アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの歴史は古く、起源については諸説あります。ここでは、濃厚とされるアイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの歴史の説について説明していきます。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは、おそらく1600年代後半に原産国アイルランドにて、犬種として確立されたと言われています。同じくアイルランド原産の美しい赤毛が魅力的なアイリッシュ・セターは、アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターをベースに単色のレッドを繁殖させました。
1800年代中頃になるとアイリッシュ・セターがショーに登場しはじめ、レッドとホワイトの被毛よりも単色レッドであるアイリッシュ・セターの方に人気が集中し、アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは絶滅したと考えられました。
しかし、1920年代にレッドとホワイトのアイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターを復活させようと努力を重ねたことから1944年には独自のクラブを持てるほど頭数が回復したようです。犬種誕生から長い月日が経った1978年に自国のアイルランドで、そしてアメリカンケネルクラブには2006年になって独立犬種として認められました。
日本でも知名度のあるアイリッシュ・セターと似た体型をしているアイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターですが、体の大きさはやや小さめになっています。ここでは、アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの体型から毛質、気をつけたい病気などについてご説明していきます。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの理想体高は、オスが62~66cm、メスが57~61cmとなっています。体重はオスが27~32kg、メスが23~29kgです。
均等が取れたボディは強く丈夫で筋肉質です。アイリッシュ・セターとよく似た体つきをしていますが、アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの方が、耳が小さく高い位置に付いており、体長は短く胴部分はやや広めという違いがあります。
毛色は、ホワイトをベースに大小さまざまなレッドの斑点が入った名前にあるようにレッド・アンド・ホワイトです。両カラーとも鮮明で光沢がなければならず、薄い色は好ましくないと言われています。顔周りから足、前脚の裏部分などにフリンジと呼ばれる飾り毛が付いています。
毛質は、なめらかでややウェーブがかかった短めのロングコートです。抜け毛は比較的多いため、週に2~3回のブラッシングを行うようにしましょう。特に飾り毛は汚れが付着しやすいため、注意が必要です。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの平均寿命は約12年です。気をつけたい病気としては、胸の深い犬種が起こしやすい胃捻転があげられます。また、垂れ耳なので外耳炎も起こしやすいため、定期的な耳掃除を行い清潔さを保ちましょう。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは、優しく友好的な性格なので子どものいる家庭でも飼育可能です。そして、アイリッシュ・セターよりも落ち着きがあると言われています。ここでは、アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの育て方を説明していきます。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは、飼い主に大変忠実で賢くしつけも入りやすい犬種ですが、力がとても強いため子どもや女性など力の弱い人間がリードを引いているときに、ケガをしてしまう可能性もあります。急に走り出したりしないよう歩行訓練をしっかりとするとともに、逃げ出してしまったりしないよう非常時でもコマンドに従えるよう教え込むようにしましょう。
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターは、もともと猟犬だったためスタミナが豊富にありパワフルで、毎日かなりの運動量が必要になります。1日に1時間の散歩を2回行ったり、散歩の他にもドッグランなどで思う存分走らせてあげるといいでしょう。運動神経抜群の犬種であるため、愛犬と一緒にハイキングやランニング、水泳などのアウトドア・スポーツを存分に楽しみたいという方には最高の相棒になってくれます。
古い歴史を持ち、鳥猟犬として活躍してきたアイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セター。優しく落ち着きのある性格で、しつけのしやすい犬種ですが、力がとても強いためトラブルを起こしてしまうこともあります。基本的なしつけと日頃から運動をよくさせてあげて、ストレスの貯まらない生活を送らせてあげることで、フレンドリーで優しいアイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セターの長所を存分に引き出してあげましょう。
関 ゆりな/ドッグライター
ビションフリーゼのココメロ(1歳)とのんびり暮らすフリーランスライター。ココメロの健康のため栄養満点の手作り食を作るべく、栄養学について勉強中。
長年犬を飼ってきた経験を元に、愛犬との生活がより充実できるような、愛犬家の皆様のためになる情報発信を目指します。