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食べもの

2020.07.26

手づくりごはん|パートナーに優しいレシピ|vol.14

パートナーに優しいレシピ|犬は魚の栄養を吸収できるのだろうか

犬を飼っている方なら、肉と同じくらい自然に、魚を与えることが多いのではないでしょうか。人間にとっても、魚はヘルシーな食材として扱われ、特に魚の脂は体に良いと推奨されています。
では、犬にとって魚や魚介類とは、どのような位置付けで考えたら良いのでしょうか。犬の消化能力との関係から、答えを探ってみたいと思います。

#パートナーに優しいレシピ

Author :さのさえこ/ドッグライター

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犬は肉食から雑食に進化してきている

犬は人間との生活により、肉食から雑食の動物に進化しつつあります。
特に日本では、人間が食べる白米、味噌汁、焼き魚などを与えられいた時代もあったことから、犬はそれに適した消化能力を身に付けるようになってきました。

犬にとって魚はどのくらい必要な食べ物か

魚に多く含まれる、DHA、EPAを「オメガ3脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)」と呼びますが、この成分が犬にもたらす効果は、海外のペットフードメーカーや大学などで、様々な研究と臨床試験が行われています。犬にとって魚は有用な食物であるとの結果は出ているようです。

肉から魚食に変えても問題はないの?

犬の場合、DHA、EPAの過剰摂取により、体内のビタミンEが不足する「黄色脂肪症」への危険性が高まると言われています。魚の摂取量の上限は漠然としていますが、一般的には体重5kg当たり10gが、犬の魚の摂取目安とされています。手作り食などで肉から魚に完全に移行してしまうのは、危険ではないでしょうか。

魚は肉よりもカロリーが低いのは本当なの?

皮無しの鶏胸肉と鮭を比較した場合、100g当たりのカロリーと脂質は以下のようになります。
★鶏胸肉:108kcal、1.5g
★鮭:104kcal、3.38g
一例ではありますが、カロリーの差はほとんどなく、脂質は鮭の方が高くなります。魚は必ずしもダイエット食ではなさそうです。
しかし魚は、その栄養成分から健康効果が見込まれる食材であることは言えると思います。
実際にどのような研究結果が出ているのかを見ていきましょう。

魚が犬にもたらす健康効果が期待できるもの

犬の骨関節炎、アトピー性皮膚炎、心不全、不整脈などに、魚のオメガ3脂肪酸が効果を発揮したという症例が、海外でいくつか報告されています。ただし、適切な治療を施した上で改善の見込みがあったということなので、オメガ3脂肪酸だけで治癒するわけではありません。

効果について研究途中とされているもの

悪性腫瘍、悪性リンパ腫、認知症、てんかん、攻撃性、これらについても現在研究が進められています。オメガ3脂肪酸の抗酸化作用が改善に役立つのではないかという仮説が基になっているようです。今後の結果に期待したいです。

マグロとサメの水銀には注意が必要

魚全般が、量を加減すれば健康効果のありそうな食べ物だということがわかりました。しかし、本マグロ、ミナミ(インド)マグロ、メバチマグロ、ヨシキリザメなどには、他の魚よりも水銀が蓄積されやすいと言われています。人間よりも小さな犬にとっては、微量でも影響が出やすくなる可能性があります。
与えられる許容量をしっかり守ること、連続して与えないことに注意が必要でしょう。

寄生虫とヒスタミン食中毒に注意して!

人間用の刺身であれば生でも問題ありませんが、一尾を買って捌いた時などは寄生虫にご注意ください。また、新鮮な魚であっても、常温で放置することでヒスタミンが生成されると加熱しても死滅せず、その魚を食べると食中毒になります。
生で与えることで栄養素を欠くことなく吸収できますが、できれば加熱することをおすすめします。

与えると問題が起きやすい魚を避ける

人間用に味付けしたもの、干物、塩を使ったもの、しらすなどは塩分が高いためNGです。
また、小骨の多い魚は、しっかりと取り除きましょう。犬は丸飲みすることがほとんどなので、食道や胃を傷つけるだけでなく、刺さったりすれば危険な状態になります。

魚介類からも栄養は摂れるのだろうか

イカ、タコ、ウナギ、貝類、ウニ、エビ、カニなどの魚介類や海藻は、嘔吐や下痢の原因になりやすい水産物です。特にウニはリンを多く含み、腎臓に負担がかかりやすくなるため、与えてはいけないようです。

ダメではないが避けた方が無難という結論

イカ、タコ、ウナギ、カニについては、ごく少量を加熱したものに限り、与えても問題ないと言われることもあります。しかし特に与えなくても良い食材とも言えます。これらの魚介類でなければ摂れない栄養素はないからです。
間違えてあげても毒ではなさそうだ、という程度の認識で私は考えています。

栄養のある食生活のアクセントとしての魚

犬に与えて良い1日の魚の量は、体重5kgに対して、わずか10gが目安となります。
1円玉は1枚1gですが、持っている感覚すらほとんど感じない程度の重さです。
魚はオメガ3脂肪酸やタンパク質が摂取できる貴重な食材ですが、フードに含まれているものも考慮すると、実際はもっと少ない量にしなければならないようです。私自身、反省するきっかけになりました。

◎ライタープロフィール
ドッグライター さのさえこ

さの さえこ/ドッグライター

子供の頃はアレルギーで飼えなかった犬を、大人になって初めて迎えることができました。しかし里子で迎えた初めての愛犬は、外耳炎、歯肉炎、膿皮症、膝蓋骨脱臼を持っていました。
この子をきれいな体にするにはどうしたら良いか。そんな気持ちから得た経験を、「犬の食」を通してお伝えできればと思っています。

  • 更新日:

    2020.07.26

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