ビフィズス菌の大きな働きは「整腸作用」です。
ビフィズス菌が増えることで悪玉菌の増殖を抑え、腸内フローラのバランスを整えます。
便秘、下痢、どちらにも有効な菌です。
腸の中には、ビフィズス菌のようにお通じに効果を発揮する菌だけでなく、燃焼を促す菌、肥満になりやすくなる菌、クロストリジウムのように増えすぎると悪さをする菌、特別な効果を持つレアな菌など、多種多様な菌が存在します。これらの多くの菌をバランス良く保つことが「腸内フローラを整える」ことであり、健康維持に必要だと言われています。
このように、腸内フローラのバランスを良好に保つことで、様々な菌が体に作用し、免疫力向上につながります。
病気になりにくい体を作るため、若いうちに対処をしていこうと思いました。
甘酒には、その原料から2種類あるのをご存知でしょうか。
1つは酒粕から作る甘酒、もう1つは米麹から作る甘酒です。犬に与えて良いのは、米麹から作る甘酒です。酒粕から作ったものはアルコール分がありますので、犬に与えるのは危険です。
甘酒は発酵食品です。米麹には、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼという酵素が含まれており、これらの酵素により、米のデンプン(炭水化物)がオリゴ糖やブドウ糖、食物繊維に、そしてタンパク質がアミノ酸に分解されます。
酵素分解は、よくフードなどの原材料に書かれている「加水分解」に近いもので、犬の口に入る前に栄養素レベルに分解することで、体内に摂り込んだ際に吸収効率が向上します。
オリゴ糖はビフィズス菌のエサとなり、増殖に役立ちます。そして、ビフィズス菌と食物繊維の働きで、整腸効果が期待できます。
アミノ酸や米麹に含まれるビタミン、ミネラルを摂り込むこともできます
病後やシニア犬でフードだけでは栄養が不足してしまう時などに、甘酒はとても有用なものだと言えるでしょう。
早速、米麹を購入して、甘酒作りをしてみました。
ヨーグルトメーカーがあれば、米麹400gにぬるま湯800ccを混ぜ、60℃8時間にセットすれば完成です。
ヨーグルトメーカーがない場合は、炊飯器に入れて保温スイッチを押し、蓋は開けたままで、上から濡れ布巾を被せて8時間でできるそうです。ただし、炊飯器の場合も60℃に保つ必要があるので、温度管理には注意が必要です。
分量を守れば、あとは機械任せなので、簡単に完成しました。オリゴ糖やブドウ糖の自然の甘さが美味しい甘酒です。私は酒粕の甘酒が苦手なのですが、舌に残る感触以外は、全く違うもので、うっかりすると飲み過ぎてしまいそうな味でした。
完成した甘酒は1週間を目安に飲みきる必要があります。私の犬には多すぎる量で、与え過ぎは糖分摂り過ぎで逆効果になるため、私も一緒に飲んでみることにしました。
ネットで色々見ていた時の印象では、犬は甘いものが好きだから、甘酒は好んで口にすると書かれていることが多かったのに、私の犬は全く口にしませんでした。少し匂いを嗅いで放置です。
仕方なく、甘酒に魚介ペーストを混ぜてみたところ、何とか8割くらい口にしてくれました。しかし、翌日からはそれも放置。私の犬の口には合わなかったようです。
結局、甘酒は私が全て飲みました。
私の犬が全く口にしてくれなかったため、ビフィズス菌を増やす効果も、それ以外の変化も見つけることはできませんでした。良さそうなものなのに、とても残念です。
でも野菜や穀物を発酵させることで、効率良く犬にも植物性の栄養を摂らせてやることができます。
次は違う方向から発酵食品に挑戦してみたいと思います。
さの さえこ/ドッグライター
子供の頃はアレルギーで飼えなかった犬を、大人になって初めて迎えることができました。しかし里子で迎えた初めての愛犬は、外耳炎、歯肉炎、膿皮症、膝蓋骨脱臼を持っていました。
この子をきれいな体にするにはどうしたら良いか。そんな気持ちから得た経験を、「犬の食」を通してお伝えできればと思っています。
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