
犬の毛色は、単色だけでなく2色以上のカラーで模様がついている犬もいます。そして、それぞれ模様に名前が付いています。よく見られるものだと、目の上や口元に茶色が入る「タン」や虎柄の「ブリンドル」、3色以上のカラーの「トライカラー」などです。
この他にもたくさんありますが、今回は「スポット」と呼ばれる模様についてご紹介します。
スポットとは、白系の明るい地色の毛に黒やブラウンなどの濃い色の毛が、点々と散らばった斑模様のことを言います。斑点は、2~3㎝ほどの水玉模様で、顔や足、しっぽなど全身にあらわれるのが特徴です。
このスポットが条件となる犬種には、ダルメシアンがあげられます。『101匹わんちゃん』の映画でも有名な犬種ですね。
ダルメシアンの特徴的な模様があらわれるのは、3つの斑点遺伝子の突然変異が関係していると言われています。この模様のあらわれ方は1頭1頭違いがあり、斑点模様が重なり合うほど多い子や白い部分が多めの子などさまざまです。
スポットに似た模様には、ハーレクインという斑模様があります。ハーレクインは、大型犬のグレート・デンだけにあらわれる模様です。
ハールクインやハルクインと呼ばれることもあり、白地に黒の斑点がまだらに散らばった模様のことを言います。
ダルメシアンのスポットは、同じくらいの大きさの丸っぽい形の模様ですが、ハーレクインは大小さまざまな大きさで丸いものや角ばったものなど形もさまざまなです。
スポットは全身だけではなく部分的にあらわれる犬種もいます。それぞれどのような特徴であらわれているのか見てみましょう。
全身にスポットの模様がある犬種です。ダルメシアンと言えば白地に黒い水玉模様を思い浮かべますが、白地にブラウンの水玉模様があらわれている毛色も認められています。
また、生まれたばかりの子犬にはこのスポットがなく、真っ白です。成長と共に少しずつ黒やブラウンなどの濃い色があらわれます。
チワワはカラーの種類が多い犬種です。白地に黒やブラウンなどの2色のカラーで、体の一部に斑点模様があらわれることをスポットカラーと言います。ダルメシアンのような水玉模様というよりは牛柄に近い模様です。
イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルのカラーはブラック&ホワイトとレバー&ホワイトにタンやスポットが入ります。スポットが入る個体は、顔や足などの白い毛の部分に斑点模様があらわれます。
足先、首回り、頭の白い部分をアイリッシュ・スポットといいます。その中に小さな斑点模様があらわれる場合もあります。ボーダーコリーには、体全体に斑点模様が入ったマールというカラーもありますが、アイリッシュ・スポットとは違います。
犬の毛のスポットについてご紹介しました。犬の毛にはさまざまなカラーや模様があります。その中でもダルメシアンの独特な模様をあらわしているのがスポットです。チワワやイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルなどにもスポットが入っている子もいますが、それぞれ模様のあらわれ方に違いがあります。似ている模様でも犬種によって呼び方が違うことも面白いですね。
KANAKO/トリマー
ミニチュアダックスフンド8頭と暮らし、犬にまみれた幸せいっぱいの生活を送っています。
普段は犬の服をハンドメイドで作ったり、トリマーとしての経験を活かしカットを楽しんだりしています。