
珍島犬は韓国の珍島という地で何千年もかけて発展した犬種です。珍島犬は猟犬として活躍していたため、狩猟本能が高い犬同士が繁殖に使われていました。現在でもその名残で、珍島犬は非常に狩猟本能が高い特徴があります。
一方、珍島犬が珍島で発展したことはハッキリしているものの、珍島犬が珍島にやってくる前にどこにいたかは今でも定かではありません。
珍島犬は最近まで珍島を出ることはありませんでした。そのため、犬種の特徴にも変化がなく、自然と保存されていました。しかし、最近ではヨーロッパやアメリカでも珍島犬を飼育する人が増え、ありのままの珍島犬を保存できるようにと努力している人がたくさんいます。韓国では天然記念物としても登録され、珍島犬の美しさとユニークさをこれからも残していこうという取り組みがなされています。
珍島犬は日本犬と共通の特徴がいくつかあります。しかし、日本犬との大きな違いもいくつかあり、とてもユニークな犬種です。韓国の歴代大統領も珍島犬を飼育しており、その魅力は語り継がれています。ここでは、珍島犬の特徴や性格について詳しく解説していきます。
珍島犬は筋肉質な中型犬です。柴犬よりもやや大きく、体高は平均50cm、体重20kg前後となります。体はバランスがよくとれていることが重視されており、引き締まっています。
珍島犬は立耳で、長い尾を持っています。珍島犬の毛色はレッド、ホワイト、ブラック、タン、フォーン、ウルフグレイ、ブリンドルの7色がケンネルクラブに認められており、どの色の珍島犬も凛々しく、力強い印象を与えます。
珍島犬は非常に強い狩猟本能をもち、他の犬種と比べると支配的な傾向があります。珍島犬は番犬として活躍していたため、非常に勇敢で、警戒心が強い犬種です。
珍島犬は非常に強い忠誠心をもち、飼い主へ尽くします。子犬の頃から育ててくれる主人には特に忠実で、主人が変わることがあっても、育ててくれた主人への忠誠心を忘れることは決してありません。
珍島犬は気性が強めな個体もいるため、犬飼育の初心者にはあまり向いていません。しかし、珍島犬の特徴や性格をよく理解し、それに合った育て方をすることで、良いコに育ってくれるはずです。ここでは、珍島犬の育て方のポイントを紹介していきます。
珍島犬は狩猟本能や支配欲が強いので、しっかりと社会化訓練をしないと、攻撃的になってしまう場合があります。珍島犬を迎える場合は、様々な人や場所に連れていき、新しい環境に上手く順応する力をつけるようにしましょう。子犬の頃から社会化訓練を始めることで、安定した気質をした成犬に育つ可能性が高くなります。
珍島犬は自由に散策するのが大好きで、よく脱走する傾向があります。珍島犬の飼育環境を整備し、脱走しないように気をつけることが大切です。また、珍島犬はストレスが原因で脱走してしまうこともあるので、運動をしっかりとさせ、ストレス発散を通して脱走を防止すると効果的です。
珍島犬と他の動物の飼育は特に注意が必要です。珍島犬は小動物や猫を獲物として認識してしまうことがあるので、同じ環境で飼育するのは困難です。また、珍島犬は他の犬も好まない個体が多く、多頭飼いには向いていません。特にオス同士は喧嘩をすることがあるので、同じ環境で飼育する場合はよく監視するようにしましょう。
ここでは、珍島犬がどのような犬種なのかについて詳しく解説していきました。珍島犬は日本犬と似た特徴がたくさんありますが、実は独特の魅力を持ったユニークな犬種なのです。しかし、ユニークがあるがために、全ての人には向いていない犬種と言えます。韓国を訪問した際には、もしかしたら珍島犬に出会えるかもしれませんね。
ルエス 杏鈴/犬訓練士、ドッグライター、ドッグフォトグラファー
大好きなジャーマンシェパードとドタバタな日々。いろいろなことに愛犬と挑戦するのが大好きで、ディスクドッグ、アジリティ、警察犬の訓練など様々なトレーニングに携わった経験がある。
愛犬を迎えたことを機に犬の美しさや犬との生活の魅力を伝えるべく、ドッグフォトグラファーとしての活動開始。また、ドッグトレーニングや犬との生活を活かし、2019年4月頃より愛犬家のために記事の執筆を開始。
写真や記事の執筆を通して犬が犬として幸せに過ごせる世界づくりに携わるのが目標。