スポット駆除剤を使用する際、必ず首筋に滴下しますよね。使用説明書にもそう書いてあります。 しかしなぜ首筋に垂らす必要があるのでしょうか?また首筋1箇所で効果があるのでしょうか?
実は首筋に滴下された薬剤は、毛穴から皮脂腺を伝って全身に行き渡っていくのです。やがて有効成分は毛穴から余分な皮脂と共に放出され、ノミやダニに接触すると効果を発揮します。比較的長い期間効果が続くのも皮脂と共に薬剤が徐々に放出されていくからです。
成虫だけでなく卵にも効果を発揮する商品もあるほどですから、やはり定期的なスポット駆除は欠かせないということになります。
ペットショップへ行っても、ネットショップから検索しても、スポット駆除剤は実に多くの種類がありますよね。その中から選ばなくてはいけないので大変です。ここからはスポット駆除剤の人気商品をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
2013年、国産初のジェネリック製剤として発売されました。ノミやマダニの成虫だけでなく、卵の孵化と幼虫の変態を阻害することで寄生を予防できます。
効き目は約3ヶ月。カレンダーシールが付いているので、いつ使用したのかが一目でわかるところがうれしいですね。またジェネリックならではの価格も魅力的です。
犬猫用のスポット駆除剤といえば、やはりフロントラインを外すことはできません。有効成分フィプロニルが皮脂層に広がり、24時間以内に効き目を発揮します。
またマダニに対する効き目も抜群で、48時間以内に駆除が可能です。滴下後にシャンプーしても効き目が変わらないことも特徴ですね。
ノミやマダニを駆除する効能は、他のスポット駆除剤と同様ですが、なんといっても最大の特長は蚊を寄せ付けないこと。蚊が発生する時期のお散歩には頼れる味方ですね。
経口タイプの駆除薬と違って、吸血されることなく害虫を駆除できるので、犬への安全性もかなり高いものがあります。
この製品の特長は、駆除の難しいとされている多剤耐性ノミに対して有効だということ。しっかり駆除剤を使っていれば、やっつけられていたはずのノミが生き残り、駆除剤に対して耐性を持ってしまっても効果が見られるということです。
また滴下後はあまりベタつかず速乾性なので、快適に過ごせるということも人気の理由です。
これまでのスポット駆除剤は、滴下口を開けるには「パチン」と折る必要がありました。しかし折り口が鋭利になるために、皮膚への押し付けが足りなくなるという欠点がありました。
この製品は、先端が皮膚に触れても痛くないように、丸いチューブ型ピペットにすることで、薬液が毛に付きにくく、確実な滴下が可能になっています。
スポット駆除剤の滴下には、きちんと皮膚に当てることが難しかったり、犬が嫌がってしまうことも多いものですが、やはり効き目に関しては、現時点ではスポット駆除剤に軍配が上がる印象です。ノミ・マダニが有効成分に触れただけで駆除できるので、犬にとっても安全ですし、確実性を求めるなら、スポット駆除剤ということになりそうですね。
加藤 みゆき/獣医師
日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。