
犬は、叱られたときに目をそらします。なぜ叱られたのかを分かっていて、反省をしているときに見せる行動です。そんなときの犬の表情は、なんとも悲しそうな顔をしていることが多く見えます。
やむを得ず叱るときは、短い時間で済ませるようにしましょう。反省をしているのに長い時間叱っていては、信頼関係を失ってしまう原因にもなるので避けなければいけません。また、飼い主の怒っている顔が怖くて見れないということもありますので、叱った後はいつまでも怖い顔をしないようにしましょう。
トイレの失敗やいたずらなど、飼い主に知られたくないことをしてしまったときにも犬は目をそらします。我が家で飼っているミニチュアダックスフンドは、トイレを失敗したとき目をそらしたままお腹を出して、許してアピールをします。
目をそらす・合わせないという行動は、いけないことをしてしまったと理解していて、叱られるかもしれないというときに見せる仕草でもあります。叱ったときの対応と同じように、叱りすぎないようにしてあげましょう。
名前を呼んでも目を合わせてくれなかったり、聞こえないふりをして無視をすることがあります。これは動物病院の受診や爪切りのときなど、犬が苦手なことをするときにする行動です。「できればしたくない」という気持ちが表れているようですね。その他、単純に眠たかったり疲れていたりすることが原因で聞こえないふりをすることもあります。
この場合、犬の気持ちに合わせてやめてはいけません。そのかわり上手にできたり、がんばったときには、思いっきり褒めてあげましょう。ただし、単純に眠たかったり疲れていたりすることが原因で聞こえないふりをしているようでしたら、声をかけずに十分休ませてあげましょう。
犬は興奮したときに、気持ちを落ちつかせるために目をそらします。飼い主が外出から戻ってきたときや一緒に遊んであげるときなど、嬉しくてどうしようもないときにする行動です。抱っこをしても、しっぽを振りながら目を合わせないときは、気持ちを落ち着かせようとしているんですね。
嬉しさからの行動ですので、犬の興奮が落ち着くの待ちましょう。この行動は、飼い主に対する愛情や信頼からくるものなので、愛犬がこの行動をしてくるようになったら飼い主も嬉しいですね。
犬や人に対し「自分は何もしませんよ」「ケンカはしません」というときにも、視線をそらします。逆に犬同士がじっと見つめにらみ合っているのは、敵意をむき出しにしている状態です。些細なきっかけでケンカになる可能性が高いので注意が必要です。
敵対心がいないことを表すために目をそらすときには、特別何もしなくてもいいでしょう。ただし、相手の犬がしつこくケンカを売ってくるようであれば、相手の犬の視界から遠ざけてあげましょう。
愛犬と目が合うとなんだかとっても嬉しい気持ちになりますが、実はしつけの観点から飼い主から目を合わせない方がいいパターンもあります。見ていきましょう。
飼い主の手やスボンの裾に飛びついて噛んだり、じゃれたりするのは、犬からみると遊んでいる感覚です。目を合わせたりかまってしまうと、遊んでもらえると勘違いしてしまいますので、無視をして落ち着いたら、一緒に遊んであげるようにしましょう。
サークルやケージから出してほしいとき、ごはんやおやつが欲しいときなど、犬が何かしてほしいときに吠えることを要求吠えと言います。要求吠えは、飼い主との主従関係やしつけができてない犬に多く見られる行動です。
この場合、吠えても何も起こらないことを理解させる必要があります。吠えているときに目を合わせてしまうとどんどん吠える声がエスカレートしてしまいます。おとなしくなるまで犬を見ないようにし、静かになったら褒めてあげましょう。
飼い主が食べているものを狙っているときに、ジーッと見つめて催促をしてくることがあります。見つめられすぎて、ついつい与えてしまいそうになってしまいますが、食事中は犬と目を合わせてはいけません。人が食べているものを与えてしまうと毎回もらえると勘違いしてしまいますので、極力与えないようにしましょう。
犬が目を合わせない時の気持ちについてご紹介しました。犬が目をそらすことは、叱られたときや都合が悪いときだけではなく嬉しいときにもする愛情表現でもあります。その理由を知ることで、より愛犬の気持ちがわかりますね。愛犬の気持ちを理解してあげることで、さらに信頼関係を深めてくださいね。
望月 紗貴/犬の管理栄養士、ペット看護士、ペット介護士、ペットセラピスト、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー
3頭の愛犬たちと1頭の保護犬、3匹の愛猫たちと山奥で暮らす真の動物好きライター兼ペット記事監修者。
犬に関しての正しい知識共有を目的とし、ネットメディアでの情報提供活動を行っております。
休日は愛犬バーニーズマウンテンドッグ、ゴールデンレトリバー、ボーダーコリーとの時間を大切に過ごしています。
KANAKO/トリマー
ミニチュアダックスフンド8頭と暮らし、犬にまみれた幸せいっぱいの生活を送っています。
普段は犬の服をハンドメイドで作ったり、トリマーとしての経験を活かしカットを楽しんだりしています。