対しては良く反応します。しかし独立心を少なからず持っているため、時として頑固となることもあります。

ミオリティックシェパードドッグについて考慮すべき点は、家族の中でも、特に1人と非常に密接に結びつく傾向があるということ。そのため、しつけのメインとなる飼い主さんとの関係が確立するまで、しつけを開始するのを待つのが最善かも知れません。ただしトイレトレーニングなど基本的にしつけは、家にやって来た時点で始めるようにする必要があります。

犬と人の密接な関係を構築した上で、トレーニングをすると素晴らしい家族の仲間となることでしょう。

ミオリティックシェパードドッグの健康管理・体重

ミオリティックシェパードドッグ

ミオリティックシェパードドッグは大型犬の部類に属するため、人間ほどの体重があります。そのため普段からの健康管理にはウェイトコントロールが欠かせません。次に健康面について見ていきましょう。

適正体重

ミオリティックシェパードドッグのオスの体高は約65~75cm程度、体重は65kg前後まで成長します。 またメスは体高60~70cm程度、体重は55kg前後くらいになります。

被毛が長く、厚みもあるため、肥満かどうかの判断がつきにくいのですが、身体をしっかり触って肥満かどうかを確認する必要があります。また、大型犬特有の股関節形成不全などの病気には注意が必要ですね。

適切な運動をさせること

走り回ったりといった活発な運動は必要としない犬種ですが、1日中、山の中を歩き回れるほどの持久力がありますから、1日に2度程、それぞれ1時間程度の散歩は欠かせません。なるべく長く歩くことにより、ストレスを溜めないようにしたいものです。

平均寿命

ミオリティックシェパードドッグの平均寿命は12~14年ほどと考えられており、大型犬の中では長寿の部類に入ります。暮らしている環境や個体差によって違いは出てきますし、体重管理や運動管理をしっかりすることによって、長生きする可能性も出てくるのです。

ミオリティックシェパードドッグの被毛の特徴

ミオリティックシェパードドッグ

ミオリティックシェパードドッグの被毛の構造は、寒冷地に適したダブルコートという二重構造で、厚みがあり、密度が高く、かなり毛むくじゃらの印象です。アンダーコートは柔らかく密集して生えていて、オーバーコートはたっぷりとしたムク毛で、顔の周囲にも豊かに生えています。また長い被毛は10センチ程もあって、水を弾いたり、寒さから身を守ります。脚部では多少短くなりますね。

カラーは単色のホワイトが最も珍重されますが、マーキングの入ったホワイトやグレーも許容されています。その場合、はっきりとした黒または灰色のマーキングがあること。耳の先端は濃いグレーまたはブラックとなっています。

お手入れ方法

最低でも週に3回以上はブラッシングが欠かせません。抜け毛や死毛となったアンダーコートを除去しなければ、皮膚病の原因となるからです。また皮膚を傷つけないように、もつれや毛玉を除去すること。

分厚い被毛は蒸れやすいために、定期的にトリミングやカットをするようにします。顔周りの毛も眼病の原因とならないよう、丁寧にカットすることが大切です。

ミオリティックシェパードドッグが世界中で人気となる日も・・・?

ミオリティックシェパードドッグ

ミオリティックシェパードドッグは、ほとんどがルーマニア国内で暮らしている犬種ですが、徐々に国外でも知られるようになってきました。いずれ世界中で人気が出て、日本で紹介されることがあるかもしれませんね。

◎ライタープロフィール
明石則実 動物ライター

明石 則実/動物ライター

フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。

  • 更新日:

    2020.07.05

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