
はじめに、全身ブラックの毛色を持つ犬種からご紹介します。
トイプードルというと、レッドやアプリコットなどのブラウン系の毛色のイメージが強いですが、ブラックも人気があります。ブラックの毛色の個体は、遺伝性疾患が少ないと言われています。また、賢くて運動能力が高いのもブラックの毛色のコの特徴と言われています。
ブラックのラブラドールレトリーバーは「黒ラブ」の愛称を持ち、イエローに次ぐ人気の毛色です。イエローのコと比べると、興奮スイッチが入りやすく活発な性格のコが多いと言われています。光の当たり方によっては全身ブラウンの毛色を持つ「茶ラブ」のコもいます。
どことなく高貴な印象で、かわいさとかっこよさの両方を合わせ持っているアメリカンコッカースパニエル。胸や喉に少量のホワイトが入るのは許容されています。
タンとは、黄褐色の毛色のことをいいます。全身の大部分がブラックの毛色(ブラックがベース)でタンの入っている毛色のことを『ブラックタン』と表現します。ブラックタンの毛色を持つ主な犬種は以下の通りです。
ブラックタンは、チワワの代表的な毛色です。目の上や鼻の周り、四肢の先端などにタンが入っています。タンの色合いは個体によって異なるので、同じブラックタンでもさまざまです。
ブラックタンは、ミニチュアダックスフンドの原色カラーですね。目の上にタンが入り、眉毛のような模様になっているのがとてもかわいらしいです。
威厳があり、凛々しさが感じられるブラックタンの毛色を持つドーベルマン。オーバーコートのみが生えたシングルコートなので換毛期はありませんが、1年を通して毛が生え変わるので、週に数回はブラッシングをして抜け毛を取り除く必要があります。
バイカラーとは、ホワイトを基調とした2色の毛色のことを言います。ブラックとその他のカラーの組み合わせの毛色を持つ主な犬種をご紹介します。
イングリッシュコッカースパニエルには、ブラック&ホワイトのほか、レモン&ホワイトやオレンジ&ホワイト、レバー&ホワイトといったバイカラーが認められています。
日本では、ブラック&ホワイトのバイカラーが主流のボーダーコリー。そのほか、レッド&ホワイトやブルー&ホワイトなどのバイカラーもあります。なお、ホワイトが優勢なのは好ましくないとされています。
サルーキは、ブリンドルを除いて、あらゆる毛色や組み合わせが認められています。抜け毛が少ないと言われるシングルコートですが、体が大きいためそれなりの抜け毛が生じます。
トライカラーとは、ブラック・ホワイト・タンの3色で構成される毛色のことです。
体がブラックで、目の上や頬にタンが入っており、濃い色のタンマーキングの毛色を持つシェットランドシープドッグ。ふんわりとした長い被毛に覆われていることから、カットが必要そうに思いがちですが、一定の長さまでしか伸びないのでトリミングは不要です。
メリハリのある色合いが特徴的なブラックベースのトライカラーのウェルシュ・コーギー・ペンブローク。トライカラーの中でも頭部の色合いによって、ブラックヘッドとレッドヘッドの2タイプがあります。また、成長過程でブラックヘッドからレッドヘッドに変わるケースもあります。
イングリッシュポインターは、トライカラーのほかにブラック&ホワイトやレバー&ホワイト、オレンジ&ホワイト、レモン&ホワイトのバイカラーの毛色バリエーションがあります。スムースコートなので、ちょっとした汚れ程度であれば、濡れたタオルで拭くだけできれいになります。
ブリンドルとは、基調の毛色に他色の差し毛がまんべんなく入っている毛色のことを言います。
スコティッシュテリアは、ブラックブリンドル以外に、あらゆる色のブリンドルが認められています。被毛はワイヤーコートで、その硬い毛質を維持するには、定期的なにプラッキングをする必要があります。
ブラックブリンドル&ホワイトで、有色部分が優勢であることが望ましいとされています。短毛で艶やかなスムースコートで、被毛のお手入れは楽な方です。また、シングルコートなので抜け毛は少ないです。
フォーンやブラウン、グレー、ブラックなどをはじめとした単色もバリーションが豊富です。ブラッシングは週1回程度で大丈夫ですが、もともと皮膚がたるんでおり、シワがよっている部分は汚れが溜まりやすいので、濡れたタオルでこまめに拭いてあげましょう。
ハーレクインとは、ホワイトの地色に黒のまだら模様が入った被毛で、グレートデーンのみに現れる模様です。
ホワイトに黒のまだら模様がよく映えた個性的な毛色でグレートデーンのみに現れる模様です。ダルメシアンと毛色のパターンが似ていますが、ダルメシアンの場合はスポット状(点々)に現れるので、パーレクインではなく「スポット」と呼ばれます。
タキシードとは、タキシードを着ているように見える被毛のことを意味し、主にボストンテリアに見られる毛色の模様です。
ブラックがベースのタキシード柄といえばボストンテリアです。しかし、ブラック&ホワイトの印象が強いですが、実際にはブラックブリンドル&ホワイトになります。日本では、ブラック&ホワイトのタキシード柄のボストンテリアは非常に珍しいと言われています。
ブラック系の毛色は、キリッとして凛々しい雰囲気が魅力的です。単色だけでなく、ブラックがベースのバイカラーやトライカラー、ブリンドル、タキシード柄など実にバリエーションが豊富ですよね。なかなか専門用語も多い犬の毛色ですが、お友だちの愛犬の毛色をズバリと言い当てられたら会話も弾んじゃうかもしれませんね。
新井 絵美子/動物ライター
2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。
過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。